＜PJ ～航空救難団～＞内野聖陽“宇佐美”、女性訓練生・石井杏奈“さやか”にショッキングな宣告

2025.05.21 11:07

内野聖陽主演、航空自衛隊全面協力のドラマ「PJ ～航空救難団～」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系／TELASA、Tverにて配信)。5月15日放送の第4話では、山での救助訓練が描かれ、これまで以上に過酷な状況下で奮闘する訓練生たちの姿が感動を呼んだ。過酷な訓練をやり遂げ、解放感に浸る彼らだったが、教官・宇佐美(内野)が初の女性訓練生である藤井さやか(石井杏奈)にまさかの一言を告げ、彼女はもちろん、視聴者たちにも「え!?」「ウソでしょ…？」と動揺が走る展開となった。(以下、ネタバレ含みます)

「人命救助最後の砦」のPJを目指す学生たちと教官の群像劇

「PJ」とは、“パラレスキュージャンパー”の略。海上保安庁や山岳救助隊など、どの組織でも救助不可能と判断された場合に出動する究極の救難隊のことで、「人命救助最後の砦」とも言われる航空自衛隊の航空救難団だ。

本作は、航空自衛隊小牧基地を舞台に、救難教育隊の主任教官・宇佐美誠司(内野)と7人の学生たちが織りなす群像劇、そしてPJの過酷な任務の様子を、リアルかつ壮大なスケールで描いていく。

地獄の“山岳救助想定訓練”スタート

今日は、“山岳救助想定訓練”だ。山を進み、要救助者を発見後、ヘリコプターの待つ場所まで搬送して、ヘリに収容する訓練だ。30kgの荷物を背負ったまま行動し、2日間で口にできるのは水2リットルのみ。しかも許可が出た時だけしか飲めないというかなり過酷なミッションである。今回は、訓練生7人が1チームとなり行動。宇佐美は、チームリーダーに大学時代に山岳部だった近藤(前田旺志郎)を指名した。

集合は8時30分だったが、現在8時31分。ヘリコプターの燃料は刻一刻と無くなっていくわけで、1分の遅れが大きなミスにつながることもある。ペナルティーとして彼らは30kgの荷物を背負ったまま、腕立て伏せをさせられた。

出発から1時間半経過。灼熱の中、山を進む訓練生たちに疲れが見え始める。その時、東海林()が膝から崩れ落ちた。東海林は選抜試験に三度目の正直で合格し、妻と乳児を置いてやって来た訓練生だ。たった1人で育児に追われる妻との電話での会話は、最近ぎくしゃくしており、自分の選んだ道が正しかったのかと悩んで眠れない日々が続いていた。

「誰が休憩していいと言った？」などと、怒鳴りつける教官たち。渾身の力を振り絞っても立ち上がることができない東海林を見て、宇佐美は訓練生たちに「動けないなら置いていけ」と冷たく言い放った。非道に思えるが、救助は一刻を争うのだ。動けない隊員のためにタイムロスしている場合ではない。感情論ではなく、何が最優先かを冷静に判断しなくてはならない。

だが、沢井(神尾楓珠)は、「俺は置いていかない！」と言い、仲間たちで東海林の荷物を分け合って持ち、彼を支えながら訓練生たちは再び歩き始めた。

リーダー近藤、山で現在地を見失う

そして、飲まず食わずで道の無い中を進み、崖を登り、3時間半…ついに要救助者2人を発見した。ダミーを相手に、容態を確認して声をかけながら処置をする訓練生たち。要救助者の上着のジッパーを開けた近藤に、教官の中林(高岸宏行)が「やめて。開けないでぇー」と女性になりきって声を上げ、その直後に「気を使え！」と教官に戻って怒鳴った。処置が最優先だが気遣いも忘れてはならないのだ。担架に乗せて運ぶ際も同様で、「愛護的に扱え」と指示が飛ぶ。

体力はとっくに限界を超えている上に、霧で視界も悪く、湿った地面に足を救われそうになる。ペースは落ち、予定よりも遅れている。ヘリへの収容時刻まであと40分となった時、チームリーダーの近藤が現在地を見失った。

本来ならば、その前に位置を確認した地点まで戻ってやり直すのがセオリーだが、最後に確認したのは15分前。戻る時間も体力も無い。近藤は、決断を迫る仲間たちの目を見ながらどうするべきか迷っていた。だが、リーダーに指名してくれた宇佐美の信頼に応えたいと思い、自分を信じてこのまま進むことを決めた。異論を口にする仲間たちに、彼は「正しければこの先に沢があり、それが見つかれば現在地が分かってルートに戻れる」と説明し、「ついてきてほしい」と訴えた。仲間たちは近藤を信じることにした。

