「ここを目指してきたんだ」勇気と希望に満ちたパラアスリートたちの胸熱ストーリー＜パラスポチアーズ！＞

2025.04.04 18:00

“勝利”というたった一つの目標のため、情熱のすべてを懸けて戦うアスリートたち。彼らのひたむきな姿は、私たちに努力することのすばらしさや立ち向かう勇気、希望を持ち続ける強さを教えてくれる。障がいの状態に合わせて競技のルールや用具を一部変更した“パラスポーツ”も、それはまったく同じだ。「Jテレ」で毎週土曜夜8:00から放送する「パラスポチアーズ！～パラアスリート全力応援～」では、さまざまなきっかけからパラスポーツに挑戦を決めたパラアスリートたちの挫折や再起、挑戦の記録が刻まれている。

チアーズメンバーがパラアスリートの本音の思いに迫る

「パラスポチアーズ！～パラアスリート全力応援～」は、番組MCで“応援団長”の中山秀征、チアーズファミリーの元ラグビー日本代表主将・廣瀬俊朗、ソチ五輪フィギュアスケート代表・村上佳菜子が全国各地のパラアスリートたちを総力取材し、彼らの人生を懸けた挑戦に深く迫っていく「Jテレ」オリジナルコンテンツ。

チアーズメンバーによって引き出されるパラアスリートの本音の思いに加え、そのスポーツのルールやテクニックも解説。パラスポーツの魅力に多方面からアプローチしていく。

番組はJテレ、J:COMチャンネルで放送されるほか、「J:COMチャンネル・J:テレ」公式YouTubeチャンネル(番組公式サイトからもアクセス可能)と地域情報アプリ「ど・ろーかる」で配信されており、バックナンバーが視聴可能だ。

「3秒で投げられた」因縁のライバルとの初対戦

これまで登場したパラアスリートには、パリ2024パラリンピックで史上初の金メダルを獲得した「ゴールボール」男子日本代表メンバー(Jテレ[以下同]2月1・8日放送回)、同じくパリ大会で金メダルを獲得した「視覚障害者柔道」73㎏級の瀬戸勇次郎選手(3月1日放送回)といった豪華な顔ぶれも！　日本を代表するアスリートが多数登場し、パラスポーツの“今”を知ることができるのもこのコンテンツの注目ポイントの一つだ。

アスリートたちはそれぞれ競技の魅力を伝えつつ、MCたちとのトークの中で、競技との出会いや打ち込む中で経験した挫折や苦難、そこからの再起と情熱を懸けた挑戦、その先に見えた世界を明かしてくれている。

生まれつき視覚に障害がある柔道家の瀬戸選手は、“因縁の相手”との戦いを振り返った。8歳年上のそのジョージア人選手の強さは圧倒的で、19歳での初対戦は「3秒で投げられた」と、力の差は歴然。悔しさをバネに一から肉体改造して力をつけ、パリ大会ではその選手を下して金メダルを獲得した。表彰台で君が世を聴いた瞬間を「ここを目指してきたんだ、と。あの時間は特別な時間だったなと思います」と振り返った瀬戸選手。その晴れ晴れとした表情が、諦めないことのすばらしさを教えてくれている。

「後悔しない日々を送りたい」

「パラバドミントン」で東京2020パラリンピック・パリ2024パラリンピック2連覇を成し遂げた里見紗李奈選手(1月11日放送回)は、村上と女子トーク。爪に施されたかわいいジェルネイルが実は車いす操作の時に爪が割れるのを防止する役割も担っていると知り、村上はびっくり！　高校3年生の時に交通事故で車いす生活になり、ふさぎ込んでいた時期もあったという里見選手。だがパラバドミントンと出会ったことで心境が一変し、ついにはパラリンピック初代女王に輝いた…そのストーリーに胸が熱くなる。

パリ2024パラリンピック「車いすラグビー」で日本に史上初の金メダルをもたらした橋本勝也選手(3月8日放送回)は、10代で日本代表に選出されるほどの実力の持ち主だが東京パラリンピックで結果を出せず、悔しさを味わった。そんな時、チームのエース・池崎大輔選手の言葉が橋本選手の心に火をつけた。「次はお前の番だぞ」「這い上がってこい」、その言葉を胸に、必死に練習を重ねた。

金メダルを獲得しても、まだ挑戦は終わらない。「2連覇を達成したい。だからこそ、後悔しない日々を送りたい」と真っすぐ前を見つめる橋本選手に勇気をもらえる、そんなエピソードだ。

「パラスポチアーズ！」4月のラインナップ

「パラスポチアーズ！～パラアスリート全力応援～」は4月から、30分枠に拡大(新エピソード15分／過去エピソード15分)。パラアスリートたちの熱い戦いを盛りだくさんの内容で送る。

「Jテレ」4月5日(土)放送回には、「パラアイスホッケー」の新エース、19歳の伊藤樹選手が登場する。アイスホッケーは幼稚園から始め、小3の時に交通事故で脊髄を損傷。翌年からパラアイスホッケーを始めた伊藤選手。中1で初めて日本代表合宿に参加、中3で強化指定選手に選出と、着実にエースへの道のりを歩んできた。パラアイスホッケー日本の復活のカギを握る新エース、その知られざる挑戦の日々に中山秀征が迫る。

4月12日(土)放送回は、「パラクロスカントリースキー」の阿部友里香選手。岩手県山田町出身の26歳で、東北魂を胸に4度目の大舞台を目指すママさんアスリートだ。左腕が動かない障害があり、中2の時にテレビで見たバンクーバー2010パラリンピックをきっかけに競技を開始。だが、翌年に発生した東日本大震災で自宅が全壊。苦難に襲われれてもその都度前を向き、もう一度歩き出す、その強さの神髄とは。

さまざまな経緯でパラスポーツに出会ったパラアスリートたち。境遇や状況はさまざまでも、共通するのは“勝利”を目指して諦めず前を向く強さ。人生を明るくたくましく前向きに生き抜くために必要な“強さ”、その源と保ち方を私たちに示してくれる彼らのストーリーに胸打たれ、励まされる。そんなコンテンツだ。

◆文＝酒寄美智子