「放課後カルテ」最終話より

松下洸平は「周りをすごく大事にしてくださる方」ドラマPが撮影裏話、感涙したシーンを明かす…続編希望の声も<放課後カルテ>

2024.12.21 07:00
「放課後カルテ」最終話より

松下洸平がぶっきらぼうな保健室の先生を演じ、「これまでにない松下洸平」と話題を集めているドラマ「放課後カルテ」(毎週土曜夜9:00-9:54、日本テレビ系/※Hulu・TVerでも配信)。12月21日(土)に放送される最終話の放送前に、WEBザテレビジョンでは本作のプロデューサー・岩崎秀紀氏にインタビューを敢行。子どもたちがたくさんいる現場の雰囲気や最終話の見どころについて語ってもらった。

主演・松下洸平の魅力「周りをすごく大事にしてくださる方」

――残すは最終話の放送のみとなっていますが、これまでの視聴者からの反響はいかがですか?

やはり松下洸平さんへの反響が大きいです。原作を読んでいる方からは、原作の牧野先生が持つ厳しさ、怖さ、無愛想さ、そして、その奥にある優しさ、かわいらしさをすごく表現されていると、好評をいただいております。

逆に、原作を読んでいない方からは、「こういう松下さんが見たかった」「ビジュアル的にすごく好み」といった声もいただいていて、これまでの松下さんのイメージと違うということで、新鮮に受け止めていただいているようです。

――松下さんとご一緒されて、改めて感じた俳優としての魅力を教えてください。

周りをすごく大事にしてくださる方だというのは、日々感じています。子どもたちがお芝居で150%出せるようにリラックスさせてくださったり、スタッフとのコミュニケーションも大切にしてくださっています。ご自身のお芝居も1シーン1シーン大切にやってくださり、微妙な表情のニュアンスを出して、細かくお芝居で表現して下さるのはもちろんですが、子どもたちに「こんな感じでセリフを言ってみたらどうかな?」「こんな動作はどうかな?」とさりげなくアドバイスしてくださっていて、とてもいい現場作りをして下さっています。

――牧野先生は子どもを子どもと思わず、一個人として向き合っている印象があります。松下さん自身も子どもたちと同じように向き合われているんですね。

そうですね。一俳優として対等に接してらっしゃると思います。一方、撮影以外の部分では、松下さん自身がもともと子ども好きらしく、みんなと一緒に遊んでくれたり、子どもたちの目線に合わせて会話をしてくださったりしています。

――松下さんから大量の駄菓子の差し入れがあったとか。

そうなんです。小さな駄菓子屋一軒分と言ってもいいくらいの量を差し入れしてくださって、それを見た子どもたちは狂喜乱舞して(笑)、あっという間になくなっていました。きっと子どもたちが楽しく現場に参加できるようにと、考えてくださったんだと思います。

「これまで築いた関係性が見える」最終話の牧野&篠谷に注目

――篠谷先生役の森川葵さんは本格的に担任を持つ先生役は初めてだったそうですね。

第6話で篠谷先生を中心としたエピソードを描きましたが、うまくいかないと感じている先生を演じるのはすごく難しいことだったと思います。第1話から第5話までは演じていてフラストレーションがたまる部分もあったのではと思いますが、1シーンごとに細かくお芝居を積み上げてくださったので、それが第6話の「児童のことが分からない」という篠谷先生の涙につながったと思っています。

――森川さんは撮影前のインタビューで「撮影以外のところでも先生と呼ばれるようになりたい」とお話させていましたが、実際のところはどうですか?

先生と呼ばれていますね(笑)。撮影の休憩中になると、子どもたちが篠谷先生のところに集まっているのをよく見ますし、本当のクラスのようなとてもいい雰囲気があります。教室シーンの撮影の日は、「はい、やるよー」と、森川さんが担任の先生のように子どもたちを導いてくださっていますね。

――牧野先生と篠谷先生は、最初はぶつかることもありましたが、どんどん信頼関係が生まれていっていますね。

篠谷先生はガンガン言っているのに、牧野先生は意に介さずといった感じで、暖簾に腕押し状態でしたよね(笑)。二人の関係性の変化もドラマの見どころだと思っていますし、松下さん、森川さんのお芝居によって、ただのセリフのやりとりだけではない絶妙な間合いが生まれていると感じています。最終回の2人のシーンも、これまで築いた関係性が見える、ものすごくエモいものになっていると思います。

児童役キャストはオーディションで決定

――児童役の子どもたちはオーディションで選ばれたそうですが、決め手となったポイントはありますか?

