「無法弁護士~最高のパートナー~」は、5月28日(水)よりJテレにて放送開始

“アクション職人”イ・ジュンギの魅力たっぷり、痛快法廷アクションドラマ「無法弁護士~最高のパートナー~」を深堀り

2025.05.23 18:00
「無法弁護士~最高のパートナー~」は、5月28日(水)よりJテレにて放送開始

5月28日(水)より全国のJ:COMエリアで視聴可能な無料チャンネル「Jテレ」にて、日本でも根強い人気を誇る韓国の俳優、イ・ジュンギ主演ドラマ「無法弁護士~最高のパートナー~」が放送開始となる。そこで本記事では、ドラマをさらに楽しめるポイントやビハインド、イ・ジュンギについて解説する。(以下、ドラマのネタバレ部分があります)

実力派俳優が勢揃い!“夢のキャスティング”が実現

「無法弁護士~最高のパートナー~」(以下、「無法弁護士」)は、2018年に韓国で放送された作品。法ではなく拳を使っていた“無法”弁護士のポン・サンピル(イ・ジュンギ)が、幼い頃に自身の目の前で母親を殺した男とその背後の絶対権力と絶対悪に立ち向かいながら、真の弁護士に成長していく姿を軸にしたサイダー(=スカッとする痛快さのある)法廷&アクションドラマだ。

サンピルのパートナー弁護士、ハ・ジェイ役に「サイコだけど大丈夫」「君を守りたい~SAVE ME~」などのソ・イェジ、サンピルの母を殺した元ヤクザで現在は大企業の会長のアン・オジュ役には「砂時計」「傲慢と偏見」などのチェ・ミンス、“法曹界のマザーテレサ”として誰からも尊敬されているが、実は影の権力者でラスボスである部長判事、チャ・ムンスクに「マザー」「我が家~嘘のかけら~」などのイ・ヘヨン、その他にも名バイプレイヤーのアン・ネサンやパク・ホサン、“韓国のアカデミー賞”とも言われる「百想芸術大賞」で2年連続“最優秀助演女優賞”を受賞したヨム・ヘランなど、実力派俳優がガッチリ脇を固める、まさに“夢のキャスティング”が実現した。

「無法弁護士」ストーリー

サンピルは、幼少期に人権弁護士の母が担当事件絡みで目の前で殺された過去を持つ弁護士。母の兄で絶縁状態だった組織暴力団のボス、デウン(アン・ネサン)を頼ってソウルへ行き、18年…。ついに母の復讐の時がやって来たと確信したサンピルは、「決して戻ってきてはいけない」との母の遺言を破って生まれ故郷に戻り、かつて母の法律事務所があった場所に再び事務所を構えることにした。

そこは現在、街のチンピラたちが高利貸しの事務所を開いていたが、彼は拳の力で全員を倒し、事務所を明け渡させただけでなく、チンピラたちを服従させ手下にしてしまった。サンピルは“無法”で“武法(武術に長けた)”の弁護士なのだ。

同じ頃、不当な判決を下した裁判官にキレまくって業務停止処分となった弁護士、ジェイ(ソ・イェジ)も帰郷していた。彼女がキレていた現場を見かけたことがあったサンピルは、その気の強さを買って“事務局長”にスカウトした…が、実は2人の間には彼女がまだ知らない並々ならぬ関係があるのだった。

新事務所での初案件は、市長殺人事件の容疑者の弁護。この容疑者である警官は母の事件にも大きくかかわっている人物で、サンピルは敢えて近づいたのだ。この弁護をきっかけに、母の事件の解明と犯人たちを倒す為の彼の闘いが始まる…。

「弁護士が主役で復讐モノ」と聞くと、「難しそうだし暗いのかな…」と思われそうだが、この作品は法廷シーンはかなり少なく、法律用語に振り回される心配は無用。そして、ストーリー展開のテンポの良さ、登場人物たちの善側と悪側がハッキリしている点、とんでもなく強くてスカッとするサンピルのアクションシーンなど、楽しく見られる要素がたっぷりあるドラマだ。

