本島純政&上村謙信「未成年~」と向き合った日々は 「大変なことも多かったけど、振り返ってみれば総じて楽しかったし、かけがえのない時間だったと思います」(上村)【後編】
本島純政と上村謙信(ONE N' ONLY)がW主演を務め、話数を追うごとに人気と注目度が高まったドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」(読売テレビ)。インタビュー後半では、それぞれが選ぶ好きなシーンや現在の両者の関係、2人の“未成年ロス”についてもたっぷり語ってもらった。
水無瀬も“好き”を伝えていたら未来が変わっていたかもしれないと思うからこそ、手紙を見たときの後悔や、やるせない気持ちが大きかった
――お2人が選ぶ“好きなシーンベスト3”をランキング形式で教えてください。
本島:うわ~、難しい。3位は先ほど(前編で)話した水無瀬と蛭川の9・10話の再会で、2位は2話の初キス。人生初のキスシーンということもあり、俳優・本島純政の記憶に一生残るだろうなと思います。1位は、水無瀬が蛭川の手紙を見つける8話のシーン。蛭川が自分の力で生きていくと決めて水無瀬の前から去った公園で、『俺、俺…』と言った後に水無瀬もちゃんと“好き”を伝えていたら未来が変わっていたかもしれないと思うからこそ、あの手紙を見たときの後悔や、やるせない気持ちが大きかったんです。僕、本島純政としてはあのシーンで“好き”を伝えたくて仕方なかったです(笑)。でも、水無瀬は勇気が出せなかった。伝える言葉が見つからなかった。あそこはまさに“未熟な俺たちは不器用に進行中”というドラマのサブタイトルを象徴したシーンになっていたんじゃないかと思います。
上村:僕の3位は、1話のラストで蛭川が水無瀬に湿布を貼ってもらうシーン。セリフとセリフの間に間(ま)がすごくあって、僕は最初、アドリブとかで埋めていたんですけど、監督に『そうじゃないよね』と言われたんです。間が長くてもト書きの部分で埋めたりすることで映像上はちゃんと成立していて、僕はそこで“なるほど。この作品は間だな”と一気に察したところがあったんです。撮影初日の大事なシーンだったこともあり印象に残っています。2位は、6話の(蛭川の友人の)真島(堀家一希)とのシーン。真島の逆襲!(笑)
本島:逆襲!(笑)
上村:まともな人間になろうとする蛭川を許せない真島が、蛭川を陥れるところです。真島に殴りかかるシーンはともするとカッコよく見えがちで、監督には「蛭川がカッコよく見えちゃダメだよ」と言われていたんです。そうだよな、人間くさいのが蛭川だなっていうのを改めて考えさせられた6話でしたね。そして1位は…4話のアイスキスです!
本島:おぁー。あそこだ。
上村:毎話いろんなキスシーンが出てくる中でも、アイスという一つのアイテムがあることで見え方が変わるというか。アイスを通しての“キュン”が、萌える要素にもなっていたのかなと思います。水無瀬の持つアイスが垂れて、その手にキスをする一連の流れも印象的でしたし、蛭川が水無瀬への愛を前面に押し出したシーンだったと思うのでこれが1位ですね。
本島:(ハッとして)あ! 僕、もう一つあった!
上村:お、どこ?
本島:好きというか、苦戦した分見てほしいという意味で話したいシーンなんだけど、大学生になった水無瀬が酔いつぶれる9話。僕、まだ19歳(※当時)でお酒は飲めないし、居酒屋で酔った人を観察する機会もないから、早朝の渋谷で見る酔った人たちを参考にしたんだよね。そしたら監督に「ちょっとやり過ぎ。そこまでじゃない」と言われて(笑)。
上村:酔った人の情報をそこから仕入れたんだ(笑)。リアルを求めたのは良かったかもしれないね。
本島:ちょっとディープ過ぎたみたい(笑)。でも、ドラマの全シーンで本当にそこが一番苦戦したかも。裏の1位にしておきます(笑)。
「このシーンの蛭川をみんなに届けよう」みたいなことを純政が言ってくれたのも“よしいこう!”ってスイッチが入った瞬間だった
――上村さんの方の苦戦したシーンも伺っていいですか?
