10年愛され続ける「クイズ!脳ベルSHOW」の真価

放送開始から10年「クイズ!脳ベルSHOW」 広い年代から愛される番組作りのキモは“緩さ”と“ハプニング大好き”

2025.05.19 12:00
10年愛され続ける「クイズ!脳ベルSHOW」の真価

ますだおかだ・岡田圭右がMCを務めるクイズ番組「クイズ!脳ベルSHOW」(毎週月曜夜10:00-10:55)が、放送開始から10年目を迎えた。現在も番組ならではのクイズはもちろん、司会の岡田とバラエティー豊かなパネラーとの掛け合いが楽しめる人気長寿番組だ。WEBザテレビジョンは番組プロデューサーの丸林徳昭氏へ取材をおこない、長きにわたって幅広い年代の視聴者から愛されてきた同番組のこれまでと、今後の目標などを語ってもらった。

「年配者向けのクイズ番組」というキーワードから生まれた“緩さ”

――10年と歴史のある「クイズ!脳ベルSHOW」。番組が始まった2015年の10月、番組立ち上げの背景などは覚えていらっしゃいますか?

丸林:もともとは当時のBSフジの編成担当の人から、「年配者向けのクイズ番組をやりたい」というお話をいただきました。

――「脳ベルSHOW」は地上波のクイズ番組と比べても空気感や問題の作り方が変わっていると思うのですが、意識されていることはありましたか?

丸林:BSの番組なので、そもそもが「緩く作ろう」と考えていました。地上波のクイズ番組だと、たとえば「東大生が」などの“もうひとネタ”が必要になってきます。しかしそうした枷を外して、昔懐かしいクイズ形式を緩い雰囲気で作り上げられたら良いなと構想していました。実際、番組がスタートしたところ、予想以上に緩かったんですね(笑)

地上波のクイズ番組だったら、やっぱり出演される方はわからないなりに答えを書くじゃないですか。テレビですからね。でも「脳ベルSHOW」には一度テレビから離れた人や、いわゆる“バラエティーのルール”を気にしない人たちも多くいらしてくださって…。司会の岡田(圭右)さんも最初こそ「白紙回答はダメ」と注意していたのですが、それでも「わからないから」と白紙解答が横行するんです(笑)。そうして、もうなし崩しに…でもそうしたところも、昔懐かしい雰囲気の緩さに繋がっていると思いますね。

――では問題の難易度も、番組を続ける中で調整されていますか?

丸林:クイズの難易度は…簡単に言うと、すごく雑に設定しています(笑)。クイズ作家さんやディレクターなどいろいろな人が考えるのですが、「簡単」が基本のベース。でも簡単な内容ばかりだとクイズが好きな人は「簡単過ぎる」となる。そこで時々、クイズ作家さんが考えてきた良いクイズとか難しい問題をあえて入れる。

だから難易度は問題の順序やタイミングによらず、あえてぐちゃぐちゃにしているんです(笑)。

――地上波のクイズ番組と差別化しながら問題を作り続けているクイズ作家さんもすごいですね。問題作りについての苦労などはありますか?

丸林:クイズ作家さんだけでなく、ディレクターもクイズを考えています。たとえば番組の途中にエクササイズのような脳トレのコーナーがあり、「小銭を数える」とか「駄菓子を記憶する」といったことをしていました。するとそれらも「クイズにできそうだね」と問題にしたのですが、それはディレクターからの提案です。

――出演者の方たちもユニークな方が多い印象です。「芸能界を退いた方もいらっしゃる」とお話もありましたが、「こういう人を呼ぼう」といった方向性はあるのでしょうか?

丸林:いろいろな人に声をかけます。普段はクイズ番組に出演するところがない人でも、「でも『脳ベルSHOW』だったら、この人どうですか?」と事務所様から反応をいただけることもあって。週イチの放送になった時もキャスティングを話題にしていただいたのですが、今もキャスティングには“違和感”を1つ入れるような、「何でこの人の隣にこの人がいるんだろう?」というキャスティングを意識しています。

「脳ベルSHOW」の輪が芸能界に広がっている

――岡田さんの司会もユニークです。頑張ってヒントを出したり、解答者の皆さんを正解に導こうとする姿が印象的。賑やかな雰囲気は、岡田さんご自身が意識してやっていらっしゃるのでしょうか?