“アクション職人”イ・ジュンギの魅力が爆発

イ・ジュンギは、サンピルについて「ケンカが上手く、頭も良い上にヒューマニズムもある詐欺キャラクター」と説明している。そして、図々しい反面、弁護士として鋭い面も持っている人物なので、話し方もどっしりと構えた感じではなく、テンポやリズムを工夫したとのこと。慣れないリズムで話すせいで噛んでしまわないように、少しでも時間があればセリフをつぶやいて体に叩きこんでいったんだそう。また、役作りのためにハードな減量もして「演技生活をする中で、いちばん痩せた時だった」と、撮影当時のインタビューで語っている。

本作の見どころの1つでもあるアクションシーンも、「アクション職人」と呼ばれる彼がほとんど代役を使わずにこなしている。サンピルは“弁護士でありながら武術に長けた人物”なので、「“現実的なアクション”で何ができるか」を悩んだそう。「これまでの武術スタイルとは明らかに違うと思うので、関心を持って見てほしい」と彼は視聴ポイントを語っている。

脚本のユン・ヒョンホは、「俳優が法廷演技をするのは大変な負担があるが、アクションまであるからもっと難しい。そのどちらも上手い俳優が居るのだろうか、と思った。結果的に、本作はイ・ジュンギが居たからこそ可能だった。彼はどちらも完璧によく演ってくれた」と彼を称えている。

実際、「無法弁護士」の話が持ち上がった時、すべてのスタッフが「サンピル役は、イ・ジュンギが適任」と言ったそう。だが、キム・ジンミン監督は「ジュンギとはやりたくない」と反対。キム監督は2007年に彼が主演した大ヒットドラマ「犬とオオカミの時間」の監督で、以来2人はずっと親しくしている仲。では何故反対したのか…。理由は、前作以上に成功しないと、お互いにとって良くないのでは…というプレッシャーのためだった。その点はイ・ジュンギも同じで、オファーは一旦保留に。

だが、後日再び監督から連絡があり、「僕が、キミをこの先10年は食べていけるようにするつもりでやってみる」と告げられ、彼は「成否はともかく、監督と一緒ならきっと残るものはあるだろう」と思い、出演を即決。「自分の間違った習慣が正され、マンネリを打破できるかもしれないと思った。その時期が来たから、僕たちが再び会ったのではないか」と、11年ぶりのタッグについてイ・ジュンギは振り返る。

一方、キム監督はイ・ジュンギについて「11年前、彼は情熱的に演じる人で、それは今も変わっていなかった。変わったのは、非常に柔軟になった点。他人の話を聞いて消化する人に成長した。大スターだが、現場でスタッフや他の俳優たちを気遣う姿を見て、長く活躍しているのには理由があると思った」と、俳優としての成長を褒めていた。

初共演の先輩俳優、チェ・ミンスに緊張しすぎて悪夢を…

本作でチェ・ミンスやイ・ヘヨンといった大先輩と共演できたことも、イ・ジュンギにとっては大きな出来事だったと語る。特に、チェ・ミンスに対してはダークでハードな役のイメージや時折聞かれるヤンチャなエピソードのせいか、イ・ジュンギは会う前は本当に怖くて悪夢を見てしまうほどだったとか。初めて一緒のシーンを撮る前は、プレッシャーとストレスがすごかったんだそう。

だが実際に会ったチェ・ミンスはとてもカッコ良くて明るい人で、彼が「最近、先輩の夢しか見てません…」と告げると、「心配するな。キミが演じるままにオレが支えるから」と言ってくれたそう。演じてみるとお互いにぴたっとはまった感じがしたんだとか。イ・ジュンギは、ピンポンのラリーのような演技のやり取りが面白くて新鮮だったと語り、「僕が感じた、張りつめた緊張感を視聴者の方々も感じてくだされば…」と、この点も視聴ポイントに挙げている。

スクリーンデビューは、日本映画

イ・ジュンギは、1982年生まれ。コンピュータープログラマーになるのが夢だったが、高校生の時に演劇「ハムレット」を見て芝居の魅力にハマり俳優を目指すことに。そして大反対の両親を説得し、釜山からソウルに上京。道でスカウト詐欺に遭いかけたり、50回以上オーディションに落ちたりする中で、2001年にアパレルブランドの紙面広告でデビューした。

