ドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」でW主演と務めた本島純政と上村謙信

話題のドラマ「未成年~」でW主演を務めた本島純政&上村謙信がドラマを振り返る 「謙信と一緒にやれたことへの喜びも僕はそこで改めて感じました」(本島)【前編】

2025.01.27 12:00
ドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」でW主演と務めた本島純政と上村謙信

本島純政と上村謙信(ONE N' ONLY)がW主演を務めるドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」(読売テレビ)が最終回を迎え、FODプレミアムでアフターストーリーが配信中だ。“未成年”ならではの揺らぎを丁寧に紡いだ物語や美しいBL描写、フレッシュな出演者による繊細な演技に注目が集まった本作。クランクアップ後の本島と上村に、今だから込み上げる役への想いや全話を通して印象に残るシーンなどを聞いた。

シーンごとに監督とディスカッションを重ねる日々でした

――ドラマは毎話大きな反響があり、お2人の耳にもそれが届いていたのではないかと思います。

本島:本当にありがたいです。皆さんの反応は僕らにちゃんと届いていましたし、僕と謙信も、お互いに熱い想いのまま最後まで走り切れたことがうれしいです。

上村:僕は正直、こんなにも多くの反響をいただけるとは想像していなかったんです。もちろん、たくさんの人に届けばいいなという想いで作品に向き合っていたんですけど。いざ放送が始まったら、毎週のように“ちゃんと届いてるな”という実感と喜びがあったことが本当にうれしかったです。僕たち2人の中にも“いいものができた”という自負があったし、“チーム未成年”で頑張ってきたことが日本だけでなく世界の方々の目に触れて、その反応を純政や監督、スタッフの皆さんと共有できていたことが幸せでした。

――改めて、ご自身の役を演じるにあたり意識していたことを教えてください。

本島:水無瀬が関わるのは“友達”“母親”“蛭川”という大きく分けて3組の人たちで、相手によって接し方や見せる顔が違うんです。蛭川といるときにだけ他人に無関心だった水無瀬の心にだんだん温かいものが宿っていくんですけど、その変化をしっかり表現することを意識しました。台本を読むときも、ここで水無瀬はこう思って、次のシーンでは1日経過しているからその間に彼はどんなことを考えていたんだろう?とか、台本にない部分を埋める作業も結構細かくやっていました。

上村:水無瀬も蛭川もすごく繊細で奥深い感情を持っているから、その時々の心の状態をしっかりつかんでいく必要があったんです。“100%うれしい”とか“100%悲しい”ということではなく、例えば100%のうちの何%がこうで残りの何%はこうみたいな。単純に一つの言葉では言い切れない感情が多かったので、シーンごとに監督とディスカッションを重ねる日々でした。

――台本以上に役を深めていく作業がお2人とも印象に残っているのですね。

上村:クランクイン前に蛭川の芝居に悩んで監督に相談したとき、「一番大事なのはそのシーンで蛭川がどう思っているかだよ。その感情を埋めるのが役者の仕事だから」と言ってくださったんです。現場ではその教えを必死に追いかけていました。例えば僕がまず何かお芝居をプレゼンして「もっとこういう感じで」と監督に言われたら、やっぱりまだ足りていなかったか…と。監督の考えることはいつも僕の一歩も二歩も先を行っていて、“あー!”と気付かされることが本当に多かったです。

――例えばどんなシーンでしょうか?

