亡き前妻と瓜二つな女性の正体は… 壮絶で優雅な復讐の序章が“嵐の前の静けさ”すぎる＜優雅な帝国＞

2025.02.01 12:00

12月2日にHuluで配信が開始された韓流ドラマ「優雅な帝国」。同番組は韓国で2023年に放送され、全105話と非常に長く愛され続けた大人気ドラマシリーズだ。本記事では壮絶な復讐劇の始まりを振り返っていく(以下、ネタバレがあります)。

「優雅な帝国」とは

「優雅な帝国」は、巨大な力によって人生を踏みにじられてしまった人物たちが、隠された真実を暴き、失われたものを取り戻す為に繰り広げる復讐劇を描いた作品だ。壮絶で、それでいて優雅な復讐の物語は全105話と長大なスケールで描かれる。

主演級の人物であるチャン・ギユン役には歌手・俳優であり「左利きの妻」「キルヒール」で知られるキム・ジヌ(33話より、「ブラボー私の人生」などで知られるイ・シガン)、ソ・ヒジェ役には「魔女のゲーム」で知られるハン・ジワンを起用。ほかの主要なキャストにも「愛のプレッツェル」ソン・ソンユン、「不良に惚れた時」カン・ユル、「ミス・モンテクリスト」イ・サンボなど、非常に豪華な演者たちがそろい踏みだ。

脚本は「逆転のマーメイド」のハン・ヨンミ、演出は「ミス・モンテクリスト」「憎くても愛してる」のパク・ギホが務め、どこを取っても隙のない布陣となっている同作。放送開始後から高い人気を博し、現在はHuluにて全105話が配信されている。

壮大な物語の始まりを描く、序盤のエピソード

物語の冒頭、第1話。優雅な帝国(WJ)エンターテインメントの創設者チャン・チャンソン会長の1周忌法要の日、後継者である息子チャン・ギユンは2兆ウォン規模のVKメディア文化バレー事業への着手を発表する。一方、俳優のチョン・ウヒョク(カン・ユル)はドラマの撮影中、共演しているユン・ジテから悪辣な嫌がらせを受けてしまう。

第2話では、何者かに追われていたソ・ヒジェが隠れみのにするためにチャン・ギユンの頬にキスするふりをして隠れる。そしてチャン・ギユンに強烈な印象を残したまま、どこかへ消えていくのだった。NAエンターテインメントで働こうとしたソ・ヒジェは、雇用する条件としてドラマの降板に追い込まれたチョン・ウヒョクを救うように命令される。

第3話、ソ・ヒジェはシン・ジュギョンと知り合った過去についてチャン・ギユンに語る。シン・ジュギョンの死を知り、深く悲しむソ・ヒジェ。しかしチャン・ギユンに誘われてお酒をおごることになったソ・ヒジェは、酔いが回ってチャン・ギユンに絡んでいる姿をNAエンターテインメント代表ナ・スンピル(イ・サンボ)に撮影される。そしてその写真はチャン・ギユンの妻・ジャクリーン・テイラー(ソン・ソンユン)に送られてしまう。

第4話では、NAエンターテインメントで本部長として本格的に動き始めたソ・ヒジェ。すぐに頭角を現し、てきぱきと采配をふるいはじめる。そんななかソ・ヒジェの手柄でピンナ(ヒョンタ)が化粧品のモデルに決まり、NAエンターテインメントではお祝いムードとなるのだが…。

謎が静かに散りばめられていく“嵐の前夜”

物語の序盤では、まだまだキャラクター同士の因縁が明らかにされないままの伏線が多数見受けられた。亡き前妻と酷似した女性ソ・ヒジェと出会い、ともに前妻シン・ジュギョンの死を悼むチャン・ギユン。しかし口には出さないが、そこかしこでシン・ジュギョンの死に対して思う所がありそうな態度が気にかかる。

だが何より視聴者を惑わせるのは、登場キャラクター全員が混乱する美女ソ・ヒジェの存在だろう。莫大な金と権力を持つチャン・ギユンの前妻にそっくりで、NAエンターテインメントでもすぐに頭角を現すほど仕事ができた彼女。その仕事の前任は、亡くなった“そっくりな女性”シン・ジュギョンだ。あまりに強すぎる匂わせに思えるが、真相は果たして…。

またジャクリーンがソ・ヒジェとチャン・ギユンが会っている所を目撃してしまうなど、穏やかではいられないエピソードも。復讐というテーマを題材としている「優雅な帝国」だが、復讐する相手も、罪も、経緯も明らかになっていないのが現状だ。今後、どのようにその点が明らかになっていくのかが気になるところ。

隙のない演者・製作陣が魅せつける演技・演出が光る物語が幕を開け、さまざまな人物たちの動きが明らかにされていく「優雅な帝国」。長い復讐物語のなか、どこで火が噴き出すのかわからない静けさが怖い。いつかくるカタルシスに向け、今後の展開に期待が強まる。