『オタ婚のススメ!』より

漫画家志望の青年が縁談で出会ったのは同人作家の女性…利害の一致で結婚した2人に「理想の相手でお似合い」の声【漫画】

2025.05.08 08:40
『オタ婚のススメ!』より

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「カドコミ」にて連載中の『オタ婚のススメ!』(KADOKAWA刊)を紹介する。作者の砂履シンシャさんが、4月5日に「快適なオタ活を求めて交際0日結婚した男女の話」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、9000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、砂履シンシャさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

打算で結婚した2人の新婚生活は慌ただしく始まる

漫画家を目指す東雲涼太は、親から持ち掛けられた縁談をきっかけに、サラリーマン兼同人作家の小田明美と結婚する。互いに恋愛よりも漫画や同人誌を描くことを優先したいという強い願望があったため、破談にするつもりが交際0日で結婚に辿り着いたのだ。

同棲が始まり、涼太が漫画を描いていても誰も邪魔してこない環境に感動していると明美の悲鳴が聞こえてくる。聞けば、ネット開通の手続きを忘れており自宅にネット環境が整っていないというのだ。ネット環境がないことに不便さは感じるものの問題なかった涼太。一方、明美は原稿を入稿する都合で大問題だったため、2人は無料Wi-Fiを求めてファミレスへ向かう。

なんとかネット問題を解決した2人だったが、なぜか真っ白な表情の明美。理由を尋ねると、締め切り間際にもかかわらずクラウドに反映されていないページがある状態だという。諦めようとした明美に漫画アシスタント歴6年の経歴を持つ涼太が手伝うと言い、長い作業の果てに入稿を終えた。その後“夫が漫画描けるって最強”と笑みを浮かべる彼女に涼太は思わずキュンとしてしまい…。

この打算で結ばれた2人の漫画を読んだ人たちからは、「理想の相手でお似合い」「こんな嫁さんがほしい」「こういう関係に憧れる」「ある種ハイスペック夫婦」など、多くのコメントが寄せられている。

結ばれるまでではなく結ばれた先をという思いから生まれた一作

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?

特に恋愛関係というものは、両想いになったら終わりというのがフィクション上の定説だと思うのですが、むしろ結ばれた先こそが描きたい!と思って描きました。結ばれた後の関係の方が、よっぽど悩ましいし、よっぽど長いからです。結ばれつつも発展性が期待できるお話にしたかったので、偽装結婚するという設定になりました。

――本作では、打算で結ばれたはずが笑顔に胸を打たれた涼太が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

愛は尽きてしまうと感情のよりどころがありませんが、利害関係の一致は何か不都合なことが起こっても、「それでもいっしょにいるメリットがあるしな」と感情を処理しやすいかなと思っております。簡潔にいうと感情の落としどころが見つけやすい。そういう関係故の気軽さを表現しつつも、そうはいっても…!?の部分を描いていきたいので、そのあたりを見ていただけるとうれしいですね![/B]

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

この1話ですとやはり冒頭でしょうか。結婚届をいらね~と思う男女を描くことで、恋愛結婚ではないんだなとすぐにわかってもらいたくて悩みながら描いたためです。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

1話でちゃんと満足できるように起承転結をはっきりつけて描いております。自分自身が更新されるたびに1話読んで満足できる漫画が好きだからです。あとはオタ婚は明るい人間を描くことを心がけています。自分自身はどちらかというとローな人間なのですが、楽しそうにしてる人間をみると自分は元気が出るので、そういうキャラを出すようにしています。

――砂履シンシャさんの作品は勢いが良く強い躍動感があるように見えます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

感情をポップに描くことで、フィクションだからこそだせる楽しさを意識して描いております。ノリのいい漫画がすきなので!

――今後の展望や目標をお教えください。

上の回答と一瞬で矛盾してしまい恐縮ですが、今後はローなテンションの漫画を描いてみたいなと思い始めています。もともと自分の感情がどちらかというとローなので、そっちのテンションをベースに作ってみたらどんな作品を作れるか試してみたいためです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも応援ありがとうございます!今後もぜひ作品チェックしていただけたら嬉しいです!!

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