上村:印象的だったのは、学校でタバコの空き箱が発見されて、その持ち主だと先生に決めつけられた蛭川が水無瀬に向かって「俺のらしいわ」と言うセリフです。問題児っぽくクールに言っても成立しますが、+αで、どこか諦めたような“抜け”の感じも出してほしいと監督に言われたんです。そのテイクが結果使われて、僕自身も“確かにこっちだな”と納得しました。監督のその“一歩先の提案”を最初はただただすごいと思って聞いていましたが、段々自分の中で勝負みたいな気持ちなっていって、“それ先に思い付きたかった!”って悔しくなったりして(笑)。時々、僕のプレゼンが最初から監督のイメージと合致したときはすごくうれしかったです。

“蛭川の前でしか出さない自分”というのを大切にしていました

――ロケなどの都合でシーンをバラバラに撮ることも多い作品だったと聞きました。時系列の整理も含めたシーンごとの役作りは相当難しかったのではないかと思います。

本島:そうですね。苦労しました。キスシーンで2人の感情が盛り上がった後にすぐ別れのシーンとかありましたし、水無瀬の高校時代の家のシーンは3日で一気に撮り終えているんです。だから8話まで飛んだ後に1話に戻る…みたいなこともありました。

上村:そうすると僕らも“今の2人の距離感”がバグるんです(笑)。関係が近くなった後にまだそうでもないシーンに戻ると、その絶妙な距離感を想像で補うしかなくて。難しかったです。台本を開いて、ちょっと前のシーンから読み直して、状況を整理するということはよくやっていました。

本島:それで言うと、僕は現場に向かう電車の中で原作漫画を読み返していました。できるだけ最初から、その日に撮るシーンまでを毎回ひと続きで。恋愛を描く上で一番大事なのは気持ちの変化の仕方だと思うんです。そこを見誤って完成した作品を見たときに後悔するのは嫌だったし、シーンごとに水無瀬のありのままの感情で生きるには、それ以前までを完全に把握していないと思いきり羽ばたけないなって。同時に、どこまでなら自由にやっていいか…という枠組みみたいなものも頭の中で考えるようにしていました。

――本作でメイン演出を務める柴田(啓佑)監督にインタビューした際、「シーンの時系列を“調整”するのが自分たちの仕事」とおっしゃっていたのですが、そういう監督の目線やジャッジはやはり心強かったですか?

本島:もちろんです。序盤のキスシーンでは、蛭川からこられたときに僕が反射的に目をつぶってしまうことがあったんです。ついビックリしてしまって(笑)。そのときに「目をつぶると受け入れているように見えるから開けたままで」と演出してくださいました。他にも、監督に自分の中にある水無瀬を引き出していただいた部分が多かったです。監督は絶対に否定から入らなくて、「それもいいんだけどね」とか必ず肯定の言葉を言ってくださることで、意見交換がしやすい空気感を作ってくださいました。あとは謙信が「今のは水無瀬としてちょっとやり過ぎかも」と言ってくれることもあって、助けられましたね。

上村:僕も作品をあまり経験してこなくて。監督はそういう僕らの芝居をよく見て調整してくださって、「(前のシーンの芝居を)抜くのが俳優という職業だから」というのもおっしゃっていたんですよね。芝居の引き算みたいなものは今回すごく勉強になりました。

――全話を通して、そういう撮影のスケジュールだったとは思えないほどお2人の芝居がナチュラルでした。

本島:それはもう監督のおかげです!

上村:そうだね。あと僕は1話の完パケを見たときに“つながってる! 作品になってる!”って感動しました(笑)。バラバラに撮っていたけど、パズルのようにこんな風にハマっていくんだ…という驚きました。

――先ほど本島さんは「恋愛を描く上で一番大事なのは気持ちの変化の仕方」とおっしゃいました。積極的に距離を縮めてくる蛭川に対して最初は戸惑う様子もありつつ、水無瀬がだんだん蛭川に寄り添っていく過程はどのように演じましたか?