近藤の読み通り沢があり、ルート修正。そして、13時59分。ヘリへの収容時刻の14時に何とか間に合って搬送が完了した。訓練生たちは達成感で満たされながらも、倒れ込んでもう動けなかった。その時、誰かと通信していた教官の大山(眞島秀和)が「えぇーっ!?」と大声を上げた。

さらに2人の要救助者が居ることが判明

大山は宇佐美に駆け寄り、先ほどの救出場所に要救助者がまだ2人居ると告げた。教官たちのわざとらしい芝居をぼうぜんと見つめる訓練生たち…。「65期の学生は元気です！救出可能だと考えます」と言う大山に賛同する宇佐美。そして、18時までに救出してここに戻って来いと訓練生たちに告げるのだった。

だが、彼らは瞬時には返事ができなかった。人間、一度ゴールテープを切ってしまったら、すぐにはモチベーションが上がらないのは当然だ。ましてや、体力は本当に使い切ってしまった。何が「学生たちは元気です！」だ。こんなシャレにならないドッキリがあるだろうか。だが、これはイジメでもしごきでもない。実際の現場では充分にありえる事態だ。

再び救助するために今来た道を戻る訓練生たちは、一歩足を出すのさえやっとの状態。加えて先程の過酷さがフラッシュバックし、気力もそがれていく。足元をすくわれながらほとんどゾンビ状態で進む彼らだったが、長谷部(渡辺碧斗)が倒れ込み、声を上げて泣き出した。精神的にも限界を超えているのだ。だが、教官たちは彼に向かって「何やってんだ、オマエ」「帰るか？」など容赦ない言葉をぶつける。その様子を見ていた沢井は、以前キツかった時に宇佐美が言った「何でもいいから声出せ！」との言葉を思い出して、「あぁぁぁぁぁ！」と絶叫し、仲間たちにも大声を出すように訴えた。

訓練生たちは思い思いにこれまでの宇佐美の言葉を叫んで何とか気力を取り戻し、救助の地点にたどり着いた。東海林は担架を持ち上げようとするが、手に力が入らない…。その為、白河(前田拳太郎)が要救助者を背負うことになった。だが実は、先ほど崖を登った際、彼は足を捻っており、宇佐美だけがそれに気付いていた。宇佐美は白河に「仲間に頼ってもいいんだ」と告げた。白河は先日、宇佐美と相撲をとった時のことを思い出し、素直に仲間に助けを求めた。先程の大声での言葉もそうだが、“宇佐美イズム”は確実に訓練生に染みついてきている。

ランディー(草間リチャード敬太)が白河と替わり、長谷部が担架を持つと名乗りを上げた。心配する仲間たちに「やれるから！」と自分を鼓舞するように言う長谷部。そして、「担架を持っててもコンパスは取れる」と長谷部に寄り添う近藤。その様子を見ていた東海林も気力を振り絞って近藤に替わって担架を持った。誰もが心までは折れていなかった。

死力を尽くして要救助者を運ぶ訓練生たちだったが、ついにさやかが力尽きて倒れてしまった。意識もうろうの彼女を沢井が背負う。お互いに助け合いながら時間通りにヘリコプターに要救助者を乗せ、これで本当に本日の訓練が終わった。ヘリコプターを見送りながら、胸がいっぱいになる訓練生たち。特に近藤は、初の大役を無事に終えられて「みんなのおかげ」と言いながら涙を流した。

さやかは「ここまで」…!?

その夜、訓練生たちが解放感に浸りながらフザケあっているところに、教官たちがやって来た。そして、宇佐美はさやかを呼び、「今まで良くやったが…ここまでだ」と告げた。いくら優秀でもやはり男子との体力の差は否めない。今回も最終的に足手まといになったのは事実だ。この訓練は明日も続くが、これ以上はもう無理だと判断されてしまったようだ。

予想外の急展開にSNSには「ウソでしょ？」とのコメントが連投された。また「全員で卒業させて！」と懇願するコメントも。さやかは、本当にここまでなのか？沢井たち仲間も黙ってはいないだろう。何とか彼女にセカンドチャンスが与えられることを祈りながら次回を待つ。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部