

苦しむ者に救済を、許されざる者に天誅を――闇の仕置き人「イコライザー」がもたらすカタルシス

元CIAエージェントの主人公が悪人に鉄槌を下す「イコライザー」シリーズ。1984年からアメリカで放送されたドラマ「ザ・シークレット・ハンター」を源流とする本シリーズの世界観は、デンゼル・ワシントンが主演する映画版3作から、リブート版である同名のドラマへと引き継がれている。現在BSトゥルビ(BS222ch※全国無料)ではこのドラマ版を毎週日曜夜7時より放送中。「イコライザー」が長きに渡って愛されている理由はどこにあるのか、映画版と併せて見どころに迫っていく。
紳士の裏に仕置き人の顔を隠す男、ロバート・マッコール
映画版「イコライザー」シリーズの主人公ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、CIA在籍の過去を隠し、偽名を使って平凡な市民として暮らしている。朝の紅茶と読書を愛する彼は、常に穏やかで紳士的。しかし、身近な人々に悪の手が伸びたときには“闇の仕置き人”というもう1つの顔に変わる。素手、銃、ワインオープナーなどあらゆる物を武器にして、秒刻みで悪人たちを瞬殺していくさまは、昼の顔とはまるで別人。おじさんと呼ばれる年齢となっても、その腕にはいささかの衰えもない。
「イコライザー」(2014)ではホームセンターの店員、「イコライザー2」(2018)ではタクシードライバーを表の顔としてきたマッコールが、ついに引退を決意するのが映画版の最終章「イコライザー THE FINAL」(2023)だ。イタリア・シチリア島での“仕事”で大怪我を負った彼は、小さな町アルタモンテの憲兵ジオ(エウジェニオ・マストランドレア)と医者のエンゾ(レモ・ジローネ)に助けられる。町の人々のささやかで幸福な営みと、温かい交流にマッコールの心は癒やされ、仕事から足を洗うことを決意。しかし、この町を我が物にしようとするマフィアの手が忍び寄る。
マフィアの手下によって町の平和が脅かされ、友人たちが傷つけられるのをマッコールが黙って見ていられるはずもない。町の人々と自分の大切な居場所を守るため、彼は最後の仕事に取りかかる。
本作の撮影時にデンゼル・ワシントンは60代後半だったが、冒頭から銃を向ける4人の敵を9秒で戦闘不能にする早業を見せる。悪党を瞬殺する爽快感もさることながら、撮影のためにトレーニングを重ねたという彼の現役感は見ていて唸らせられるところだ。
救いを求める者に手を差し伸べる最強シンママ、ロビン・マッコ-ル
「ザ・シークレット・ハンター」から連綿と受け継がれてきた“マッコール”姓を踏襲しつつ、現代にふさわしい内容へと変革を遂げたのがドラマ版「イコライザー」だ。主演はグラミー賞を受賞した人気ラッパーで、俳優、プロデューサー、起業家など多くの肩書を持つクイーン・ラティファ。主人公を男性から女性へと大胆に変更した本作は、シーズン1の第1話初回放送を約2千万人が視聴し、シーズン4までの各話視聴人数は約800万人の大ヒットに。シーズン5の製作も決定している。
主人公ロビン・マッコ-ル(クイーン・ラティファ)は、10代の娘を育てるシングルマザー。表向きにはごく普通の中年女性に見えるが、実は元CIAで何度も死線をかいくぐってきた過去を持つ。かつて救えなかった人々への思いから、しばしば悪夢にうなされる彼女は、助けを求める人間がいると放っておけない。悪い連中に騙され冤罪をかけられた娘がいれば、安全な居場所へ案内し、自らは敵のアジトへ乗り込んでいく。そんな良きお節介焼きなのだ。
裏の顔を持つ闇の仕置き人という点は、劇場版のロバート・マッコールと共通しているが、大きな違いは仲間の存在にある。元狙撃兵で現在はバーを営むメロディー・“メル”・バヤニ(リザ・ラピラ)と、その夫でハッカーのハリー・ケシェギアン(アダム・ゴールドバーグ)。元CIA長官でロビンを復帰させたがっているウィリアム・ビショップ(クリス・ノース)。それぞれのスキルを生かして“仕事”を完璧にこなすさまは、映画「RED/レッド」シリーズを彷彿させる。
また、ロビンのスキルは肉弾戦、バイクの運転、機転に度胸とさまざま。頼もしい仲間も、彼女にとっては最高の武器の1つといえる。そんなロビンが悪党たちを前にして、威勢よく啖呵を切り、仲間と共に成敗するさまは痛快の一言。普通のおばさんから、闇で悪党を裁くイコライザーへ――そのギャップも相まって、最高にスカッとさせてくれるのだ。
スタイルは違えど勧善懲悪を貫くスタンスは変わらず
単身で素早く確実に仕事をこなすロバート・マッコールと、仲間との連携プレーで悪をぶちのめすシンママのロビン・マッコール。性別も仕事におけるスタイルも違う2人だが、善良な人々を苦しめる悪党を密やかに成敗するというスタンスに変わりはない。そんなイコライザーの生き様は、常日頃理不尽な物事に悩まされている私たちに、極上のカタルシスを与えてくれることだろう。
■文/帆刈理恵(スタジオエクレア)
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