

『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』時代劇専門チャンネルにてTV初放送、2.5次元舞台ならではの“表現方法”からその魅力を紐解く

「正直言って、良かった。スッゲェ良かった」。社会現象となった赤坂アカ×横槍メンゴによる漫画作品『【推しの子】』。その中から、原作の第5章『2.5次元舞台編』に焦点を当て、漫画作品の舞台化の制作ドラマを描いた舞台作品『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』が、2024年12月に上演され話題となった。その『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』が、5月17日(土)19:00ほかに時代劇専門チャンネルにて最速テレビ初放送される。
2.5次元舞台でしか味わえない感動とは?
冒頭の言葉は、2.5次元舞台を初めて観た際に主人公のアクアが放った感想である。筆者である私自身、実は2.5次元舞台をこれまで観たことがなかった。この『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』が、2.5次元舞台の観覧デビューとなったのだが、まさに「スッゲェ良かった」という一言に尽きるほど、漫画やドラマとはまた違ったこのメディアの表現でしか味わえない感動がそこにはあった。
それは、舞台内のアクアが説明していたように「テンポが良い、見やすい、歌とダンスでエンタメ要素も押さえてあるし、キャラの再現率も高い。何より俳優のパフォーマンスを引き立てる、無駄のない脚本」という解釈と完全に一致。3時間弱という長尺であるにもかかわらず、一瞬たりとも飽きる隙を与えてこない。終始食い入るように観てしまう、というよりもこの2.5次元の世界に没入してしまう。
まさに「(漫画と舞台の)それぞれの特性を理解して、漫画に寄せるのでも舞台に寄せるのでもない。互いの良さを最大限に引き出すのが、2.5次元舞台」であることを実感できる作品だった。もちろん、原作漫画へのリスペクトもしっかりと感じられる。
あまりに感動し過ぎて、良かったポイントをすべてピックアップして感情のままに書き綴ったら、おそらくとんでもない文章量かつ読み手の意欲を削ぐほどの熱苦しさと細かさになってしまうため、最も個人的に感動した“表現方法”という部分のみでその魅力を紹介したい。
“声の艶”に注目!
まず一番の特徴は“声の艶”のように感じた。漫画ではもちろん音は感じられないのだが、ドラマや映画などの実写化作品、そしてアニメーションとの最も大きな違いは“声の艶”ではないだろうか。細かい表情も映像で見るとしっかり演じられていることが分かるが、舞台という特性上、顔という小さなパーツはどうしても観客からは見えにくい(そういう意味では、実際に舞台を観に行った方が、映像でもう一度観ても新鮮に楽しめるだろう)。
だから、「舞台役者は体で語ってなんぼでしょうが!」というセリフにもあるように、他の実写化メディアに比べて、身体的なリアクションは大きいのだが、それ以上に声が印象的だった。もちろん、アニメでの声の表現も素晴らしい。だが、それとはまた違った2.5次元舞台ならではの声量と艶があるのだ。それぞれの役柄と声音、声質が完全に一致している。
もちろん2.5次元特有のウィッグにカラコンというビジュアルへの再現もあるのだが、やはりどうしても遠い席からでは顔までは見えにくい。ゆえに、声で誰がどのキャラクターかすぐに分かるほど特徴があり、そしてセリフがはっきり聞こえるだけでなく、聞き心地が良い艶がある声なのだ。そして、芝居も含めて映像とはまた違った大胆かつ繊細な表現が癖になる。
一枚の板の上での発想力に脱帽
さらに、舞台という一枚の板の上での表現というかなりきつい縛りがある中で、音だけでなく、ライティングや美術、衣装、角度等の視覚の工夫で3時間飽きさせずに緻密に表現してくるその発想力に脱帽してしまう。たとえば、回想シーンと分かる照明の当て方や、舞台なのに“文字”での表現、居酒屋と鮫島アビ子の部屋は同じセットだが美術で全く違う風に見せるし、『【推しの子】』の中の役者が『東京ブレイド』を演じる舞台上での心の声の再現等…その見せ方の面白さをあげ出したらきりがない。
個人的に最もその表現方法に感動したのは、『東京ブレイド』の原作者・鮫島アビ子と脚本家・GOAが共同で台本を書き上げるシーンである。とてもシンプルなのだが、そう来たか…と思わず唸ってしまった。あとこの舞台ならではの幕間の工夫や笑いも見どころの一つだろう。
そして何より、役者たちの歌って踊って芝居するその体力と発声、滑舌、記憶力とあまりに要求されることが多すぎるにもかかわらずそれを完璧にこなす、生身での表現力の凄まじさに圧倒されてしまう。全く同じ公演は絶対にない、その唯一無二の儚さもまた我々観客の満足感を高める。
メルトの再現度の高さ
余談だが、この3時間弱で鳴嶋メルトの役者としての努力と成長に思わず涙が溢れそうになった。何よりもメルト役の俳優・土屋直武の芝居が愛おしい。下手な芝居も自信がない芝居も腕が痛む芝居も徐々に芝居が上手くなっていくが、やはり短期間では周りの天才たちまでには追いつき切らない絶妙な芝居も、すべてが見事としか言いようがない。
ちなみに、原作漫画を読んでいる方も読んでいない方もどちらも楽しめる丁寧な作りになっているが、個人的には原作を知っていた方がより楽しめる作品のように感じた(原作漫画のメタ構造を活かした構成で観客の脳を破壊してくる面白さもあるため)。
なお、時代劇専門チャンネルでは『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』最速テレビ初放送を記念して、アクア役の小宮璃央ら男性キャスト4人が集結し、貴重な舞台裏トークなど、ここでしか観られない“男子会”を収めたチャンネル限定のオリジナル番組『再会!演劇【推しの子】男子会』も放送される。
ぜひこの機会に、時代劇専門チャンネルで『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』の衝撃を味わってほしい。2.5次元の役者たちがアクアや姫川大輝、有馬かな、黒川あかねら天才たちの“鬼”がかった芝居をどう表現するのか、あなた自身の目でその“生の輝き”を体感する意味があるはずだ。
構成・文=戸塚安友奈
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