上村:僕はやっぱり蛭川の家のシーンです。お父さんの暴力もそうですし、雨に打たれたり泥水に浸ったりと肉体的にも精神的に持っていかれる部分が多かったんですけど…お父さんが亡くなった7話は特にキツかったです。それこそ蛭川の家のシーンもまとめて2日ぐらいで撮って、その7話のシーンは確か一番最後だったんです。
――え! それは大変ですよね。
上村:ふと見たらお父さんが亡くなっていて、水無瀬が駆けつけるシーンなんですけど、その衝撃と悲しみをまだ高2の蛭川にはとても受け止めきれなくて、本人もパニックになって何が起きたのか分からなかったと思うんです。僕はその感情を作るために今までのしんどかった出来事とかをリンクさせながらやっていたんですけど、それが本当に難しくて苦しくて…。現場で「これをあと4回繰り返して撮ります」ってなったときに僕は監督に「ごめんなさい。無理かもしれないです」と言ってしまったんです。監督はそういうときに割と休憩を挟んでくれるんですけど、そのときは初めて「今じゃなきゃ気持ちが冷めちゃうよ。今いかなきゃダメじゃない?」って。弱音を吐いた僕にあえて優しくせず「ここまで積み上げてきたのに、引きの画だけでは終われない。ここで蛭川の寄りを撮らなかったら上村くんに失礼だと思う」とおっしゃったんです。
本島:(真剣に聞いて)そうだったね。
上村:僕は思わず泣いてしまって。何回もできないことに対して「器用な役者じゃなくてごめんなさい」と言ったら、監督が「器用さなんか1回も求めてないよね」と言ってくださって。もう感情がぐちゃぐちゃでした。純政もずっと隣にいて、背中をさすってくれたりして。「このシーンの蛭川をみんなに届けよう」みたいなことを純政が言ってくれたのも“よしいこう!”ってスイッチが入った瞬間だった気がします。
本島:あのシーンは水無瀬も号泣で、僕の中でも、ここまで役に入り込んだのは初めてというぐらいの経験でした。そしてそれは謙信によって引き出されたものでもあって。蛭川と水無瀬をずっと一緒に作ってきて、その世界に生きているって感覚がそのときもすごくあったので、辛い感情で泣いてはいるけど同時に充実感みたいなものを感じていたんです。あとそのとき、謙信は大変な中だったけど僕は正直うらやましいとも思ったんだよね。
上村:え、そうなの?
本島:そこまで感情が役に入るってすごいと思って。憑依型の謙信がどこかうらやましく思ったし、同時に、そこまで蛭川という役を落とし込むって血のにじむような努力が必要だから、同じ俳優として改めて尊敬した瞬間だったなって。
上村:うれしい。あと僕の中では、(息絶えて)後ろで寝転んだ状態だった父親役のオクイシュージさんが「ここでちゃんと聞いてるからね」と言ってくださったのもありがたかったです。終わった後『お芝居、嫌いにならないでね』とも言ってくださって。劇中と違って、オクイさんはめちゃくちゃいい人! みんな分かってると思うけど改めて伝えておきたいです(笑)。
謙信は僕の俳優人生においてすごく大きな存在。出会った頃より今は一層そう思う
――毎週のインスタライブの同時視聴も大いに盛り上がりましたね。
上村:すごく楽しかったです!
本島:キスシーンを見るときは恥ずかしさもあったけど(笑)。
上村:確かに(笑)。
本島:キャッキャしていたのは照れ隠し。そうじゃないとやってられないみたいな(笑)。
上村:『ギャー! キスした!!』みたいな(笑)。でも僕は割と客観的に作品を楽しんでいたところもあるかも。隣にいるのが本島純政っていう少し不思議な感覚もありつつ。
本島:そういう感じだったんだ!