その後、ドラマの端役などをしていたが、彼のプロフィールが映画監督の目に触れ、2004年に草なぎ剛主演の映画「ホテルビーナス」でスクリーンデビューを果たす。余談だが、日本での撮影時、お金が無くて撮影が無い時はアルバイトをしていたそうだ。

映画「王の男」の中世的な道化役で大ブレイク

イ・ジュンギがブレイクしたきっかけは、2005年公開の動員1000万人超の映画「王の男」での中世的な魅力で王様を虜にする道化、コンギル役。絶対この役を演じたい、と100%命をかける勢いで準備をして約1ヶ月間に渡る3回のオーディションに臨んで勝ち取ったのだった。コンギルの動作の大半は、彼がオーディションで披露したものだそうだ。また、撮影中もトランスジェンダーのバーに行って、役への理解を深めて演技に生かしたり、と努力を続けた。その甲斐あって、観客に強いインパクトを与えた彼は、いくつもの映画賞の新人賞を受賞した。

「王の男」の公開と同時期に放送されていた、彼が準主役のドラマ「マイガール」の平均視聴率が約20%となって、相乗効果で“イ・ジュンギシンドローム”が起き、その人気は、当時、俳優としては異例の大規模の会場でファンミーティングを開催するほどだった。

当時を振り返って、彼は自分が“スター病”にかかっていたと告白している。天狗になって礼儀もマナーも無かったそうだ。おかげで、記者たちが選ぶ「短期間に初心を失ったスター」1位になり、周りの人たちも離れていった。その時、「周りの人々に愛されない人間が、どうやって大衆に感動と愛を与えられるのか」と、間違いに気付いたそう。現在は、スタッフたちを気遣う、良い性格の俳優として高く評価されている。

ノワールドラマでイメージ一新

中性的な魅力だけでなく、もう少し俳優として見られたい、このままでは淘汰されてしまうかも…と悩んでいた時期に出会ったのが、前述の「犬とオオカミの時間」。このノワールドラマで、彼は善と悪、2つのキャラクターを見事に演じ分け、また、カーチェイスシーンに挑戦するなどして、これまでのイメージを一変させることに成功した。彼のターニングポイントとなった作品である。

続く2008年には、最高視聴率31.4%を記録したフュージョン時代劇「イルジメ〔一枝梅〕」で、弱きを助け強きをくじく義賊・イルジメ役で幅広い演技力を見せつけ、彼は「SBS演技大賞2008」で“男子最優秀演技賞”など三冠に輝いた。

そして、2016年の「麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち~」で演じた第4皇子、ワン・ソ役では、17kg減量して美しさを際立たせた。イ・ジウン(IU)演じるヘスとのせつないロマンスなど胸キュン要素も多く、視聴者の若い世代にもファンが拡大。「第2の全盛期」到来とも言われた。2015年の「夜を歩く士<ソンビ>」も含め、「イ・ジュンギの時代劇にハズレ無し」の法則をこの作品で更新した。

2020年には「悪の花」で家庭的な夫の皮を被ったサイコパスを演じ、2022年の「アゲイン・マイ・ライフ」では、無念の死を遂げて過去にタイムスリップし、巨悪に立ち向かう熱血検事を演じて「SBS演技大賞2022」の“ミニシリーズファンタジー部門 最優秀演技賞”を受賞した。

「俳優人生の50%ぐらいまで来たような気がする」

最新作は、2023年の「アラムンの剣 アスダル年代記 season2」。次回作の発表はまだ無いが、現在はアジアを中心にファンイベントを行っている。日本でもほぼ毎年ファンミーティングを開催。今年も6月28日(土)に横浜での公演が決定している。

「現在、俳優人生の50%ぐらいまで来たような気がする」と語るイ・ジュンギ。体がついていけるまではアクションも続けたいと言い、新たな役にも挑戦して、残りの50%ではどんな姿を見せてくれるのか。新たな姿を期待しながら次回作のニュースを待ちたい。

◆文=鳥居美保

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