納言・薄幸 撮影/松山勇樹

納言・薄幸、人生で初めて酒以外にできた趣味「プロレス漬けの日々、試合では号泣」

2024.12.15 06:03
提供:ENTAME next

“やさぐれ”キャラと歯に衣着せぬ物言いが痛快な、お笑いコンビ・納言の薄幸(すすき・みゆき)。「酒とタバコが趣味」と言い切る彼女に、最近大きな趣味がプラスされたという。それは「プロレス」だ。今まで何事にも興味を示してこなかったところ、プロレスと出会い「人生が明るくなった」とすら語る。いかにしてプロレスの沼にハマリ、プロレスにより人生を豊かにしているか?その経緯をたどる(前後編の前編)。

──幸さんのXを拝見すると、今年4月から全日本プロレスを筆頭にプロレスに関する投稿が激増しましたよね。

そうなんですよ。頻繁に会場に行っていますし、『全日TV』でも見ていますからね。仕事の都合もあるので現地で見られるのは一月に三大会が限度なんですけど、ネットさえあれば地方でも見られるので、本当にプロレス漬けの日々。夜、酒を飲みながら試合を見る時間が今一番の幸せですね。

──仕事以外の時間は、ほぼプロレスが締めていると言ってもいいと。

過言ではないぐらい、見ていますね(笑)。私、これまで趣味と呼べたものは、酒とタバコ、たまに競輪ぐらいで。ただ競輪に関してはたまにやるぐらいですし、元々はABEMAの競輪番組に出るから勉強がてら始めたので仕事色が強いんですよ。30年生きてきて、やっと趣味とよべる趣味ができました。

──方々で語られていますが、あらためてプロレスにのめり込むきっかけをうかがっていいですか?

3年ほど前に、DASH・チサコ選手(センダイガールズプロレスリング所属)から、DMで「ファンなので、一度試合を見に来てください」と招待いただき、仙女の試合を見に行ったんです。それ以前に井上尚弥選手の試合を誘われて見に行くことはあったのですが、「うわあ!痛そうだな」という感想で止まっちゃうぐらい、技術や戦い方も含めて、格闘技には疎いし遠かったんです。実際、仙女の試合も確かに楽しいなと思いつつ、1人で見に行ったからか、ちょっと見方がわかんないなあ……と思って。その後も何度か仙女の試合を見には行くものの、どっぷりハマることはなかったんです。

──そこからどう逆転してハマっていくのでしょう?

今年4月、トム・ブラウンの布川さんと一緒に、仙女の試合を見に行くことになったんです。布川さんは昔からプロレスを見ているからか、「あの技はこう」、「今の受け身がすごい」という、一つひとつ技術を丁寧に教えてくださって。正直見始めの頃は、「痛そう~!やべえ~!」ぐらいしか感想が湧かなかったんです。それが、布川さんのおかげで、「あの一瞬にこんな技術が込められているんだ」と知れて、どれだけスゴイことをやっているのかの理解度が上がって。一気にゴン!と楽しくなったんです。

──布川さんの解説もありつつ、他に大きく刺さった部分は?

その日の大会に、黒潮TOKYOジャパン選手が出場されていたんです。仙女の試合で男子が出るの?が最初の驚き。しかもこの黒潮選手の入場が本当に、メッチャ面白くて、リアルに「アッハッハ!」と声を上げて笑っちゃったんですよ(笑)。

──やはり! 簡単に説明すると、黒潮選手は福山雅治『HELLO』をバックに入場するのですが、ありとあらゆる手段を使って全然リングインせず。結果、フルコーラス丸々使ってリングに立つというのがお決まり。

ボクシングや他の格闘技、なんならスポーツで、こうした“おもしろ入場”要素ってあり得ないと思うんです。真剣に戦う前に、こんなに面白い時間が流れていいんですか⁉格闘技を見に来て爆笑するって何事⁉って、全部が衝撃的で。だって、あの入場は(レイザーラモン)RGさんですよ、「○○あるある、早く言いたい」って全然言わないのと一緒。

──そのたとえ、シックリきます(笑)。

しかも、その日の試合は、「チーム200キロ」という女子のチームと、黒潮選手と立花(誠吾)選手のチームが対戦する、女子対男子の試合で。それにも度肝抜かれたんです。しかも女子の二人が男性選手に見劣りしないほど大きくて強い。結果、試合も引き分け。この色々な要素の詰まり方にプロレスって、深いなあ……と感じて、黒潮選手を追いかけ始めて。主に出ている全日本プロレスを軸に、色々な団体を見に行くようになるんです。

──今一番応援している選手はいらっしゃいますか? やはり黒潮選手?それとも本日着ていらっしゃるTシャツにプリントされた斉藤ブラザーズ?

みなさん大好きで優劣はないんですが、今は斉藤ブラザーズを特に応援していますね。『OH!バンデス』(ミヤギテレビ)の「TAXIめし リターンズ」を見て、「なんと良い人たちなんだ……カワイイ!」ってなっちゃって(笑)。あと戦い方も良いなあって。試合にかんしては、個人的にジュニア選手のスピーディーな展開メッチャ好きなんです。デカイ選手って単なる印象ですが、力強い分ユッタリしたイメージがあって。けど、斉藤ブラザーズはお二人ともスピーディーで、まるで暴れまわるトラックみたい。そこに惹かれちゃいますね。

──ルックスや人柄はもちろん、戦い方に惹かれるのが良いですね。

やっぱレスラーですから。他にもサイラス選手、あの見た目で身軽なのが最高。ハートリー・ジャクソン選手も分厚いし、綾部蓮選手はとにかくデカイ。私、男性のタイプは、小柄な人が好きなのですがプロレスとなると別。場外乱闘で隣を通ったとき、「うわあ、デッカ!本当に本当に同じ人間?」って、ずっとビビッてました(笑)。

──全日のサイズは業界トップですからね、最前列は確かに怖い。今、気になる選手はいます?

最近デビューした、長尾一大心選手。本当に良いですよねえ。生でまだ見ていないのですが、『全日TV』でデビュー戦を見て、「頑張って!」って思わず泣いちゃいました(笑)。私、これまで人を応援して涙するという経験が、スポーツでも他のものでも一切なかったんですよ。それがプロレスって、マイクパフォーマンスで人柄が見えてくるんですよ。そこで感情移入しちゃって、感動的な瞬間があるとメッチャ泣いちゃうようになりました。カズ・ハヤシ選手の引退試合とかも号泣でしたから。

──見始めて、個人的に印象深い試合ってありますか?

11月の青柳優馬選手とデイビーボーイ・スミスJr.選手の三冠王者戦、あれは本当に良かった。「もう決まった!」と思う瞬間が五、六回あって。まだ続く⁉まだ終わらない‼ってドキドキしっぱなしで。最後はスミス選手が勝つんですが、スミス選手って初めて三冠王者を戴冠したんですよね?もう、終わった瞬間泣いちゃいました。なんというか……高校野球児を見てるような感覚でしたね、「スミス選手おめでとう!青柳選手、悔しいよな‼」って。しかも、スミス選手が、最後のマイクパフォーマンスで「アイ・ラブ・ゼンニッポン!」って叫んだ瞬間、それでまた涙。いやあ、あの試合は最初から最後まで全部良かった。

──すごく純粋な気持ちで楽しんでいらっしゃいますね。

本当に何も詳しくないからこそ、全部が新鮮に映るんですよね。

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