横浜流星“蔦重”の悔しさにじむ「べらぼうが！」が響く中、渡邉斗翔“唐丸”にも視聴者注目＜べらぼう＞

2025.01.27 13:09

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第4回「『雛形若菜』の甘い罠」が1月26日に放送された。本作りの才能が開花していく蔦重(横浜)だが、その道は前途多難。その中で、蔦重を手伝う唐丸(渡邉斗翔)の才能も開花した。(以下、ネタバレを含みます)

数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。

蔦重はその人生の中で浮世絵師の喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝らを見い出し、また日本史上最大の謎のひとつといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

蔦重の幼なじみの花魁・花の井役で小芝風花、蔦重に影響を与える“希代の天才”平賀源内役で安田顕、幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙が出演。

吉原のため、今度は錦絵制作に奔走する蔦重

女郎たちを花に見立てた本「一目千本」で、客を呼び戻すことに成功した吉原。次なる一手として、蔦重は女郎屋の主人たちから女郎の錦絵を出してはどうかと言われる。錦絵は、墨のみだった「一目千本」と違って、多色刷りの豪華な絵だ。費用も用意するとのことで引き受けるが、なぜか女郎たちに責められてしまった。主人たちが女郎たちに錦絵のためのお金を出させることにしたからだ。

結局、金策もするはめになった蔦重は、源内との話から呉服屋にお金を出してもらって制作費に充てる案を思い付く。呉服屋が売りたい着物を錦絵の女郎たちに着せることで、着物の売り込みになるのだ。だが、蔦重の知名度の低さで信用してもらえず、苦戦。そんな中、地本問屋・西村屋(西村まさ彦)から協力の申し出があり、制作が進んだ。

紆余(うよ)曲折がありながら、完成した錦絵。そこには蔦重の板元(はんもと)としての名で、源内に命名してもらった「耕書堂」の印が押された。

お披露目の日、錦絵の素晴らしさに誰もが目を見張り、蔦重も誇らしげ。ところが、西村屋が今後は自分だけを板元にさせてほしいと頭を下げた。西村屋に勧められて板元になれると思っていた蔦重だが、地本問屋の間には“定”があり、仲間内で認められなければ板元にはなれないのだという。

蔦重が関わっている限り、錦絵を売り広めることはできない。吉原のために奔走した蔦重だが、吉原のために泣く泣く引き下がることになった。

蔦重を手伝う唐丸の才能にも視聴者注目

「べらぼうが！」。蔦重の悔しさが、このひと言に集約されていた。初回から毎回、タイトル回収ともいえる「べらぼう」が劇中に使われているが、今後どんな場面で出てくるかも楽しみになりそうだ。

さて、蔦重の板元への道を阻んだのは、吉原の案内本「吉原細見」を手掛ける地本問屋・鱗形屋(片岡愛之助)だった。鱗形屋は、蔦重を利用してゆくゆくは吉原を抱え込むべく、西村屋に協力させて、今回の企みをしたのだ。

鱗形屋との攻防が始まりそうな予感。そんな第4回の話の中で、もう一つ、視聴者が注目したことがあった。蔦重が明和の大火の際に助け、蔦重を手伝うようになった唐丸(渡邉斗翔)だ。今回の錦絵制作中、下絵が不注意で水びたしになってしまうことがあった。すると、唐丸が、水でにじんだ絵を見ながら見事に元と同じ下絵を仕上げた。

そのとき蔦重は「お前はとんでもねぇ絵師になる！間違いなく、なる。いや、俺が当代一の絵師にしてやる」と叫んだ。記憶を失い、出自が不明な唐丸だが、絵の心得は確かにあるようだ。視聴者からは「ついに絵師として開花したのね」の声と共に、「写楽なのか、歌麿なのか」と、のちの浮世絵師としての姿の考察もにぎわった。

次回、2月5日(日)放送の第5回の予告では、蔦重が唐丸を捜す描写があり、なんらかの危機が訪れるようだ。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部