

前例のない遅咲き52歳 山口馬木也『侍タイムスリッパー』でブルーリボンも「喜べたのは夜12時まで」
低予算で作られた自主制作映画『侍タイムスリッパー』が異例の大ヒットを記録したことで、一躍、脚光を浴びることになった俳優・山口馬木也(52)。これまでも名脇役として数々の作品に出演してきたが、重厚な存在感と迫力ある佇まいは他を寄せ付けないものがある。自身を取り巻く環境が大きく変わる中、遅咲きの男は何を感じているのか? 渦中の人物に直撃した。(前後編の前編)
──お誕生日を迎えられたばかりですよね(※取材は誕生日から3日後の2月17日に実施)。おめでとうございます!
山口 ありがとうございます! とはいえ、もう52歳ですからね。なかなか最近は身体が言うことを聞かないことがあって(苦笑)。たとえば舞台のアクションとか立ち回りをやっていても、昔の自分が動けていたイメージのままやろうとすると、身体がついてこないんですよ。脳はまだ動けると思っているんですけど。
──ものすごく若々しく見えますけどね。
山口 年を取ってからお薦めしたいのは、届きそうな木の枝に向かってジャンプすること。これのポイントは飛んだ瞬間ではなく、着地したタイミングなんです。普段の日常生活でジャンプなんてしないものだから、内臓にビックリするレベルで衝撃が走るんですね。枝に届かなくても別にショックは受けないけど、クッションがない状態での内臓へドーンという衝撃は否が応でも年齢と向き合わざるを得ない(笑)。
──勉強になります(笑)。「おめでとう」といえば、山口さんは誕生日以外にも映画『侍タイムスリッパー』でブルーリボン賞の主演男優賞を受賞しました(後日、日本アカデミー賞・最優秀作品賞も受賞)。生活も一変したのでは?
山口 いや、僕自身は何も変わってないですよ。生活も変わらないし、急に親戚が増えて「悪いけどカネ貸してくれ」なんて言われることもない(笑)。でも単純に作品で出番が増えたり、出演オファーが増えているというのはたしかにあります。メディアに出る機会も増えましたし。
──これだけ渦中の人になると、今後は出演オファーを蹴ったりしなくてはいけない局面も増えるのでは?
山口 そういうことも今後は出てくるかもしれません。今、僕が一番に考えているのは、『侍タイムスリッパー』という映画を愛してくれたファンに喜んでもらいたいということ。ありがたいことに、そういった方たちは「次はどういう役をやってくれるんだろう?」と僕に期待してくれているんですよ。なんだか責任を感じちゃうんです。前はこんなふうに考えたこともなかったんですけど。
──ファンの期待に応えたいという気持ちが強くなった?
山口 極端な話、「僕が出ていなかったとしても、面白い作品は観てほしい」という気持ちがあるんです。だけど、僕目当てで観るという方も現実的に増えてきた。その気持ちに対しては全力でサービスを提供したいんですよね。
──山口さんが時代劇を中心に地に足が着いた活動を続けてきたことは存じ上げております。ただ、『侍タイムスリッパー』でブレイクしたことで“遅咲き”と見なされることも多いですよね。
山口 遅咲きねぇ。たしかによくそう言われるんですけど、遅咲きってせいぜい30代とか40代じゃないんですか? 52歳はもう遅いとかいうレベルじゃない気がして……。
──ただ、遅咲きというのは決して悪いニュアンスの言葉じゃないですよ。
山口 ええ、もちろん悪意があって言われているわけじゃないことはわかります。実際、僕もいろいろ探してみたんですよ。他にインディーズから急に賞を獲っちゃったような遅咲きの役者はいないのかなって。すると、まるで前例がないんですよね。だからモデルケースがない状態でして。たとえば名前を出すのもおこがましいけど、役所広司さん。
──役所さんの場合、『Shall we ダンス?』で賞を総ナメにしたのが40歳のときでした。
山口 そうなんですよ。それ以前から役者の界隈ではすごく評価の高い方だったし、なるべくして今の立場になった方ですから。一方、僕は50歳を超えてもインディーズ映画に出ていたわけで。僕のことを知っている人は「無名じゃなかった」とか言ってくれるんですけど、自分からするとまるっきり無名でしたからね。“急に立場が変わったけど、見本がないからどうすればいいのかわからない”というのが今の正直な気持ちです。
──急に売れっ子になったはいいものの、天狗になるどころか、不安が大きくなった面もありますか?
山口 もちろんです。賞をいただいた当日も、「イエ~イ!」って無邪気に喜べたのは夜12時まででした。自分の性格上、あとから不安やストレスに襲われることは最初からわかっていたんですよ。だから、せめて12時までは「俺が日本一だ!」と思い込もうと決めたんですね。あの日のお酒はおいしかったなぁ。自分が日本一だと噛みしめながら飲むお酒。
──いい話ですね。ただ、先ほど「前例がないレベルの遅咲き」とおっしゃっていましたが、『孫』を歌った大泉逸郎さんがNHK紅白歌合戦に初出場したのは58歳です。
山口 そうか、歌手の世界は頭になかったな。でも、たしかに『孫』の方に比べたら僕なんて若造の部類かもしれない(笑)。まぁでも12時までは「イエ~イ!」と浮かれていた僕ですけど、その時間を過ぎたら、案の定、不安が襲ってきまして。ただ、今はそれも1周回って一段落している段階。精神状態的には、ごくごく普通に戻りましたね。
【作品概要】毎週木曜夜11時より「ABEMA」にて無料放送中(全8話)放送チャンネル:ABEMA SPECIAL チャンネルトップページ URL:https://abema.tv/video/title/90-2024■キャスト成宮寛貴、瀧本美織、細田善彦、久間田琳加、片桐仁、松井玲奈、田中美久、しゅはまはるみ、カルマ、粟大和、青山倫子、袴田吉彦 ・ 山口馬木也、筒井真理子 他
■スタッフ製作:藤田晋原作:天樹征丸/漫画:草壁エリザ/「死ぬほど愛して」(光文社 刊)企画・監修:樹林伸/樹林ゆう子プロデューサー:小林宙/金山宇宙/柴原祐ー脚本:ねじめ彩木/髙橋幹子/吉﨑崇二音楽:海田庄吾主題歌:.ENDRECHERI./堂本剛「super special love」Sony Music Labels Inc.監督・脚本:城定秀夫制作プロダクション:ダブ製作著作:ABEMA
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