俳優の持田悠生にインタビュー

「今、好きなものは役者とポーカーの2つ」と語る持田悠生が仕事とプライベートで注ぐ情熱

2025.01.29 12:00
ポーカーに熱中していることを明かした持田悠生

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン、『カリスマ de ステージ』など、さまざまな人気作への出演が後を絶たない俳優・持田悠生。2024年も多忙な日々を過ごしていた持田に1年を振り返ってもらった。さらに、2025年の抱負や3月に上演を控える迷宮歌劇「続・美少年探偵団」への意気込みについても聞いた。

“テニミュ”を卒業「今が役者として大事な期間」

――2024年を振り返ってみて、とくに印象的だったことはありますか?

とても忙しくさせてもらった1年だったので、ほとんど記憶がないぐらいです。2023年から2024年の年越しは“テニミュ”の青学(せいがく)メンバーと一緒だったんです。稽古もオフだったのに、わざわざみんなで集まって一緒に過ごして。とても楽しい年越しができて、いいスタートを切れた2024年だったと思います。

――“テニミュ”では、約3年間演じていた役柄からの卒業という大きな節目も迎えました。

この取材の2日前に、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン Dream Live 2024の映像を見ていました。卒業してから少し経った頃に、卒業をしたという実感が湧いた瞬間が1度だけあったんですが、映像を見返しているときに、もう一度「本当に終わったんだ」という感覚を味わいました。

――卒業したことで心境の変化はありましたか?

今の時点で何かが変わったということではないですが、“テニミュ”を卒業してからの方が、役者としてとても大事な期間なんだろうなと思っています。だから、2024年の後半は、より謙虚な気持ちで仕事へ取り組んでいました。

年越しをファンと一緒に過ごす貴重な経験も

――『カリスマ de ステージ』、「Stray City」 シリーズなど、シリーズ作への続投も多かった1年でしたね。

“カリスマ”では、初めて文化祭と銘打ってライブメインの公演をやらせていただきました。実はスケジュール的に少ししか稽古に参加できず大変ではあったのですが、“ドリライ”もそうだし、やっぱりライブ形式の公演はすごく楽しいなと思いましたね。

――“カリスマ”は、キャラクター的もとても個性的で大変な役柄だったのでは?

“カリスマ”で演じた本橋依央利くんは、個性という点ではそこまで苦労はなくて。それよりも大変だったのは、シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る 革命『もえ・る剣』で演じた板垣退助でした。性格が自分とはかけ離れすぎていて、今でもあれで合っていたのか?と思うほど、とても難しかったです。

役作りのためにいろいろと時代モノの作品を見たりしていたのですが、最初はピンと来なかったんです。そんなときに松平容保役のspiさんが、「龍が如く 維新!」というゲームをおすすめしてくれて。京の街並みや時代背景がとてもわかりやすく描かれているので、わからなかったこともすぐ腑に落ちて、勉強になりました。役作りの一環としてはじめたゲームでしたけど、面白すぎて本気でハマっちゃいましたね。

――“る剣”の東京公演は12月27日から1月2日までの上演でしたが、12月31日はカウントダウン公演だったとか。

年越しをファンの方たちと一緒に過ごせるというのはとても貴重な経験でした。まさかそういう年の越し方をできると思っていなかったので、とてもうれしかったし楽しかったです。

年末年始にはポーカープレイヤーとして活動

――公演が終わった1月3日以降はしっかりとお休みできましたか?

この取材で初めてお伝えするのですが、実は僕、ポーカープレイヤーをやっているんです。日本で一番大きなポーカーの大会にJOPT(Japan Open Poker Tour)というのがあるのですが、その大会に出ていました。だから全然休んでいないんです(笑)。

――ポーカープレイヤーというのはとても難しそうですね。

最近はお休みがあったらずっとポーカーの勉強をしています。学生時代は本当に勉強嫌いだったのに(笑)!ポーカーはすごく頭を使うし、人の動きや思考を見る洞察力が必要なので、俳優としても活かせるものがあるだろうし、趣味としても面白いんですよね。

――始めたのはいつ頃から?

本格的に勉強を始めたのは、ここ半年ぐらいです。やりはじめてみたら、とても向いているというか、自分でも言うのも変ですけど(笑)、センスがあるなと感じて。結果的に、大会では優勝することもできました。

――それはすごいですね。

ポーカーと聞くと、遊びとかギャンブルのイメージをもつ人もいると思いますが、ポーカープレイヤーのプロもいますし、芸能界でもYouTubeチャンネルで配信している方がいたり、ポーカーの番組が作られていたりと、熱が上がってきているジャンルなんです。僕自身も、お仕事につなげていけたらいいなと思っています。

――改めて、2024年はどんな1年だったと感じていますか?

終わりもあって、でも始まりもあって、ここからまたスタートしていく年だったなと思います。

――2025年の抱負についても教えてください。

新しいことにどんどん挑戦していきたいです。やったことのないものには飛び込んでいきたいですし、必要としてもらえるのなら何にでもチャレンジしていきたい。そして、お芝居もダンスも歌も殺陣も、全部まだまだだと思っているので、少しずつ成長していけたらいいなと思っています。

役者の仕事は好きじゃなきゃ続けられない

――では、2025年はすべてにおいて底上げの1年となりそうですね。

そうですね。それにここからまだまだ知らなかったことや壁にぶつかることも絶対にあると思うんです。でも、そういう出来事がなければ成長していけないと思うし、挫折することも楽しみに頑張っていきたいです。……できればしたくないですけど(笑)。

――先ほど、ポーカーに夢中というお話もありましたが、プライベートで新しくやりたいことはありますか?

今はもうプライベートではポーカーしかしていないですし、他のことはやりたくないです。今、好きなものは役者とポーカーの2つ。役作りのためにさまざまな作品を見たり、調べたりなんて、好きじゃないと続けられない。ポーカーも一緒で、好きだから真剣に取り組むことができているなと感じています。

――2025年3月には迷宮歌劇「続・美少年探偵団」も控えています。前作では公演直前に代打でのご出演となり、以前のインタビューでも「当時はとても大変だった」とお話されていました。

前作では稽古期間が10日ほどでした。メインキャラクターでしたし、セリフも多く、歌も30曲ぐらいあったんです。それらを短い期間で覚えないといけないし、当時はまだ“テニミュ”しか舞台経験がないという時期だったので、本当にキャパオーバーというか、毎日泣きそうになりながらやっていました。

――公演直前でのオファーだったと思いますが、迷いはなかったのでしょうか?

即決でしたね。せっかくいただけたチャンスだったので「やります!」とすぐに返事をした記憶があります。ただ、精一杯やらせていただきましたが、悔しい思いもありました。

でも、今作は最初からみなさんと一緒に作ることができますし、稽古期間もしっかりと取ることができるので、どんな感じになるんだろうと今からすごく楽しみにしています。期待して待っていてください!

◆撮影=八木英里奈

取材・文=榎本麻紀恵

ヘア&メーク=瀬戸口清香

スタイリング=北村梓(Shimarl)

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