

努力の人・西本聖がドラフト外入団からの下剋上を語る 江川卓・定岡正二とのエピソードも披露<プロ野球 レジェン堂>

4月1日(火)に放送された「プロ野球 レジェン堂」(毎週火曜夜10:00-10:55、BSフジ)。今回のゲストは切れ味鋭いシュートを武器に読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズ、オリックス・バファローズで活躍し、ドラフト外入団最多の165勝を挙げたレジェンド・西本聖が登場した。MCの徳光和夫、遠藤玲子とともに、ドラフト外入団の裏側や伝家の宝刀であるシュートの誕生秘話など貴重なトークを展開する。
2度の脱走を試みるほど厳しかった強豪校野球部の寮生活
西本は愛媛県の興居島(ごごしま)という離島の出身で、実家は漁業を営んでいたという。4人の兄と2人の姉がおり、西本は7人きょうだいの末っ子にあたる。上から3番目の兄・明和は甲子園で準優勝した経験もあり、1966年に広島へドラフト1位で入団。また2番目の兄も相撲の道に進んだという、まさにアスリート一家だ。西本はその要因について、幼少期から漁師である父の仕事を手伝っていたことが身体づくりに役立ったのではないかと振り返った。
中学から投手として活躍していた西本は、愛媛県屈指の強豪校である松山商業高校へ進学。当時、兄の明和は広島でプロ野球選手として活躍していたため、広島商業へ進学するという選択肢もあった。しかし父の反対によって松山商業への入学に落ち着き、そこで野球部の厳しい上下関係を体験する。寮生活に嫌気が差して2度にわたる脱走を試みたものの、外に出ても行くところはない。そのため最後には寮に戻るしかなかったという。
高校での西本は1年生からエースとして活躍するものの、夏の北四国大会で香川の高松商業に0-4で敗退。同時に、この頃西本にとって後年のライバルとなる作新学院の江川卓とも初めて対戦した。
当時の江川の印象について聞かれると、西本は「打席に立つとボールが浮いてくるような感覚で、すごい投手だと思った」と振り返る。野球ではたびたび”ボールがホップする”と表現されることもあるが、実際にそれを目の当たりにしたときの衝撃は想像以上に大きかっただろう。
ドラフト指名の約束を破られた…意外なドラフト外入団の裏側
西本といえばドラフト外入団でありながら165勝という成績を挙げた名投手。実は当初、巨人から西本に対してドラフト指名を行うことが約束されていたのだが、実際にドラフト会議が始まると西本が指名されることはなかった。それゆえ不信感を抱いた西本は巨人以外の球団入りを模索したが、兄・明和の説得によって最終的に巨人入りを決意する。
一方、ドラフト1位で巨人へ入団したのが、鹿児島実業でエースとして活躍していた定岡正二だった。甲子園での活躍を見ていたこともあり、入団当初は定岡のことをライバルというよりも憧れのような存在として見ていたと振り返る西本。しかしプロ野球は何よりも結果が求められる厳しい世界でもあるため、「定岡を抜かなければ活躍できない」と感じて徐々にライバル視するようになっていった。
そうしたなかで徳光が切り込んだのは、西本の最大の武器となった“鋭いシュートがどのように生まれたのか”。実は西本のボールは特筆してスピードが速いわけでもなく、変化球のキレも決して良いほうではなかった。投球を見たピッチングコーチから「プロの選手として生き残っていくために、武器となる球を覚えなくてはならない」とアドバイスをもらったことで、西本が自分の持ち球でもあったシュートに磨きをかけていったという。
スタジオでは西本が実際にボールを握り、シュートの投球について詳しく解説する場面もあった。シュートはボールの網目に沿って握るツーシームが基本だが、西本の場合は網目に対してわずかに斜めの位置で、深く握る。これによって右打者の内角に鋭く切れ込みながらシンカー気味に落ちていくため、バットの芯に当たりにくいコースへ投げ込める。
またシンカーを多用する投手は肩や肘を壊しやすい傾向にあるが、西本は20年のプロ野球人生において故障の経験がない。強力な技でありながら、体に無理をさせない投球フォーム。まさに「プロ選手として戦うための技」だったというわけだ。
今もファンの目に焼き付くインパクトのある投球フォーム
西本の投球フォームは足を大きく上げるのが特徴的で、野球に詳しくない人から見ても印象に残りやすいのではないだろうか。この独特の投球フォームはアニメ「巨人の星」が影響しており、プロに入ってからさらに高い位置まで上げるようになったという。もちろん投球フォームのバランスが崩れるため決してコントロールが良いほうではなかったと謙遜するが、インパクトの大きいあの姿は今でも多くのファンの目に焼き付いている。
ドラフト1位で入団したライバルの定岡を抜いて1軍に定着するまでの”ドラフト下剋上”や、江川卓の入団によって闘志に燃えたなどなど…漫画のようなプロ野球人生を歩んできた西本。番組で内に秘めた熱い想いを語ってくれたシーンを観ても、「巨人の星」好きというのが伝わってきた。
特に昭和時代のレジェンドたちは、努力している姿をひけらかしたりはしない。ファンの心に残る当時の心境やエピソードは、引退後だからこそ聞けるというもの。現役時代とは異なる表情で熱く語るレジェンドたちの姿を、今後も期待したい。
関連記事
-
新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>WEBザテレビジョン
-
東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」WEBザテレビジョン
-
<BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現WEBザテレビジョン
-
松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」WEBザテレビジョン
-
ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かすWEBザテレビジョン
-
瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」WEBザテレビジョン
「ニュース」カテゴリーの最新記事
-
相葉雅紀、アコギで演奏したい嵐の楽曲明かすモデルプレス
-
クリス・ハート、妻&5人の子どもと“お花見”ショット「家族とともに築くこの人生に心から感謝」ENTAME next
-
“AI疑惑”で話題・藤咲凪、黒髪にイメチェン「小悪魔感最高」「破壊力すごい」の声モデルプレス
-
木戸大聖、黒髪復活に反響「イメージ全然違う」「見慣れない」モデルプレス
-
所ジョージ「見逃している場合じゃない」年相応はないと言い切る所ジョージが見出した“人生の楽しみ方”WEBザテレビジョン
-
【漫画】「あなたは十分『まとも』ですよ」まともな母親になりたいのに周りからポンコツだと思われている気がして…/これって虐待ですか(10)WEBザテレビジョン
-
【漫画】「気づいていたかい?」始まったばかりの虚構内ではいきなり母音の1つがすでに失われていて…?/残像に口紅を(4)WEBザテレビジョン
-
【漫画】「やーっと見つけた!」不憫令嬢と人嫌い魔法使いが穏やかな時間を過ごしていると客人が現れ…?/婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む(16)WEBザテレビジョン
-
【漫画】「それって…嘘ですよね…!」ある部屋に侵入した男は見知らぬ老人から拷問されそうになって…?/オトナノススメ(3)WEBザテレビジョン