

松重豊が企画・構想を務めた「それぞれの孤独のグルメ」という新しい地平 原作者・久住昌之を安心させた言葉が熱い

深夜の“飯テロ”番組としてテレ東を代表するドラマとなった「孤独のグルメ」シリーズ。深夜枠の40分ドラマでありながら異例の高視聴率を記録し、いまや大晦日には特番が組まれるほどの国民的ドラマだ。2024年10月からはテレビ東京開局60周年を記念して「それぞれの孤独のグルメ」が放送されたことでも話題を集めた。4月23日にBlu-ray&DVD-BOXが発売されたばかりの同作について、前シリーズまでとは一線を画す特異性を深掘りしていく。
松重豊が企画・プロデューサーを務めた「それぞれの孤独のグルメ」
「孤独のグルメ」といえば、松重豊演じる主人公・井之頭五郎が仕事終わりに現地の飲食店へ飛び込む物語。ネットや雑誌などで一切下調べをせずにお店に飛び込むため、ときには「わさび丼」や「韓国風天ぷら」など、思いがけないメニューとの出会いがあることも珍しくない。シンプルながら飽きの来ない構成で、多くの人の心と胃袋を掴んだ。
ドラマに登場する人物は、基本的に五郎と飲食店の店主と客のみ。ゆっくりした五郎のナレーションと主人公に見向きもしない客たち、店主とのやり取りや出てくる料理だけというシンプルな構成も特徴と言えるだろう。テンポも画面構成もちょっと間の抜けたSEも、なんとも言えず味わい深い。
久住昌之による同名漫画を原作として、2012年のシーズン1スタートから2022年のシーズン10まで続く長寿タイトルに。つい最近は映画化も果たした…のだが、驚くことに原作漫画は2巻のみ。ドラマは漫画の基本的なコンセプト・構成を変えずに、実際にある飲食店をロケする形でオリジナルのストーリーを描いている。原作者・久住も「ふらっとQUSUMI」というコーナーで登場するなど、情熱ある制作側との信頼関係が目に見えた。
そんな同シリーズのなかで、異色を放ったのが「それぞれの孤独のグルメ」。新たな試みとして、主人公を五郎ではなく各回さまざまなゲストを迎えるオムニバス形式のドラマとして制作された。面白いのは、同ドラマの構想、企画発案が五郎役の松重豊という点だ。
もちろん五郎がお役御免されたということはなく、通常回と同様に五郎も登場。おなじみの食事シーンも楽しめるため、従来のシリーズとは一味違ったダブル主演…というべきか。松重は自身でキャスティングもおこない、これまでの作品の味わいを崩すことなく再構成。「孤独のグルメ」の新境地を描いた。
相撲行司や熱波師、神主…個性的な主人公たちが織りなす「孤独のグルメ」の新境地
主人公という役を任せる以上、それぞれが五郎と同じくらい輝いてくれなければ成り立たない。そしてそれでいて、彼らの演技を「孤独のグルメ」として成立させる必要もある。
たとえば第1話では爆笑問題の太田光が下町の中華料理店の大将役として登場し、渋い演技を魅せた。決して愛想が良いとはいえず、どこかぶっきらぼうでくたびれた雰囲気も感じられる大将。しかし出された料理を黙々と口にする五郎のことが気になり、時折厨房から顔を出し様子を伺う姿はどこか愛くるしさも感じさせる。
太田はドラマの撮影にあたり、松重と「“背中の演技”でいきましょう」と語り合って意気投合したという。太田といえばバラエティ番組での活躍がメインであり、役者としての出演は少ない。だが言葉ではなく行動で見せる演技力には、驚いた視聴者も多かったようだ。
ほかにもユースケ・サンタマリアが出演した際は、「どう食べてもいい、脚本は無視してくれ」「ふだん食べるときのクセもいっぱい出してくれ」といった指示も出されたという。情報サイトのインタビューで語っていたことだが、松重は「五郎ではない」主人公たちそれぞれに「五郎と同じ振る舞いをしろ」と言わない。「孤独のグルメ」として成立させる要素は“五郎っぽさ”ではなく、あくまで“どこかにいる誰かの幸せな食事風景”だからだ。
「現場に僕がいますから。絶対大丈夫です」松重豊も太鼓判の芝居が見られる「それぞれの孤独のグルメ」
原作者・久住も松重への厚い信頼をインタビューで語っている。松重が「孤独のグルメ」という世界観の良さ、旨みのポイントをしっかり掴んでいることを見て取り、「演技がはしゃいでない」と絶賛。当初はわざとらしい演技にならないか心配という懸念を伝えたものの、松重から「現場に僕がいますから。絶対大丈夫です」という強い言葉を聞いて安心したというエピソードも明かされている。
玉井詩織(ももいろクローバーZ)、比嘉愛未、福山翔大といった豪華なメンバーがそれぞれに「孤独のグルメ」を演じた同作。4月23日に発売されたBlu-ray&DVD-BOXでは、特典映像として「それぞれのメイキング~それぞれの主人公の場合~」「それぞれのメイキング~企画プロデュース・松重豊の場合~」を収録している。さらに「ふらっとQusumi 特別編」「それぞれのネ申台詞集」といったファンにはたまらないコンテンツも。ファンにも原作者にも愛された同ドラマらしい特典が盛りだくさんだ。
10年以上にわたってシリーズを積み重ね、根強いファンを獲得してきた「孤独のグルメ」。今後もさらに広がるだろう「孤独のグルメ」ワールドにおける1つの転換点となった「それぞれの孤独のグルメ」を、見逃す手はないだろう。
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