西垣匠「ドラゴン桜」で切磋琢磨し、「みなと商事コインランドリー」が人生のターニングポイントに 自身の意外な一面とファンへの思いも語る
WEBザテレビジョン公式Xで、取材してほしいニューカマータレントをユーザーから募る新企画「推したい!フレッシュFACE」。今回は、現在放送中のテレ東系連続ドラマ「財閥復讐〜兄嫁になった元嫁へ〜」(毎週月曜夜11:06-11:55)に出演している西垣匠が登場。「財閥復讐」で演じる佐竹玲央役の話をはじめ、出演作が途切れることなく続く俳優業への思い、さらには「ターニングポイントになった」という『ドラゴン桜』(2021年、TBS系)や『みなと商事コインランドリー』(2022年、テレ東系)などの話を聞いた。
青年実業家の役作りは、ベンチャー企業の社長が話している動画を見て研究
――放送がスタートすると、個性的な登場人物が大きな話題になっている「財閥復讐〜兄嫁になった元嫁へ〜」ですが、起業家を目指す青年・佐竹玲央役に対してどんな感想を抱きましたか?
僕が演じる佐竹玲央は、いろいろなゴタゴタに巻き込まれていく人間なのですが、自分が叶えたいという夢や理念に対してまっすぐに突き進んでいく青年なんです。そのなかで、高岡早紀さん演じる伊勢家の響子さんがお金を出してくれるということで、少しずつ翻弄され取り込まれていってしまう…という役。真っ白なゆえに、いろいろな色に染まりやすいという意味では、とても面白い役だなと思いました。
――玲央を演じるうえで、どんな役へのアプローチをしましたか?
若手ベンチャー企業の社長がお話しされているインタビュー動画等をたくさんみて、特徴やしゃべり方の癖みたいなものを研究しました。意識の高い社長さんというのは、結構身振り手振りで相手を説得するような感じがあったので、そういうものを取り入れています。一方で24歳という年齢設定も僕と一緒ですし、等身大な若者でもあるので、特に何かを付け加えるようという感じではなかったです。
――玲央を演じる上で、核となる部分はどこに置いていましたか?
会社を立ち上げるためにお金がすごく必要なのですが、そこまでして叶えたい彼の夢というのが、子どもたちへの支援や、社会からこぼれ落ちそうになっている人へのサポートなんです。なぜ彼がそういうことに熱心になっていったのか…という部分は、台本に書かれていないので想像をふくらませて、自分なりに補完しました。
――ご自身と玲央の共通点や相違点は?
僕には彼ほどの行動力はないです(笑)。でも僕も大学生まではこの業界に入っていませんでしたし、玲央と同じような大学生活を送っていたので、あまり遠さは感じませんでした。
――撮影も進んでいるとのことですが、伊勢由貴也役の渡邊圭祐さんや、伊勢絵理香役の瀧本美織さんなどとの現場はいかがですか?
ドラマはかなりヘビーな展開ですが、そのテイストとは打って変わって和気あいあいとした雰囲気です。僕は渡邊さん、瀧本さん、高岡さんとのシーンがほとんどなのですが、カメラが回っていないところではずっとおしゃべりをしています。
渡邊さんは以前「わたしの幸せな結婚」(2023年)という映画でご一緒したのですが、そのときは同じシーンがなかったんです。今回初めてお話させていただいたのですが、あんな端正で美しいお顔をされているのに、結構ボケてくれるなど、面白い方で楽しかったです。瀧本さんはドラマのなかでは、すごく腹黒くて怖いのですが、ご本人は真逆な感じですごく明るい方なので、気さくにお話させていただいています。
――放送後話題になっている「財閥復讐〜兄嫁になった元嫁へ〜」ですが、今後の見どころをお願いいたします。
僕が演じる佐竹玲央は、お金に振り回される役で、どんどん沼にハマっていってしまうので、彼の変化みたいなものを見ていただけると。かなり心情に動きがあるので、すごく難しいのですが、その分大きなチャレンジになっています。
物語全体では、スカっとする復讐劇でもあるので、最後まで楽しみにしていてほしいです。でも、この作品に入ってお金の怖さが身に沁みました。取り憑かれたらダメなんだなと実感しています。
「顔に泥を塗る」の撮影中は『ここ数年で一番友達と喧嘩していた』
――これまでたくさん作品に出演していますが、西垣さんは自分で分析するところでは、現場でどんなポジションなんでしょうか?
どうなんでしょう。難しいな…。でも結構おっちょこちょいでやらかしてしまうことが多いので、突っ込まれ役的な立ち位置かもしれません。ムードを作れるわけではないのですが、ミスしちゃうことが多く、自然と突っ込まれているような(苦笑)。
――「顔に泥を塗る」(2024年、テレビ朝日系)ではモラハラ男を演じていましたが、プライベートで役に引っ張られてしまうことはありますか?
