キラキラの青春と復讐、権謀術数が交差する「チェックイン漢陽(ハニャン)」ファンミーティングを前に振り返りたい二面性の魅力

2025.03.28 08:30

2024年に日韓同時配信、日本ではLemino独占配信され、大きな反響を呼んだ青春ロマンス時代劇の傑作「チェックイン漢陽」。3月にはKNTVにて放送が開始され、4月26日(土)には豊洲PITにてファンミーティングもおこなわれる話題作だ。友情とラブロマンス、朗らかな日常と重い使命を背負った裏側など、さまざまな視点で楽しめる同作を深掘りしていく。

朝鮮時代の旅閣を舞台にして描かれるロマンス時代劇の傑作

「チェックイン漢陽」は朝鮮時代・漢陽(ハニャン)の中央に存在した“王宮よりも煌びやか”と言われる旅閣「龍天楼(ヨンチョンル)」を舞台にした青春ロマンス時代劇。4人の若者が抱えるさまざまな秘密や使命、美しい青春の物語を描く。

本作の主要人物4人を演じるのは、非常に豪華な面々。ホン・ドクス役は「となりのMr.パーフェクト」「わずか1000ウォンの弁護士」で知られる女優キム・ジウンが、イ・ウン／イ・ウノ役は「チアアップ」「烈女パク氏契約結婚伝」で活躍したペ・イニョクが務める。

さらにチョン・ジュナ役は「コッソンビ二花院(イファウォン)の秘密」「偶然見つけたハル」などで注目を集めたチョン・ゴンジュが、コ・スラ役には「セマンティックエラー」「我が家」のパク・ジェチャン(DKZ)が起用された。話題性も実力も兼ねそろえた注目の俳優陣が集められたわけだ。

物語は朝鮮最高の旅閣「龍天楼(ヨンチョンル)」に4人の若者が集ったことで始まる。父の死の真相を突き止めるべく男装して潜入したホン・ドクス(キム・ジウン)、王室に手を伸ばす影の権力者を倒し、王室を救う鍵である「黃銅金匙(ファンドングムシ)」を見つけるために「龍天楼」にやってきた王子イ・ウン(ペ・イニョク)。

そして「龍天楼」の後継者という立場を隠して見習いとして入ってきたチョン・ジュナ(チョン・ゴンジュ)、没落した一族を再興するために誰よりも「龍天楼」での成功を夢見る誠実な青年コ・スラ(パク・ジェチャン)だ。それぞれが心を燃やす目的を持っており、そのために邁進する精神力を持っている…のだが、その精神力がトラブルを招いてしまうことに。

納得いかないことがあると、誰が相手でも素直に噛みつくメンバーたち。「ですが」と反論することの多さから、やがて4人は「ハオナ(ですが)四人衆」と呼ばれる問題児チームとして知られるようになる。「龍天楼」での生き残りをかけて苦楽を共にする内に友情を深めていく彼らだが、果たしてどんな未来にたどり着くのか。

さらに物語のアクセントを添えるのが、ホン・ドクスへの複雑な気持ちに戸惑うイ・ウンと、ホン・ドクスが女性であることにいち早く気づいて彼女を守ろうとするチョン・ジュナの関係性。少しずつそれぞれへの気持ちが変化していく中、彼らの知られざる因縁が明らかになっていく…。

固い友情と絆、将来への不安、燃える情熱と目的、すれ違っていく夢と現実、恋の三角関係。「チェックイン漢陽」は、まさに“王道”ど真ん中の青春ロマンスストーリーなのだ。

友情を育む問題児たちのワチャワチャ

同作の注目ポイントは、なんといってもコミカルとシリアスのバランス。「ハオナ四人衆」が巻き起こす若者らしい騒動は、若い男しかいないというシチュエーションからくるおバカで軽いノリに思わずクスっとさせられる。

「龍天楼」は最高級の旅閣であり、当然そこに務める者たちには生半可ではない教育が施される。主人公たちはまず見習いから本採用になるため奮闘するのだが、それぞれの個性によって大きな苦労を背負うことになる。たとえば宿の施設について教わる段で、最も高級な金意閣は「この部屋で客が望む接待はすべて叶える。客が望めば王にもなれるのだ」と教官が説明した。

すると、これに立ち上がって怒ったのは本物の王子であるイ・ウンだ。「謀反ではないか」と教官に対して憤るのだが、いまの彼は対外的にただの一般人。周りから見れば冗談がわからない人の振る舞いであるため、ばっちり奇異の目を向けられることに。しかも教官への反論と居丈高な口調から、早々に罰点をもらってしまう。

ほかにも、出自などの関係からか下の階級の部屋を割り当てられた4人。それをバカにしてきたやつらと“部屋交換”を懸けたサイコロ勝負をするときには、最後の段になってイカサマ防止のために服を脱ぐ…という話が突如持ち上がる。まさに男子だけのノリなのだが、これに困ったのはホン・ドクス。当然裸になることはできず、部屋の外に飛び出したことで“ある事情”で近くまで来ていた教官たちに見つかってしまった。

こうしたトラブルも各人の機転と性根の誠実さ、お互いを思いやる気持ちで潜り抜けていく4人。だがそんなドタバタ劇とは裏腹に、それぞれが抱える事情は意外なほどシリアスだ。

重い事情を抱えるそれぞれの人生にも注目

ホン・ドクスは父の死の復讐を果たすために生きている。ある日大人数に襲撃され、目の前で父を殺されたホン・ドクス。直前に手渡された金色の鍵と「男として生きろ」という遺言を守り、12年間も男として生きてきた。その彼女が「龍天楼」に入ろうとしている目的は、自分の目の前で父を刺殺した下手人…「龍天楼」の総支配人であるソル・メファ(キム・ミンジョン)を討ち果たすためだ。

またイ・ウンも、王室の一員として王の苦悩を打ち払うべく立ち回っている。「龍天楼」の主であるチョン・マクドン(キム・ウィソン)は金の力で王でも簡単に意見できないほどの権力を持つ野心家。欲望のまま振舞う彼の影響力を宮廷から引き剥がすためには、彼の弱点である“帳簿”を手に入れる必要がある。だが帳簿の入手には、帳簿の入った金庫を開ける鍵…「黃銅金匙」が欠かせない。

チョン・マクドンが持っている「黃銅金匙」を手に入れるため、“市井の勉強”というテイを装いつつ、帳簿の金庫の場所と「黃銅金匙」を探し出すのがイ・ウンの目標だ。

そんな重い背景を持つ彼らが、「ハオナ四人衆」として協力していくうちに固い絆で結ばれていく。朗らかな日常と決してうやむやにできない目的に挟まれる苦悩、ラブロマンスと友情の行方に注目してほしい。

日韓同時配信、Leminoでの独占配信が開始されると、瞬く間に「韓流・アジア人気ランキング」1位を記録した同作。前述の通りファンミーティングが予定されており、早くもその人気ぶりがうかがえるというもの。

「チェックイン漢陽」はLeminoにて独占配信がおこなわれているほか、KNTVにて3月15日(土)から放送中。また5月23日(金)からは一挙放送も予定されている。