本島:物語の全体像を見ながら、蛭川に気持ちが次第に傾いていく様子や、“蛭川の前でしか出さない自分”というのを大切にしていました。蛭川への想いは、ここで好きになったという明確なシーンを決めていたわけではなくて。いつ好きになったのか分からないけど気付いたら…というのが恋だと僕は思っているので、あえて決めたくなかったんですよね。ただ、最初は蛭川を“可哀想”としか思っていなかった水無瀬が「家、来る?」って自分から誘う行為に出たあたりが蛭川を意識する最初のスイッチが入った瞬間だったのかなと解釈しています。あと、水無瀬は母親から割と干渉されていて、蛭川の自由に生きているような姿が対角線上の存在に見えたのかなって。自分が獲得したくてもできないものを持っているところが輝いて見えて惹かれたのもあるんじゃないかなと思います。

2人の唇が初めて重なる大きなシーンだったので、みんなで大事に作り上げたことが印象に残っています

――全話を撮り終えた今だから思う、お2人の印象的なシーンを教えてください。

本島:僕は、9話から10話にかけての、居酒屋に蛭川が水無瀬を迎えにいく再会のシーンです。目の前に蛭川がいることを、酔っている水無瀬は現実なのか夢なのか、頭で理解する前に涙がこぼれちゃっているんですよね。監督がシーンの前に『これまでの謙信くんとの思い出も思い返してみて?』とアドバイスをくださいました。謙信とこの作品を通して積み重ねてきた時間が本島純政としてもすごく大切で、クランクイン前から一緒に台本の読み合わせをしたり、ずっと同じ熱量で走ってきた謙信がもしいなかったら僕はどうなるんだろう…と考えたら、蛭川を失った水無瀬の気持ちと重なりました。今作は、謙信が相手だったというのもすごく大きかったと思います。謙信と一緒にやれたことへの喜びも強く感じたシーンになったので印象に残っていますね。

――ちなみに、大学生パートの演じ方で意識していたことはありますか?

本島:ちょっと大人っぽくなった水無瀬を見せたいというのもありつつ、一番意識したのは友人の柴(今井悠貴)とのやり取りかもしれないです。高校、そして大学も一緒で、その2人の関係値の変化に水無瀬自身の変化が出るような気がしたんですよね。高校時代の水無瀬は割と“傍観者”だったけど、蛭川と出会ったことで人と関わる楽しさを知った…。そんなバックグラウンドを、水無瀬が以前より柴に興味を持ったり、彼と砕けた会話をする様子で感じてもらえたらと思っていました。

上村:蛭川は大学で映画研究会に入り、やりたいことができているというのがまず高校時代と違います。だから最初、僕は大学の蛭川を高校時代と変えた感じで演じたのですが、監督に「もう少し蛭川っぽさを残してほしい」と言われました。そこは難しかったです。蛭川っぽい“影”を残しつつ、割と楽しいキャンパスライフというのは(笑)。でも確かにそうなんですよ。蛭川的には、あくまでも水無瀬への想いは片想いで、両想いではないと思い込んだままここまできているのもあるので。高校から大学に上がる大きな変わり目はちょっと苦戦しました。

――少し話が逸れてしまいましたが、上村さんの印象的なシーンを聞かせてもらえますか?

上村:いっぱいあるんですけど、2話の初めてのキスです。自分にとっても人生初のキスシーンだったので、未知数過ぎて、どういう感じなんだろうってドキドキしたのを覚えています(笑)。

本島:僕もあれが人生初のキスシーンでした。2人ともドキドキしていて、ある種同じ感情だったからこそ、それが見ている方にリアルに届いたところもあるのかなって思います。

上村:2人並んで映画を見ていて、蛭川がキスするまでの心情の持って行き方や水無瀬への触れ方、目線、セリフの言い回しなど監督とたくさん話し合いました。2人の唇が初めて重なる大きなシーンだったので、みんなで大事に作り上げたことが印象に残っていますし、結果すごく良いシーンになったと思います。

【後編へ続く】

■取材・文=川倉由起子/■スタイリスト=津野真吾(impi ger)(本島)、川久保はるか(上村)/■ヘア&メーク=木内真奈美(Otie)(本島)、関綾花(上村)/■衣装協力=Ayne doppio/■撮影協力=AWABEES

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