このドラマでは、子どもたちが抱える悩みを日常のものとして描きたかったので、自分の言葉でセリフを言えるかどうかをポイントとして選ばせていただきました。というのも、お芝居をしている感じが見えてしまうと、どこか非日常の遠いものを見ているように感じられてしまうと思ったので。出演している子どもたちはすごくナチュラルなお芝居をしてくれていると思います。

――毎回子どもたちの自然な演技に驚かされます。

ありがとうございます。例えば、第7話で考える前に言いたいことをなんでも言ってしまうれいかという女の子が登場しましたが、視聴者の中には「なんなの、この子」と思った方もいたと思うんですね。でも、それは彼女の芝居が自然だからそうさせていて、このドラマのリアリティーはひとりひとりの子どもたちが支えてくれていると思っています。

――撮影を通して、子どもたちの成長を感じる部分もありますか?

大いにあります。今日もリハーサルで子どもたちと会ってきましたが、最初に彼らと会ったときとはまるで違う表情になっています。彼らの中にいいドラマを作る俳優としての意識が芽生えたからなのか、どんどん頼もしくなってきていて、それはこちらとしてもうれしいですね。

プロデューサーが何度も泣いてしまったシーン

――選ぶのは難しいかもしれませんが、これまで放送された第1話から第9話で、岩崎プロデューサーが感動したシーンや、心を打たれた回があれば教えてください。

選ぶのは難しいですが、僕個人としては第6話ですね。同じ働く大人として、仕事がうまくいかないで悩んでいる篠谷先生のつらさに共感できたし、すごく感情移入して何度も泣いてしまいました。

一番好きなシーンでは、第5話で牧野先生が病院を追われるきっかけとなったところです。小児科医局長の高崎先生から「寄り添うということがどういうことかわからない以上は、ここにはいられない」と言われた牧野先生が不器用ながらも自分なりの信念を語るシーンがあるのですが、松下さんのお芝居がすごく良くて感動しました。その過去を背負って、自傷行為を抱える少女のもとへ走っていくのも、その父親へ涙をこらえて訴えかけるのも、すごく好きです。

あと、TVerで配信されているオリジナルエピソードの第7.5話で、子どもたちが泣きながら合唱をするシーンがあるんですね。僕自身、中学生のときに指揮者をやったことがあるのですが、まとまらなかったクラスが歌ってくれるようになって涙を流しながら指揮をした経験があったので、自分の思い出とリンクして何度見ても泣いてしまいます。すみません、やっぱり1つには選べませんでした(笑)。

――この作品を通して視聴者に伝えたかったことを教えてください。

まず「気づくことの大切さ」というのがあります。それは家族や友だちはもちろんですが、まったく関係のない人の苦しみや悩み、気持ちに気づいてあげられることは、すごく大事だということ。「一人に慣れる社会を作ってはいけない」ということと同時に、悲しいことやつらいことがあったときに誰かを頼れる社会であってほしいという願いを込めました。これは原作者である日生マユ先生のメッセージであり、僕たちもドラマでそれを伝えたいと思っています。

――最終話に向けての注目ポイントを教えてください。

最終話は、原作では描かれていないエピソードを作らせていただきました。牧野先生が過去にうまくいかなかった元患者の真琴くんの新たな病気とどう向き合っていくのか。ここまで小学校の児童たちと接してきた牧野先生の成長が見られると思います。なので、原作では描かれなかったその先の部分を楽しんでいただけるとうれしいですね。

――気が早い話ではありますが、続編の可能性は?

それは分からないです。でも、(取材日時点では)撮影がもうすぐ終わってしまうので、子どもたちから「あと3クールくらいやりましょう」と言われました(笑)。子どもたちはこのドラマでいろんなことを吸収し、成長してくれたと思います。なので、僕自身も終わりたくないというか、名残り惜しい気持ちがありますが、まずは最終話を楽しんでいただければと思います。

◆取材・文=馬場英美

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