「顔に泥を塗る」の撮影のときは喧嘩をすることが多かったかもしれないです(笑)。ここ数年で一番友達と喧嘩していたような気がします。結構プライベートでも言葉が強くなっていたみたいです。ただ今回の役は、響子さんと不倫すること以外は、普通の男の子なので、いまは特に役に引っ張られてしまうことはないです。
でも役の癖とかは、普段から出ている方がスッと入れるので、例えば駅までの歩き方や行動パターンみたいなものは、普段の生活でもどこかにじみ出ているような気がします。その意味では、プライベートでも引っ張られているのかもしれません。
就職活動で東宝へエントリーシートを送ろうとしていた
――2021年に俳優デビュー後、作品が途切れることなく続いていますが、元々芸能界に入るきっかけは何だったのですか?
大学生の時に声をかけていただいたというのがこの世界に入ったきっかけでした。自分が表に出て何かをするような人間ではないと思っていたので、何か特別な大義名分があったわけではないんです。そのなかで、単純に(芸能の仕事って)格好いいなという思いがどこかにあったんだと思います。
――俳優という仕事は最初あまり意識にはなかったのですか?
そうですね。お仕事をさせていただくようになって、演じることの難しさや楽しさなど少しずつ感じていくなかで、いまはこの仕事で食べていけるようになりたいという気持ちが強くなっていきました。
――声をかけてもらわなければ、全然違うお仕事についていた可能性もあったわけですね。
はい。僕はいま東宝芸能という事務所に所属しているのですが、学生時代の就職活動で、東宝にエントリーシートを送ろうと思っていたんです。もともとエンタメ、特に映画が好きだったので、そういう関係に仕事にはつきたいと思っていました。
――どこかでつながっていたんですね。
不思議な縁だなと思いました。でもこの仕事をするようになって僕はゼロから何かを生み出すことがすごく苦手な人間だなということを実感したんです。なので、制作やプロデュースという仕事よりは、元からあるものにプラスアルファで色をつけたり、形にしていく俳優業の方が向いているのかなとは思っています。
――いまは「この仕事で食べていきたい」と強い気持ちがあると話されていましたが、そう思えるようなきっかけになった出会いや作品はありましたか?
お正月に(西垣が岩井由伸役で出演している)「ドラゴン桜」を放送していたんです。朝5時ぐらいまでやっていたのですが、ずっと観てしまいました(笑)。そのとき改めてあの現場ってすごく素敵だったなと実感しました。
(高橋)海人や(鈴鹿)央士、(細田)佳央太たち東大専科のメンバーたちはお芝居がすごく上手かったのですが、みんなハングリー精神があって「負けないぞ!」と、いい意味で切磋琢磨していた現場でした。それを阿部寛さんや長澤まさみさんが全部受け止めてくれて。自分のなかであの作品に関われたことはすごく大きな経験でしたし、お芝居をもっとやりたいと思えました。
――いま改めて観返して、撮影時とは違う感情が湧いてきましたか?
あのときはお芝居を初めたばかりの時期で、とにかくいっぱいいっぱいだったので、ほとんど覚えていないんです(笑)。でも今回見て、いろいろなところに気づきがありました。
人生のターニングポイントは「みなと商事コインランドリー」 草川拓弥は『兄貴みたいな存在』
――「ドラゴン桜」の翌年に放送された「みなと商事コインランドリー」も西垣さんにとっては大きな作品だったのでは?
そうですね。人生のターニングポイントとして挙げるなら「みなと商事コインランドリー」かもしれません。多くの方々に僕のことを知っていただけた作品でしたし、これまで元気な役が多かったなか、ちょっと趣の違う役だったのも印象に残っています。自分でも(演じた香月)慎太郎のような感じの役を演じてみたかったので、自分のやってみたいことと、観てくださる人の反応がかみ合った作品という意味では大切なドラマでした。
――反響も大きかったですか?
大きかったです。写真集やカレンダー発売イベントでファンの方とお会いするとき「『みなと商事』のセリフを言ってください」とリクエストしてくださる方もたくさんいるんです。それぐらい皆さんの心に残ってくださっていると思うとすごくうれしいです。
――共演した草川拓弥さんはいかがでしたか?
拓弥くんは兄貴みたいな存在ですね。彼も言葉数が多いタイプではないのですが、たまに連絡します。とてもいい関係です。
――大活躍が続きますが、プレッシャーみたいなものは感じますか?
僕はプレッシャーって基本的にあまり感じないタイプなんです。もちろん期待に応えたいなという気持ちはあるのですが、プレッシャーって作品作りにはマイナスな感情だと思っちゃうんです。とにかくいまの自分にできることを一生懸命やる。それで結果が出るか出ないかはそのあとのことなのかなと。
――どんな俳優になっていきたいですか?
