

“映画監督にして探検家”ジェームズ・キャメロンとクルーが捉えた“知られざるペンギンの生態”に驚き<ペンギンのひみつ:過酷な世界を生きる術>

地球環境について考える“アースマンス”である4月、ドキュメンタリーシリーズ「ペンギンのひみつ:過酷な世界を生きる術」がディズニープラスで配信、ナショナル ジオグラフィック(TV)で放送された。製作総指揮を務めるのは映画「タイタニック」(1997年)や映画「アバター」(2009年ほか)シリーズなどで知られる映画界の巨匠ジェームズ・キャメロン監督。映画監督だけでなく探検家としての顔も持ち、これまでも海を舞台に世界初の発見や挑戦を成功させてきたキャメロン監督が、専門家チームとのタッグで作り上げた、今までにないペンギン・ドキュメントとは――その魅力に迫る。(以下、ネタバレを含みます)
2年かけて撮影されたペンギンの姿
地球が抱える環境問題にスポットライトを当てる日として、アメリカで4月22日の“アースデイ”を祝うようになったのが半世紀ほど前のこと。その後、毎年4月を“アースマンス”とし、今もさまざまなキャンペーンやイベントが行われている。
ウォルト・ディズニーの「自然保護はすべての人に関わる問題なのだ」という思いを継承するディズニーと、137年以上にわたって人々と世界とのより深いつながりを捉え続けてきたナショナル ジオグラフィックにとっても“アースマンス”は重要な期間。この時期、地球環境にスポットを当てたさまざまな映像コンテンツを発信している。
その一つが、「ペンギンのひみつ:過酷な世界を生きる術」。3つのエピソードを通して世界各地で暮らすペンギンたちの驚くべき行動を解き明かしていく映像シリーズで、最先端のテクノロジーと世界トップクラスの科学調査、およそ2年の月日を費やして撮影された、かわいい人気者・ペンギンたちの知られざる物語が描かれている。
「ゴシップガール」人気俳優がナレーションで参加
ストーリーテラーは、世界中で野生動物たちを撮影し続ける英国出身のワイルドライフ フィルムメーカー、バーティ・グレゴリー。彼はペンギンたちの暮らしに密着し、これまでどのクルーも撮影できなかった驚きの行動をカメラに収めた。ナレーションを務めるのは、TVシリーズ「ゴシップガール」の主人公セリーナ役でブレイクしたブレイク・ライブリーだ。
シリーズは3つのエピソードに分かれている。エピソード1「コウテイペンギンの心」は、神秘的な絆で南極の極限世界を生き抜くコウテイペンギンの親鳥とヒナたちそれぞれの物語。エピソード2「賢者のサバイバル」では、砂漠や熱帯、そして人が住む地域で賢く生きるペンギンたち、エピソード3「理由ありき反抗」では、南極海で生き抜くためにルールを破る勇敢なペンギンたちの物語がつづられていく。
いつか来る日のために…“練習”して備えるペンギンたち
現地にテントを張って寝泊まりし、ペンギンたちをカメラで追い続けるグレゴリーの視点は優しく、温かい。そして彼のカメラを通して映し出されるヒナたちからは、意思や感情がはっきりと感じられる。
エピソード1でグレゴリーは、群れで最も体が小さいヒナに目を止め「両親は狩りから戻れなかったのかも。他のヒナより弱々しい。心が痛むよ」と心を寄せる。嵐が来れば安否を気遣い、無事を確認すれば安堵(あんど)し、その成長に目を細める。グレゴリーの温かい視点を通して見るペンギンの世界はドラマチックで生命力にあふれ、新鮮な驚きに満ちている。
新鮮さを感じる大きな要因の一つが、グレゴリーも含めたクルーのカメラが捉えた世界初の映像の数々だ。
コウテイペンギンは、ヒナがかえるまでオスが卵の世話をする。自分が産んだ卵をオスに渡す瞬間は、絶対に失敗できない緊張の一瞬だ。気温はマイナス48度、受け渡しに60秒以上かかれば卵の中のヒナは死んでしまう。だがママ&パパペンギンは新米であっても失敗せず、実にスムーズに卵の受け渡しをこなす。いったいなぜか。
その答えとなる貴重な映像が今回、初めて撮影された。2羽は、卵を産む前に氷片を使って“練習”していたのだ。冷たくごつごつした、卵とは似ても似つかない氷の塊を大切そうに扱い、ぎこちなく練習するつがい。その様子から感じられるのは、やがて生まれるわが子の命を何としても守る、という強い思いだ。
キャメロン監督の“探検家”としての顔
ペンギンたちの過酷な生には、共感せずにいられない場面が次々と訪れる。極寒の南極で1羽でも多くの仲間を助けるため、遅れている仲間を待つことを諦めて後ろ髪をひかれながら先に進む決断を下すリーダー。32度の猛暑の中、暑さにあえぐヒナに覆いかぶさるようにしてその体を守ろうとする親鳥たち。前述した、卵の受け渡しの練習をするつがいもそうだ。そこには、切実で愛すべき世界が広がっている。
そんな同シリーズの製作総指揮を務めるのが、巨匠キャメロン監督だ。実はキャメロン監督、ナショナル ジオグラフィック エクスプローラーとして8回もの深海探検を率いた経験を持ち、深海探査用のロボットや潜水艇、照明、3Dカメラ機器の開発にも取り組んできた海のスペシャリストだ。
若い頃から海に興味を持ち、深海を舞台にしたSF映画「アビス」を監督したことをきっかけに海の神秘に魅了された。そして自身も探検家として、これまでさまざまな世界記録を樹立してきた。
2012年には57歳にして1人乗りの潜水艇に乗り、たった1人で世界で最も深いマリアナ海溝に単独で到達するという世界初の挑戦に成功。ドキュメンタリー「オーシャンエクスプローラーズ:探索!地球最後のフロンティア」では最新鋭の技術を搭載した海洋調査船“オーシャンエクスプローラー(OceanXplorer)”を使い、マッコウクジラの背中に装着したカメラタグで、世界で初めて深海へ潜るマッコウクジラの姿を撮影した。
「大自然の営みに筋書きはない」
「映画撮影の経験は、実際の体験にほとんど役に立たない。映画には台本があり、次の展開を把握できる。しかし大自然の営みに筋書きはない」とキャメロン監督は言う。
テクノロジーを使いこなし、膨大な時間と労力を費やして、数々の“世界初”を手に入れてきたキャメロン監督。偉大な探検や発見をした人物に送られるナショナル ジオグラフィックのハバード・メダルも受賞した。
「ペンギンのひみつ:過酷な世界を生きる術」にもキャメロン監督の、自然の神秘をカメラで捉えたいという強い思いがにじむ。これまで誰も撮影に成功しなかった貴重な映像が同シリーズに多数収められたのも、そんなキャメロン監督の姿勢を思えば納得だ。
ペンギンといえばまず浮かぶのは水族館で愛嬌をふりまく姿だが、野生での暮らしぶりについてはまだまだ知られていないことも多い。「ペンギンのひみつ:過酷な世界を生きる術」は、キャメロン監督をはじめスタッフがそんなペンギンたちの生態に深く迫るドキュメンタリー。美しい映像とともに、懸命に生きる彼らペンギンたちの生の物語を堪能したい。
◆文=ザテレビジョン編集部
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