東京消防庁が感謝の人探し、男性から「名乗り出たら捕まる」と悲鳴 広報は「逮捕目的ではない」

2025.04.21 16:15
提供:Sirabee

東京消防庁が「人を探しています」と、急病人の対応に当たった人物について投稿。男性のネットユーザーからは「名乗り出たら逮捕されそう」と、懐疑的な声が上がっている。

「◯◯ハラスメント」などのフレーズがチラつき、人付き合いでの配慮がより慎重になった昨今。他人への挨拶ひとつとっても、「怖くてできない」と考えている人は少なくないだろう。


そんな中X上では、東京消防庁が投稿したポジティブな内容に対して「怖すぎる」「罠では?」と、懐疑的な声が上がっているのだ。



東京消防庁の「人探し」に恐怖?


10日、東京消防庁は「人を探しています」と題したポストを投稿。


晴海アイランド

その内容は「令和7年4月4日(金)10時00分頃、晴海トリトンスクエアグランドロビー2階で急病人が発生した際に、最初にお声がけをし、容態観察をしてくださった方に感謝をお伝えしたく探しています。お心当たりのある方は、東京消防庁臨港消防署にご連絡ください」というものであった。


「人助けによるお礼」を目的とした、非常にポジティブな内容なのだが...なぜかXユーザーからは、恐怖と疑問の声が多数寄せられているのだ。



「名乗り出たら逮捕されそう」


その原因は、ここ数日ネット上で激しく議論されている、男性による女性に対するAED(自動体外式除細動器)の使用が大きく関係していると思われる。


今月4日、北海道札幌市内の駐車場で体調不良で休んでいた10代の女性に「大丈夫ですか」などと声をかけ、体を触ってわいせつな行為に及ぼうとしたという50代の男が、3日後に警察署に出頭。


男は「メディアの報道を見て、これは自分のことだと思い出頭した」という趣旨の説明をし、警察の調べに対しては「私は介抱しただけ」「介抱の一環です」などと話し、容疑を否認しているという。


こちらの内容を受け、ネット上では「女性に対してAEDの使用した場合も、被害を訴えられるリスクがあるのでは」という議論が勃発。男性による女性の人命救助そのものに対し、、消極的な声が多数上がっているのだ。


そうしたタイミングで東京消防庁から「人を探しています」「急病人の容態観察」といったワードを含むポストが投稿されたため、札幌市での事件を連想し、懐疑的な声をあげるネットユーザーが続出。


同ポストには、「ノコノコ出て行ったら、逮捕されるんでしょ?」「罠だから逃げて」「本当にお礼を言いたいだけだったとしても、名乗れないでしょうね」といった疑問の声、そして「この社会はどうなってしまうんだ」「こういう事態に応じることに、リスクが高い世の中になってしまった」など嘆きの声が多数寄せられている。



東京消防庁は「逮捕の意図ない」


今回話題となったポストの詳細について、Sirabee編集部では17日に東京消防庁に取材を行った。


ポスト投稿の意図をめぐり、広報課の担当者は「当庁として消防業務にご協力を頂いたにもかかわらず、氏名等不明で確認できなかった方に感謝を伝えさせて頂くことが目的です」と、回答。


https://twitter.com/Tokyo_Fire_D/status/1910232814181838908


続けて「当庁では、バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)として救急事案等の消防業務に多大なご協力を頂いた方に感謝状を贈呈させて頂いており、上記のような方を探すため、近年『人を探しています』というタイトルでXより投稿をしております」「また感謝状の贈呈と共に、勇気ある行動をとってくださった方がいるという事実を広く広報させて頂いておりました」と、近年の取り組みについて説明している。


今回の投稿では、いずれの人物の年齢・性別・特徴といった情報は一切開示されていない。にも関わらず、ネット上では「急病人は女性、容態観察を行った人物は男性」という考えが、もはや前提条件として確立している。


これらの詳細について、東京消防庁の担当者は「今回の救急活動の詳細について、個人情報等保護の観点からも、ご提供できる情報はXで投稿している情報のみとなります」と、説明していた。


また、「逮捕を⽬的とした投稿では、というご意見についてですが、これまでも今回の投稿も、そのような意図はございません」とのコメントも得られている。


しばしば「人間関係が希薄化している」と指摘される昨今。果たして、見ず知らずの他人による「人助け」は今後、どのような存在になっていくのだろうか。



執筆者プロフィール


秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。


新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。


X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。


(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

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