丸林:そうだと思います。少なくとも、岡田さんが年配の皆さんをフレンドリーに下の名前で呼ぶのは意識されているはず。

本当は岡田さんがゲストのところまで行って、席を叩きながら話して欲しいんですよ。でもコロナ禍を挟んだのでセット間が広がって、それができない。コロナ前はそのスタンスだったんですが…。

クイズ番組はクイズが主役になるから、どんなに優秀でも司会者が画面に映るのは問題を振るタイミングあたりだけになりがちです。

最近は岡田さんもゲスト席まで行けるようになりましたが、まだどうしても司会者席と解答者席の間隔が空いている。一番手前の人にしか行けていないのは、制作側としても悔しいところですね。

――岡田さんはやたらと司会デスクを叩きまくると思っていたのですが、本当はゲストのところまで行きたかったんですね。

丸林:本当はゲストのところまで行って席を叩きたい…けれどいまはそれができない。だから自分の席を叩いていらっしゃるのだと思います。岡田さんも仰っていましたが、司会デスクの叩いていた部分は削れているとか(笑)。「俺が叩きすぎて削れた」と聞きました。

――開始から10年になります。最初はこれだけ続くと思っていましたか?

丸林:僕は最初、10年続けることが目標だったので、それは達成しました(笑)。ちなみにBSフジの番組の中で「脳ベルSHOW」はリピート率が高い番組というデータがあります。コアファンというか、毎週の放送を楽しみにしている方が一定層いて、そういう根強いファンの方々に支えられているという印象は数字からも拝見できます。非常にありがたい話です。

さらに著名な方が「脳ベルSHOW」のファンであることを公言してくださっているパターンも結構あります。たとえば数年前にくりぃむしちゅーの有田哲平さんもこの番組を好きと言ってくださっているのを見たことがあります。

毎日月曜~金曜の帯でやっていた時は、地上波でも朝4時から再放送していたんですよ。そんななかで芸人さんたちが、「夜中の変な時間に、年配の方向けのクイズ番組をやっている」といろいろな番組で話題にしていただいていたと。

あとは直木賞を受賞された万城目学さんも、夜中に仕事をする関係で見てくださっていたそうです。その時は受賞する前でしたが、たまたまSNSで番組についてつぶやいていたのを見てオファーしてみたら出演してくださったことがあります(笑)

バラエティは基本的に断っているそうで、僕らがキャスティングする時もまずは出版社に連絡を取りました。これは万城目さんご本人から収録の時に伺ったのですが、まず第一報は出版社の方からの「テレビの依頼が来たけどバラエティーだから断っておきますね」という報告だったそうなんです。それで万城目さんが念のため「一応番組名を教えてください」と聞いたところ、「脳ベルSHOW」の名前が出たので「出ます」と返答した…という経緯でした。ありがたいことです…。

ハプニングを積極的に拾う楽しさ

――特にテレビ番組は「新しさ」も求められる気がします。「脳ベルSHOW」は「新しさ」が無くても成立した10年なのかなと感じましたが、「新しいことをやろう」と意識されたときはありましたか?

丸林:クイズで言うと、今はAIが作ったクイズも出題しています。あとは作家さんから上がってきた変わったクイズがあれば、積極的に採用しようとはしています。

基本的に「馬鹿にする」ことはなし。番組当初から大事にしてきているのが「編集で切りがちな、変なこと」を逃がさないことですね。たとえば「司会者が答えを言っちゃう」「ボタンを押さないクイズなのに、気を抜きすぎて肘で早押しボタンを押しちゃう」だとか。

僕自身、そういうハプニングがめちゃめちゃ好きでして。いわゆる予定不調和な部分、年配の人たちが肩の力を抜いて参加しているからこそ起きる不調和。クイズ番組なのになかなか答えを書かないから、司会者がヒントを言い過ぎて答えを言っちゃうとか、そういう部分は大事にしています(笑)

――5月19日(月)と26日(月)は「昭和歌謡パレード」とのコラボ回だそうですね。中山秀征さんが率いる「昭和歌謡パレード」チームが「脳ベルSHOW」に来るという形と聞いています。

丸林:「昭和歌謡パレード」MCの中山秀征さん、演歌歌手の北山たけしさん、美貴じゅん子さん、番組ナレーターの元ツイストのふとがね金太さんの4人です。数々のクイズ番組の司会をやられてきた中山さんが、自分の番組のためにパネラーとしてクイズに参加してくれます。パネラー席に中山さんが座るという光景は、なかなかないですよね。

エクササイズのコーナーで「ヒット曲の歌詞をジェスチャーで当てる」というクイズが出た時は、全力で身体を張ってくださいました。ぜひ中山さんの勇姿をお見逃しなく。

――10年が経ち、今後もBSフジさんの人気番組として「脳ベルSHOW」は続いていくと思います。そこでこの先「これをやっていきたい」など、考えていることがあれば教えてください。

丸林:より年配層を意識した、クイズだけに拘らない新しいことをやっていこうと考えています。…もしかしたら、クイズを忘れて何かをやるかもしれません(笑)

クイズが苦手な人でも見ることができるクイズ番組ですので、ぜひ試しに見てみてください。芸能人の方も、「他のクイズ番組は断るけど、これだったら正解できそうだから来る」という人もいるみたいですので!

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