『ルナリアンJKと夏+秋』より

【漫画】月からの留学生が、地球で“惑星”ギャップに衝撃を受ける話「ムーンチャイルドの未来」「異文化交流ならぬ異星民交流」の声

2024.12.03 07:30
『ルナリアンJKと夏+秋』より

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、X(旧Twitter)やpixivにて連載されている『ルナリアンJKと夏+秋』を紹介する。作者の帝政ミサギさんが、9月14日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、帝政ミサギさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

月からの留学生が衝撃を受けた地球での新生活

「私の住んでいた月都市は地下の溶岩洞にあって、物資は限られてるので自治体によって物資管理がされていました」と月での生活について語るのは、月からの留学生である羽衣カグヤ。

食べることのできる食事の量も種類も限定されていた月の食事とは違い、ビュッフェ形式で振る舞われる学食に衝撃を受けるカグヤ。「そんな事して食料不足にならないんだ」「地球人って贅沢なんですね…」とつぶやいていた。

限定された種類の中から選ぶのではなく、すべて自分でメニューを選べることに驚を隠せないカグヤ。デザートばかりを食べている飛龍アヤメを見ながら、栄養管理も自分で行わないといけないことにも衝撃を受けていた。

そんなカグヤに「常に誘惑と戦わなければいけないんだよー?」「カグヤちゃんもすぐ抗えなくなるよ!!」と笑顔を見せるアヤメ。

放課後になるとカグヤは、アヤメと荒瀬イブキから「そういえば月の食べ物っておいしいの?」と聞かれた。月の食事は味が濃いめで栄養価が高いようで、地球の食べ物が薄味に感じているというカグヤ。

月と地球の食生活の話をしていると、カグヤに水滴が落ちてきて…。

この漫画を読んだ人たちからは、「ムーンチャイルドの未来」「異文化交流ならぬ異星民交流」「ホームシックすら吹き飛ばすポテチ」など、多くのコメントが寄せられている。

大切にしているのは“理想と現実のバランス”

――『ルナリアンJKと夏+秋』第2話を創作したきっかけや理由があればお教えください。

きっかけは、漫画を描く練習でした。私は、約1年半前まで漫画を描いたことはもちろん、読んだこともほぼありませんでした。メカばかり描いていたためか、ストーリー作りやキャラを動かす事にも非常に苦手意識がありました。しかし、「創作をやる上でそれらを避けるのは難しく、表現媒体として漫画が描けることに越した事はない」と考えて、とりあえず描き始める事にしました。そうしてできた試作漫画の4作目が前作である「ルナリアンJKと夏」で、好評だったため続編を書いたのが本作になります。

――雷や稲光を見たカグヤが「隕石ですか!?」と驚く姿が印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

この漫画の主題である「地球と月の生活の違い」を分かりやすく描くため、日常風景を舞台にし、地球人にとっての当たり前が月育ちにとって当たり前ではない、という描き方を基本としています。そしてその「違い」の描写に、「実際にこうなるかもしれない」というリアリティを持たせながら、「こうなったらいいな」という要素を加えて面白く描く事を目指しました。私は、理想と現実のバランスが大事だと思っています。100%理想では身近に感じられず、100%現実では非常につまらなくなります。本作に限らず、ここの調整に特にこだわっております。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

前作にもあるのですが、「本当に人類ってこんな星で生まれたの?」というセリフですね。普通に考えて月は生物が住める環境ではありません。しかし月面都市内は人間が住みやすい環境に常に調整されており、温度差も天候も虫も無く、むしろ地球上より快適かもしれません。本来不毛の星である月の人間が、地球の環境の方が厳しいと感じる可笑しさが気に入っています。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

「こういう世界/ものが見たい」という理想から始まる連想によってネタが生み出されています。この作品であれば、「月に都市が作られ、月出身の人が現れるような未来世界が見たい」という理想から「月育ちの人は、地球の生活をどう思うのか」など、連想をしていき、世界観などを構築していきます。分かりやすく言えば妄想ですね。

――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

正直に申し上げますと、程々の適当さで作画コストを抑えつつ、読者に伝わる程度の作画を目指しています。漫画は12ページ程度ですら要求される作画量が物凄く、漫画初心者の私の心を折るのには十分でした。特に私は細部に執着してしまう癖があり、そうなると永遠に終わらないのです。ある程度の妥協が必要でした。漫画はストーリーが主体なので、初心者のうちはストーリーさえ伝わればそれで十分かと思い、コストカットに注力しています。

――今後の展望や目標をお教えください。

ひとまず漫画の描き方を確立し、自分から「描きたい」と思える段階を目指したいです。今はまだまだ勝手が分かっておらず、正直なところ、現状漫画は「描きたい」どころか苦痛です。漫画は義務で描く物ではないという話も聞きましたが、何事も初速を与えなければ始まりません。まずは実戦経験を積むことを自分に課します。世界観などのネタは有り余っているので、一度描く事への抵抗さえ無くなればこっちのものです。そして将来的にはコミティアのような場所で出展してみたいと考えています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

今後もバリバリ活動を拡大し、新しい事に挑戦していこうと考えています。これからもよろしくお願いいたします。

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