ハン・ジワン“ジュギョン”の折れかけた心を妹や仲間が支え、ふたたび謀略に立ち向かう＜優雅な帝国＞

2025.04.21 12:00

ドロドロ愛憎劇が繰り広げられる韓流ドラマ「優雅な帝国」。本作は韓国で2023年に放送され、全105話と非常に長く愛され続けた大人気ドラマシリーズだ。本記事では、17話から20話までを振り返っていく(以下、ネタバレがあります)。

「優雅な帝国」とは

「優雅な帝国」は、巨大な力によって人生を踏みにじられてしまった人物たちが、隠された真実を暴き、失われたものを取り戻す為に繰り広げる復讐劇を描いた作品だ。壮絶で、それでいて優雅な復讐の物語は全105話と長大なスケールで描かれる。

主演級の人物であるチャン・ギユン役には歌手・俳優であり「左利きの妻」「キルヒール」で知られるキム・ジヌ(26話より、「ブラボー私の人生」などで知られるイ・シガン)、ソ・ヒジェ役には「魔女のゲーム」で知られるハン・ジワンを起用。ほかの主要なキャストにも「愛のプレッツェル」ソン・ソンユン、「不良に惚れた時」カン・ユル、「ミス・モンテクリスト」イ・サンボなど、非常に豪華な演者たちがそろい踏みだ。

脚本は「逆転のマーメイド」のハン・ヨンミ、演出は「ミス・モンテクリスト」「憎くても愛してる」のパク・ギホが務め、どこを取っても隙のない布陣となっている同作。放送開始後から高い人気を博し、現在はHuluにて全105話が配信されている。

ジャクリーン・テイラーとチャン・ギユンの陰謀が止まらない

17話では、横領罪で送検されたシン・ジュギョンに代わってチャン・ギユンがWJ(優雅な帝国エンターテインメント)の新会長に就任。そんな中、シン・ジュギョンの娘であるチャン・スアが幼稚園から消えてしまう。幼稚園が大騒ぎになるなか、チャン・スアはシン・ジュギョンに会いに行っていた。一方、会長となったチャン・ギユンは、チョン・ウヒョク(カン・ユル)をも追い出そうとしていた。

その後の18話では、シン・ジュギョンの妹、シン・イェギョンが、姉の無罪を証明するために再審請求の準備を始めていた。そのなかで、シン・ジュギョンの無罪の証拠があるという非通知のメールを受け取ったシン・イェギョン。その証拠があると言われた場所へ向かう途中、彼女は事故に遭い…。

19話では、ジャクリーン・テイラーに恐怖を感じたチャン・スアが、意識を失ってしまう。さらには心の病も患ってしまうようすが描かれた。またシン・イェギョンの病室にチャン・ギユンが現れ、彼女へ一方的に解雇を言い渡す。さらには、チャン・ギユンはシン・ジュギョンのもとを訪れ、彼女のせいで娘であるチャン・スアの具合が悪くなったと語り掛ける。

20話で、ようやくシン・ジュギョンは出所することができた。チャン・スアを一目見ようと幼稚園に向かうが、チャン・スアは自分の顔を忘れてしまっていた。シン・ジュギョンは、愛する娘からも忘れられてしまったことに大きなショックを受けるのだった。さらにWJにやってきたジャクリーン・テイラーは、シン・ジュギョンがチャン・ギユンと同じビルで働いているという状況を聞き…。

娘に忘れられるという衝撃を前にしても、折れないシン・ジュギョン

17話から20話までの「優雅な帝国」では、わずかばかりの光明が色濃い闇をさらに深くする。チャン・ギユンとジャクリーン・テイラーの企みによって罪を着せられたシン・ジュギョンは出所できたものの、妹シン・イェギョンが謎の交通事故に遭い、最愛の娘チャン・スアは心の病のせいかシン・ジュギョンの顔を忘れてしまった。出所したシン・ジュギョンがまだ前を向けているのは、奇跡のような状態だ。

事故の後遺症で足を上手く動かせなくなった妹は、それでも「私にとって姉さんは母さんであり――私のすべてなの」と励ましてくれる。多くの支えを失いながらも、姉妹は「気丈に生きていこう」と約束しあうのだった。

だが復讐劇の発端を描く過去編だけに、強烈な苦痛を抱かせるシーンは続く。接近禁止命令が出ており、一目見るだけだとわかっていながら幼稚園へ向かったシン・ジュギョン。彼女は娘チャン・スアが「ママ！」と声を出し、笑顔を浮かべてジャクリーン・テイラーに駆け寄る姿を見たのだ。顔を忘れただけでなく、ジャクリーン・テイラーを「ママ」と呼ぶ娘。これほどに打ちひしがれる光景があるだろうか。

ジャクリーン・テイラーとともに姿を現したチャン・ギユンは、出所した前妻を気づかうようすは当然なく、辛辣な言葉を告げる。「スアも君にはうんざりしてたんだろ。前科者の母親のことなどさっさと忘れてしまいたかったんだ」「母親の資格はない」とまで言い捨てて、足早に去ってしまう。

シン・ジュギョンは、「母親の資格はない」という言葉を否定できずにいた。自分のせいで心を病んだチャン・スアのことを思い、自分を責めてしまうシン・ジュギョン。心が折れかけた彼女を支えたのは、「自分を責めないでください」というチョン・ウヒョクの言葉だった。これから先に期待が持てず、恐れるシン・ジュギョン。その手をチョン・ウヒョクがしっかりと握って元気づける姿は、非常に頼もしく見えた。

身動きが取れるようになったシン・ジュギョンは、NAエンターテインメントに加入。さらには同じビルで働くNAエンターテインメントに踏み込んできたホン・ヘリムに対し、「もうあなたたち親子の言いなりにはなりません」と言い放つ。踏まれても踏まれても強く立ち上るシン・ジュギョンだが、ここからどのように復讐劇が展開されていくのだろうか。今後の展開に注目したい「優雅な帝国」はHuluにて全話配信中。