山口祐一郎、“息子”とかわいがる城田優を絶賛「これから宇宙が始まる、エネルギーに満ちた表現」＜ダンス オブ ヴァンパイア＞

5月10日(土)より上演中のミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」のゲネプロが9日と10日に「東京建物 Brillia HALL」にて行われ、メインキャストの山口祐一郎、城田優、フランク莉奈、中村麗乃(乃木坂46)、太田基裕、寺西拓人(timelesz)、石川禅、武田真治が初日記念会見に登壇。Wキャスト同士で互いの魅力を語り合った。

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6年ぶりの再演は、新キャストが加わりパワーアップ

ロマン・ポランスキー監督のカルト・ムービー「吸血鬼」を下敷きに、「エリザベート」「モーツァルト！」で知られるミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を、ジム・スタインマンが音楽を手掛けた同作が、オーストリア・ウィーンで世界初演を迎えたのは、1997年のこと。日本では、2006年の初演以来、2009年、2011年、2015年、2019年と再演を重ね、この度、6年ぶり6回目の上演を果たす。

クロロック伯爵を、山口と新キャストの城田が初めてWキャストで演じ、クロロック伯爵のとりこになるヒロイン・サラ役をフランクと中村、ヴァンパイア研究に身をささげるアブロンシウス教授の助手・アルフレート役を太田と寺西、アブロンシウス教授役を石川と武田が、それぞれWキャストで演じる。

「次から縁側でお茶を飲みながら、息子の活躍をゆっくり眺める」

Wキャスト同士、互いに魅力に感じているところを問われると、親しみをもって城田を“息子”と呼ぶ山口は、「消え入る前のろうそくが私ですけど、これから宇宙が始まる、エネルギーに満ちた息子の、“あ、なるほどな、これか”と思えるような、そんな表現をこの劇場空間で皆さんにお楽しみいただけると思うと、これで私は次から縁側でお茶を飲みながら、息子の活躍をゆっくり眺めることができるなと思っております」と冗談めかす。

それを受けた城田は「今おっしゃってくださったようなことを、稽古場でもずっと、本当に毎日のように伝えてくださって、それが励みにもなりました」と感慨深げ。

そして、「印象深いお話で言うと、やはりずっとシングルで20年間やられてこられたからこそ、僕がお芝居をしたときに『客観的に自分が演じている役を初めて見たから、すごく面白い発見がいろいろあった。ありがとう』というふうにおっしゃってくださったんです。僕としても何かのお役に立てたならよかったなと思いますし、今、“縁側で―”とおっしゃってましたけど、僕ももうこれで最後かもしれませんから、僕も縁側で一緒に。一緒にぜひお茶を飲みましょう」と応じた。

フランクは「ちょうど昨日も一緒に帰って、『せっかくのWキャストだから、それぞれの個性を信じてお互いにできるサラをやろうね』って話してね」と中村に目配せ。中村も「そうですね。いつも、『何かあったら何でも言ってね』って、お姉さんのような存在だったので」と信頼感をのぞかせる。

さらにフランクは「麗乃ちゃんは私の妹よりも年下なので、こんなに年の離れたWキャストというのも私は初めての経験だから、守ってあげたくなる存在です。そういうところがサラにも共通する要素なのかなと思っていつも見てました。すごくかわいいです」と笑顔。

中村も「私が本を読んだときに想像していたサラの像みたいなものが、もうまさにフランクさんが演じられているもので、すごくすてきでぴったりだなって。“これをやりたい”って思うぐらいに稽古場から出来上がっていたので、たくさん勉強させていただきましたし、普段もサラっぽいですよね(笑)。すごく気さくな方なので、救われたなと思う瞬間がたくさんあって、今回ご一緒できたのがうれしいです」と明かした。

寺西拓人のあだ名は浸透せず…「呼んでなかったくせに(笑)！」

「タクピーは…」と話し出した太田を、寺西は「タクピー…！呼んでなかったくせに(笑)！」とバッサリ。最初の頃に互いのあだ名を「もっさん」と「タクピー」に決めたというが、太田は「タクピーって、ちょっと自分が恥ずかしくなっちゃって、もう今はテラって呼んでるんですけど(笑)」と告白。

しかし、無事に距離は縮まったようで、「テラとは稽古場で本当に仲良くさせてもらって、お互い自然体でいられる関係で、脚本についてもいろいろなことを共有していたし、お菓子も共有したし、今も楽屋に共有のお菓子ボックスがあります。ずっとグミを食べてます。仲良く楽しくやらせてもらってます」と明かした。

寺西は「もっさんがタクピーって言ったから、演出の山田(和也)さんはずっと律儀に、ちょっと自信なさげに、タクピーって呼んでくれてたんですけど、最近テラになってました(笑)」と笑う。

そして、「もっさんは、こんなに端整な顔立ちなのに、“ビビり”がうまいというか、キマる感じ。歌ってるときも何かが憑依してるようで、僕にはできない魅力だなと思って、それぞれの個性があるアルフレートになっているんじゃないかなと思っております」とコメントした。

続いて武田は「この教授役、実は作品の中で何げない一言が音楽のキューになっていたりして、そういう段取りがものすごく多いんですね。限られた稽古の中で、それを自分が理解して実践できるようになったのは、歴代のキャストが現役で演じて見せてくれるという一番理想的な形で稽古を進められたから」と、石川に感謝。

一方の石川は「真治とは、(共演が)4作品目なんです。今回初めて同じ役をやらせていただくんですけど、この役は初演は市村正親さんが演じられました。私はその後を継いだんですが、私も初日、自律神経がおかしくなって、汗が止まらないわ、私は誰、ここはどこ、という状態になりましたので、今の彼の気持ちがとてもよく分かるんです。なんとかそれを2人で共有しつつ、稽古に励まさせていただきました」と回顧。

そして「教授も今まで1人でしたけど、相方ができて、自分も客観的に見ることができるようになったので、『はぁ、こんなことをやってたんだ』というような新たな発見がいろいろあって。真治のおかげです。2人で頑張りたいと思います」とにっこり。

最後に山口が「2025年、いろいろなことがありますけど、皆さまに一番元気をお届けすることのできるミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』。ぜひ劇場に足をお運びください」と呼び掛け、会見は終了した。