赤楚衛二“灰江”が大物ミステリー作家の遺産トラブルに遭遇、作家が仕掛けた謎を解き明かす＜相続探偵＞

赤楚衛二主演のドラマ「相続探偵」(毎週土曜夜9:00-9:54、日本テレビ系／TVer・Huluにて配信)の第1話が1月25日に放送された。主人公は、遺産相続に関する深い知識と鋭い嗅覚で相続にまつわる難事件を解決する相続探偵・灰江七生(赤楚)。第1話は、大物ミステリー作家・今畠忍三郎(橋爪功)が残した莫大な遺産を巡る相続トラブルに遭遇した灰江が、遺産相続の裏に潜む“ある事件”にたどり着く…。(以下、ネタバレを含みます)

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遺産相続をめぐる痛快ヒューマンミステリー

「あんたの遺産は泣かせねえぜ」。“遺言書は愛する人に出す最後の手紙”というのをモットーに、故人の遺志を最大限尊重する灰江は、遺産相続を扱わせたら天下一品。“ハイエナ”と呼ばれる元弁護士の相続探偵灰江七生を赤楚衛二が、休学中の医学生で灰江のアシスタントを務める三富令子を桜田ひより、元警視庁科捜研のスーパーエース・朝永秀樹を矢本悠馬が演じる。

同ドラマは、クセ強でキレ者の相続探偵が、キャラ濃いめの仲間と共に故人の遺志をコミカルに、痛快に、時に大真面目に解き明かす痛快“相続”ミステリー。「SPEC」シリーズなどで知られる脚本家・西荻弓絵氏の同名漫画が原作の「相続」というテーマに特化したヒューマンミステリーで、西荻氏が自ら脚本も担当。

大物ミステリー作家・今畠忍三郎の遺産を巡る相続トラブルが発生

ワインを通じて知り合った大物ミステリー作家・今畠忍三郎(橋爪功)のお通夜で灰江(赤楚)は、莫大な遺産をめぐる相続トラブルの現場に遭遇。

ガンを患い他界した今畠。秘書の桜庭真一(高嶋政伸)がお通夜を仕切るなか、長女・市香(佐藤仁美)、次女・双葉(うらじぬの)、三女・美樹(松井愛莉)の三姉妹も姿を現した。

桜庭が3人に見せたのは、今畠のビデオメッセージだった。遺言となるメッセージは「財産は全て、わしの老後の面倒をすべて見ていた、秘書の桜庭真一氏に相続させる」というもので、遺産を期待していた三姉妹は愕然とし、憤るが、長女の市香は生前月々300万円の生活費を渡していて、次女・双葉には千葉の別荘を生前贈与している。三女の美樹にはストラディヴァリウス(バイオリン)を買い与えた。今畠が言うには、すでに遺産は渡し済みである、と。入院中、三姉妹は一度も見舞いに来ることはなかったという。

そんなやり取りとビデオメッセージを、スマホのカメラで動画撮影をしながら灰江は見ていた。そして、今畠の目の動きで、無理やり言わされた可能性があると指摘。

市香は、桜庭が言わせたのではないかと疑うが、桜庭は否定する。

これは単純な“遺産”を巡るトラブルではない

今畠がビデオメッセージで残した遺言は、誰かに読まされた物だと見抜いた灰江。さらに、事務所に戻った後、通夜の返礼品で配られた高級ワインが偽物であることも見抜いた。

そして朝永の「ミステリーのプロの今畠先生がそんなもの(ビデオメッセージ)を？」という言葉に灰江は反応。「なるほど、それで映像なのか」と、今畠が何か意図があって映像を残したことを察知した。

これをきっかけに、単純な“遺産”を巡るトラブルではなく、その裏側の“ある事件”の解決へとつながっていくことになる。

万年筆で書かれたもう一つの遺言書が見つかる

翌日、灰江は今畠の葬儀会場で、今畠家の顧問弁護士・福士(落合モトキ)と鉢合わせる。福士はビデオでの遺言は法的に無効だということを指摘し、生前に今畠から預かっていたという正式な遺言書を取り出し、秘書の桜庭や三姉妹の前で読み上げた。

その内容はビデオメッセージと全く同じで、遺産は全て桜庭に譲るというものだった。

ここで灰江は気づいた。その遺言書が今畠が生前愛用していた万年筆ではなくボールペンで書かれていることに。

そして、今畠がビデオで映像を残した理由として、腕に虐待を受けた傷があることを見せるためだったと指摘。さらに、目の動きから、書斎の中に何かを隠していると勘付き、調べてみるとそこには万年筆で書かれたもう一つの遺言が見つかった。

2通の遺言書はどちらが法的に有効なのか

その遺言の内容は、妻が亡くなってから8年間、今畠の身の回りの世話をしていた家政婦・下島美代子(田中真弓)に1億円を残し、残りは貧困国のために尽力している財団に全額寄付するという、今までとは異なるものだった。

後に書いた遺言書の方が法的に有効となるが、2通の遺言書は同じ日付が記されていた。しかし、灰江は、新たに見つかった方の遺言書にライトを当て、そこにボールペンの跡が浮かぶことを示した。

つまり、紙を2枚重ねて、最初にボールペンで書き、そして下の紙に万年筆で書いた、ということになる。

ミステリー作家の今畠からの相続探偵・灰江への挑戦状だったのか

虐待について話した時、灰江は“硬い棒”のようなもので殴ったと説明したが、桜庭は「家族よりも敬愛する先生を杖で殴るなんて私には絶対できません！」と否定したつもりだったが、“杖”という犯人しか知り得ない狂気を自ら明かして自滅。

三姉妹は、父親の作品を読んだことがなかったが『ポンコツ三姉妹探偵』という作品を読んで、自分たちは自分たちの力で生きていかなければいけないと気づき、改心した。

後日、下島が灰江の事務所を訪ねてきて、今畠からの遺産で家政婦仲間と会社を立ち上げることを報告。そして、「桜庭さんから、これを」と、灰江に封筒を渡した。

それは原稿用紙に書かれた「相続探偵ハイエナ」という小説で、灰江が返礼品のワインが偽物だと気づくことをきっかけに、遺言ミステリーを解いていくという内容だった。まさに今回の事件の一部始終が書かれており、遺産相続でトラブルになること、そして灰江が解決してくれることも全て見抜いていたようだ。

今回の事件に関して、今畠は灰江の才能を見込んで、ミステリー作家として、灰江が解けるかどうかを楽しんで見ていたのかもしれない。

※高嶋政伸の「高」は正しくは「はしごだか」

◆文＝ザテレビジョンドラマ部