<毎話がハイライト>韓国の国民的女優キム・ソナ主演、現役弁護士が脚本を書いたリアルすぎる法曹サスペンス「The Empire:法の帝国」
主演ドラマ「私の名前はキム・サムスン」(2005年)で韓国内外に大反響を巻き起こした人気女優キム・ソナ。以来、韓国では“キム・ソナ出演作にハズレなし!”とまで言われる彼女が主演するドロドロ法曹サスペンス「The Empire:法の帝国」が12月27日(金)より「女性チャンネル♪LaLa TV」にてテレビ初放送される。自立したチャーミングなヒロインがハマるソナの本格サスペンス、その見どころは? 放送を前に知っておきたいポイントをチェックしてみよう。
完璧なセレブ夫婦に亀裂が…「The Empire:法の帝国」あらすじ
「The Empire:法の帝国」は、超セレブな法曹一家を舞台に繰り広げられるスキャンダラスなサスペンス。欲望、偽善、裏切り、転落…と、韓国ドラマならではのスパイシーな要素が散りばめられた中毒性抜群のストーリーだ。
主人公ハン・ヘリュル(キム・ソナ)は、父親、母親、祖父ともに法曹界の大物である超セレブ一家の出身。自身もソウル中央地検の部長検事を務め、夫ナ・グヌ(アン・ジェウク)はロースクールの教授兼弁護士で次期大統領候補と言われるほど好感度も抜群…という完璧ぶり。おまけにグヌは家庭的でルックスも申し分なしと、誰もが羨む暮らしを送っていた。
だが、いわゆる勝ち組であるヘリュルを排除しようとする動きも…。ある人物の登場で家庭に亀裂が入り始め、絵に描いたように完璧だった彼女の生活は内側から少しずつ崩れていく。度重なるショッキングな出来事に、ヘリュルは持ち前の頭脳と勇気を振り絞り、気丈に立ち向かう。
キム・ソナ演じる賢くしなやかなヒロインの圧倒的魅力
本作の魅力は、主演のソナを外しては語れない。韓国で最高視聴率50.5%というメガヒットを飛ばした「私の名前はキム・サムスン」で明るく前向きなドジっ子ヒロイン、キム・サムスンを演じたソナ。この作品は韓国で“サムスン・シンドローム”と言われる社会現象を巻き起こし、日本でも大ヒットした。チャーミングでファニーなサムスンの魅力にハマったファンも多いのでは?
国民的女優ソナが「The Empire:法の帝国」で演じるのは、法曹界の超エリート・ヘリュル。 日々頭の痛くなるような案件が押し寄せる中、部長検事として、優秀な頭脳と並外れた度胸で重圧をはねのけていく――そんなヘリュルのキャラクターが、痺れるほどにカッコいい。象徴的なのが、ヘリュルが検察庁舎に入っていく時にエントランス前で記者たちに囲まれる“ぶら下がり取材”のシーンだ。
庁舎前で車を降りるやいなや、100人はいようかという取材陣に取り囲まれ圧迫的な質問を浴びせられても、臆することなくにっこり微笑み「答えを引き出す能力が必要ですね。相手を追い詰めてはいけません。攻撃な質問は逆効果です」と記者をさらりとけん制。ブランド物の服が庶民に寄り添っていないと指摘されると、むしろ階段上でモデルのようにポーズを決めて見せ、余裕の笑みで記者たちを黙らせる。どんな強敵も難問もしなやかに受け止め、賢く打ち返す。本作は、そんな魅力的で完璧なヘリュルが、超セレブ一家出身のヒロインにふさわしい超ハードモードな人生に傷つきながらも立ち向かっていく物語だ。
親交20年で初共演! キム・ソナ&アン・ジェウクの絶妙ケミ
完璧なヒロイン・ヘリュルに最も強力なダメージを与えるのは、彼女に誰よりも近い人物、夫であるグヌ。世間から絶えず注目され、誰もが羨む暮らしを送っていたヘリュルの毎日は、夫の裏切りにより一変する。もとより一歩間違えば妬みの対象ともなる超セレブなヘリュルだけに、グヌの欲望に任せた愚行に足を引っ張られ、徐々にピンチに陥っていく。
好感度抜群の人気教授からクズ夫へと転落していくグヌを演じるのは、ベテラン俳優アン・ジェウク。イ・スンギ&イ・ヒジュン共演のクライム・サスペンス「マウス~ある殺人者の系譜~」(2021年)で狂気の連続殺人鬼を演じ、強烈な印象を残したジェウクが、品のあるルックスを最大限に活かしてセレブ夫を好演している。
ソナとは20年以上の親交がありながらも今回が初共演だというジェウク。会見ではソナについて「これまで感じたことがなかった彼女の新しい面を感じることができた」と語っていた。誰もが羨むセレブカップルから嘘とまやかしの仮面夫婦へ――実力派俳優2人が作り出す関係性のドラマチックな変化からも目が離せない。
脚本を書いたのは現役弁護士たち! 美術&小道具にも注目
韓国ドラマならではのドロドロ要素もたっぷり含んだ本作、脚本を担当したのは専業脚本家ではなく、現役の弁護士たちだ。脚本完成後に加わったというユ・ヒョンギ監督も、会見で「最初は『法曹界で働く人だけが知っているようなストーリーをどうやって書いたんだろう』と思ったが、弁護士の方々が数年間かけて努力した結果だと知った」と語っている。
その言葉通り、一つ一つの出来事のディテールが実にリアル。前述の“ぶら下がり取材”はもちろん、のちのちストーリーに深く食い込んでくる変死事件の遺体収容シーンで通行人たちがスマホを向ける場面など、ありそうでない“リアルな現場”の描写がストーリーに説得力を与えている。セレブ一族の物語だけに、劇中、邸宅のダイニングの壁にかかる絵画や食卓に並ぶメニューなど、小道具や美術にも工夫が凝らされ、没入感を高めている。
「私の名前はキム・サムスン」は放送から19年経った今も韓国で愛され、2024年9月に4K版の配信をスタートしたばかりでその魅力は新世代に引き継がれ、色あせることなく輝き続けている。「The Empire:法の帝国」は、そんな国民的ヒロイン“キム・サムスン”を作り上げたキム・ソナの強くしなやかなヒロイン力に引っ張られ、見始めたら止まらない没入感あふれるサスペンスだ。
◆文=酒寄美智子
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