上村:同時視聴のときの感情をわざわざ共有はしないもんね(笑)。
本島:同時視聴の同時視聴!(笑)
上村:それ面白い。同時視聴の映像を見ながら「ここってどういう心境だった?」とか話すの。趣旨変わってくるけどね(笑)。
本島:僕も一人で見るときは結構客観的なんだよ。でも隣に謙信がいるとやたら恥ずかしい。
上村:そうなんだ(笑)。
――クランクインの前から食事に行くなど交流を深め、無事に撮影を完走したお2人ですが、今の関係性を言葉で表すならどうでしょうか?
本島:撮影期間中から“明日も頑張ろうね”とか何気ないLINEのやり取りをほぼ毎日してたよね。
上村:ドラマの撮影がない日も、お互いのその日の仕事を報告したりして。懐かしい。
本島:これはもう、親友?
上村:親友…。何だろうね。戦友?
本島:確かに! 戦友が一番しっくり来るかも。
上村:一緒にいろんな山を乗り越えたから。
本島:そうだね。謙信は心強くて頼れる先輩でありつつ、5歳差だけどタメ口で話せる距離の近さもあって。自分の悩みや弱さを打ち明けたときにそれを包み込んでくれる優しさもステキだなと思う。これからもずっと関わっていきたいし、謙信は僕の俳優人生においてすごく大きな存在。出会った頃より今は一層そう思う。
上村:本当に、現在進行形で仲が深まっているよね。そんな2人の濃い関係を、こうしてメディアやSNSを通じて世の中の皆さんに届けられていることもうれしい。
本島:それこそ昨日は、12月30日から韓国で配信がスタートするねって話をしてたよね。
上村:うん。これはうれしい。
本島:韓国の原作だから、韓国でファンミーティングを開いて、あとは(原作者の)ヒヌン先生にお礼を言いに行きたい。これ、2人で最初にカラオケに行ったときからずっと言ってる(笑)。
上村:そうだね(笑)。ヒヌン先生がドラマの感想を高い熱量でXに投稿してくださってるのも本当にありがたい。かなうといいね。
――最後に“未成年ロス”の読者にメッセージをいただけますか?
本島:僕自身もロスの状態になりました。この「未成年~」で教えてもらったことが本当に多かったので、もっと長くこの現場でお芝居をしていたいと思ったし、共演者の方やスタッフさんとも仲良くなれた分、クランクアップの後は卒業式が終わった後みたいな感覚だったんです。
上村:分かる。僕もクランクアップ直後は本当に寂しかったし、終わって1週間くらいは“終わっちゃったな。みんなに会えないなぁ”って。大変なことも多かったけど、振り返ってみれば総じて楽しかったし、かけがえのない時間だったと思います。
本島:読者の方で今もしロスになってくれている人がいるなら、そこまでこの作品を愛してくださったことが心からうれしいです。水無瀬と蛭川は、皆さんの心の中でもずっと生き続けるキャラクターなので、ふとした瞬間に心の支えになったり、恋をしたときに2人の姿が蘇ったり…ということがあったらすごくいいなって。皆さんの心の中で水無瀬と蛭川は永遠に生き続けられるので、寂しくなったらいつでも2人を思い出してほしいです。
上村:“ロスになっている方、気持ち分かりますよ!”って感じです(笑)。純政も言ったように、それだけ愛してくださったことに感謝ですし、この作品を大きくできたのは本当に皆さんのお陰だと思っています。水無瀬と蛭川としてまたどこかで会えるように僕らも頑張っていきたいです。
■取材・文=川倉由起子/■スタイリスト=津野真吾(impi ger)(本島)、川久保はるか(上村)/■ヘア&メーク=木内真奈美(Otie)(本島)、関綾花(上村)/■衣装協力=Ayne doppio/■撮影協力=AWABEES
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