奈緒、金髪ショートで授賞式に出席 30歳の節目で新人賞に輝き「胸がときめくような、恐れを感じるような気持ち」

2025.05.10 21:07

2021年4月4日に死去した脚本家・橋田壽賀子さん(享年95)が創設した「第33回橋田賞」の授賞式が5月10日に都内で行われ、「あのクズを殴ってやりたいんだ」(TBS系)と「春になったら」(カンテレ)での演技が評価され「橋田賞新人賞」を受賞した俳優の奈緒が出席した。

奈緒、金髪ショート姿でステージに登壇

2024年の作品において、卓越した演技で視聴者の心を強く引きつけ、「あのクズを殴ってやりたいんだ」では複雑な感情を抱く女性を繊細に演じ、「春になったら」では温かさと切なさを併せ持つ人物像を見事に体現するなど、役ごとに異なる魅力を併せ持ちながら、高い存在感を示したとして、同賞を受賞した奈緒。

金髪ショート姿でステージに登壇し、「今年、橋田壽賀子さんが生誕100年、そして平和をテーマにたくさんの作品を遺していらっしゃると思うんですが、今年が戦後80年というタイミングで、私ごとですが30歳を迎えました。その節に新人賞という響きを頂き、思わず胸がときめくような、恐れを感じるような気持ちでおります」と胸の内を明かし、「ここまで導いてくださった全ての関係者の皆さまに心から感謝を伝えたいです」とにっこり。

続けて、「なかなかこういった機会もないので、一つだけ図々しいお願いをしたいと思います。今日、受賞された皆さまの中で、(作品で)ご一緒できていない方がたくさんいらっしゃいます。もしよろしければ、いろんな関係者の皆さまも見てくださっていると思いますので、皆さまとご一緒できる機会を頂けたらうれしいです」とお願いした。

河合優実＆松本若菜も橋田賞新人賞を受賞

また、「不適切にもほどがある！」(TBS系)や「RoOT／ルート」(カンテレ)での演技が評価されて、同賞を受賞した河合優実は「去年は、テレビドラマでお芝居をするという経験があまりなかった私に、経験させてくれた作品と巡り会うことができまして、日本中の皆さんに作品が届いているんだと初めて実感できて、それがうれしかった年でした」と振り返り、「一緒に作品を作ってくださった全ての皆さま、ありがとうございました」と感謝した。

さらに、「西園寺さんは家事をしない」(TBS系)や「わたしの宝物」(フジテレビ系)などの演技が評価され、同賞を受賞した松本は「『西園寺さんは家事をしない』ではパワフルな女性を演じました。そのあと中3日空いたかなって期間で『わたしの宝物』という真逆な役を演じさせていただきました。切り替えはなかなか大変だったなと記憶しております」と打ち明ける。

「その作品でこうやって賞を頂けてうれしいです。きっと“2024年上半期、人生何があるか分からないで賞”がもしあったら、私が頂くと思います(笑)。それくらい松本若菜の人生にとってこの作品との出会いはすごく大きなものでした」と目を輝かせた。

橋田文化財団では、視聴者の心に響き、記憶に残るような良質な番組を少しでも多く制作してほしいという思いと、高い志を持つ放送人に次々と育ってほしいという願いを込めて、放送文化を支えている人たちにエールを送るという気持ちを込めて「橋田賞」を贈り顕彰している。

◆取材・文＝風間直人