映画、舞台、ドラマなどどんなジャンルでもしっかり活躍できる人が、ずっとこの業界で生きていける人だと思うので、全部で活躍できる人になりたいです。そのなかでも、せっかく東宝芸能に所属させていただいているので、映画でしっかりと活躍したいです。芸能界に入ったときから日本アカデミー賞の新人俳優賞を獲りたいと言っているので、そこは結果を出したいです。
あとは「顔に泥を塗る」でモラハラ男を演じましたが、すごく悪い奴や、めちゃくちゃ頭のいい役とかもやってみたいです。しっかりと感情の引き出しを増やしつつ、王道のエンタメ作品から、作家性の強い作品まで、幅広くチャレンジしていきたいです。
完璧だったことは一度もない「無知がバレてしまうのが怖いです(笑)」
――すでにカメレオン俳優と言われるほど、さまざまな役柄でいろいろな人間の感情を表現していますが、実際の西垣さんはどんな人ですか?
結構負けず嫌いなのですが、あまりそれが表に出ないタイプかな。熱い人間と思われるのがちょっと恥ずかしいという気持ちがあるんです。天邪鬼なのかな…。人に気づかれないように闘志を燃やすタイプです。
――周囲に知られていない意外な一面はありますか?
僕はSNS等で結構文章を書いたりしているのですが、割と本音で書いているので、あまり隠しているという自覚はないです。逆に僕にはどんなイメージを持っていますか?
――完璧でシュッとしている感じです。
そうだとするとズボラです。完璧だったことなんて一度もないです(笑)。
――でも初対面でマイナスなイメージを持たれないんじゃないですか?
確かに運動神経が良さそうとか、なんでもできそうと言われることはありますが、そういうハードルを飛び越えられたことないです(笑)。フェンシングはずっとやっていたので「自信があります」とは言えますが、それ以外のスポーツはからきしダメです。体の使い方がよくわからないスポーツが多いんですよ。
あとは、たまに「そんなこと知らないの?」と呆れられるぐらい無知なところもあります。誰もが知っているようなお店を知らなかったり…。そういうところがバレてしまうのが怖いですね(笑)。
――お仕事が非常に忙しいと思いますが、プライベートでのリフレッシュ方法は?
お仕事が続いているときは「ちょっと休みがあったらいいな」と思うこともあるのですが、いざ休みに入ると不安になっちゃうんです。お正月もゆっくりさせていただいたのですが、どこかで「大丈夫かな」って思っちゃう。その意味で、現時点でリフレッシュというよりは、仕事をしている方が、心は落ち着くかもしれません。しっかり家に帰って寝る時間さえあれば、それで十分です。
――オフの日にはどんなことをしているのですか?
いま続けているのが筋トレと英会話です。それもどこかでお仕事に活かせればという思いでやっているのですが、リフレッシュになっているかもしれません。筋トレは、最近スーツを着る役柄が増えてきているので、服を格好良く着たいという思いがあるんです。体型から出る説得力ってあるじゃないですか。英会話は、僕自身マーベルが好きなので、夢というか野望というか、いつかあの世界に入りたいという思いで勉強しています。
――英会話は結構本格的に?
マンツーマンで外国の方とお話ししているのですが、なかには海外で実際に女優さんや俳優さんとして活動している方もいるんです。海外の撮影事情などもお聞きできるので、すごく向上心が沸いてきます。いつか海外作品にも挑戦できたらいいですね。まずは海外俳優へのインタビューから頑張ります。
「西垣さんのことが本当に嫌いになりそうです」でテンションが上がる!
――今回の「推したい!フレッシュFACE」という企画はファンの方々からの熱い思いで実現しています。西垣さんにとって応援してくれるファンの存在というのは?
いつも温かい声援をいただきありがたいなと思います。なかでもすごくうれしいのが「西垣さんが出ているから、この作品を観てみます」という言葉です。作品ってすごくメッセージがいっぱい詰まっていて、誰かに届くことが一番作品にとって幸せなことじゃないですか。
僕がきっかけで、自分が出演している作品が広がってくれていると思うと、ものすごくうれしいんです。お手紙はもちろん、実際に声をかけていただいたり、SNSのコメントだったり…。本当にいつも元気をもらっています。
――最近かけてもらった言葉でテンションが上がった声援は?
「顔に泥を塗る」が放送されていたとき『西垣さんのことが本当に嫌いになりそうです』というコメントをいただいたんです。普段応援してくださっている方が、そこまで思うというのは、作品を通してしっかり伝わったんだなとうれしくなりました。
あとは先ほども話しましたが「西垣くんのおかげで素敵な作品に出会えました」と声をかけていただいたときは『俳優という仕事をやっていて良かったな』と実感できた瞬間でした。
――エゴサーチなどはするのですか?
昔は結構していたのですが、いまはもうしなくなってしまいました。でもドラマの感想などは、チェックしますね。お客さんが作品に対してどう思ってくださっているのかは大切ですし、自分のお芝居に対しても、観てくださった方の意見というのは、すごく重要だと思うので。でも「西垣匠」という名前で検索することは、ほとんどやらなくなりました。
――では「財閥復讐〜兄嫁になった元嫁へ〜」の感想も募集中ですね。
ぜひ、作品を観ていろいろな感想を聞かせていただけたらうれしいです!
◆取材・文/磯部正和
撮影/梁瀬玉実
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