「わたしの宝物」より

<わたしの宝物>三竿玲子Pが、松本若菜&田中圭&深澤辰哉のキャスティング秘話を語る「この人だったら応援できるというキャラクターを見つけて」

2024.10.19 06:00
「わたしの宝物」より

松本若菜が主演を務めるドラマ「わたしの宝物」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)。本作は、夫以外の男性との子供を、夫との子と偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」を題材に、大切な宝物を守るために悪女になることを決意した1人の女性とその夫、そして彼女が愛した彼、3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描く、ひりつく大人の恋愛ドラマ。このたび、WEBザテレビジョンでは、プロデューサーを務める三竿玲子氏にインタビューを実施。キャスティングについてや、今後の見どころ、“托卵”というテーマを題材にした理由などを語ってもらった。

“托卵”というテーマは「昼顔」の頃から考えていた

――第1話の放送も終わり、反響もかなり寄せられているかと思います。ここまで撮影を進めてきてここまで来ての手応えはいかがでしょうか。

このドラマの構想というか、“托卵”というワードを知ったのが「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(2014年、フジテレビ系) の地上波オンエアの時でした。最後の話を考えてた時に、 いろいろ書面やサイトとか見て出会った言葉で、ショッキングなお話だったので企画として落とし込めるのかなというのは、ずっと悩み続けていました。

今回企画として立ち上げる時に、1話のラストのシーンと、宏樹(田中圭)がモラハラ気味であるということ、冬月(深澤辰哉)が異国の地で事故に遭ってしまって、というところを思いついて、やむを得ずそこに足を踏み入れた女性っていう構図にしようと考えが浮かび、企画にできるかもとスタートしました。

その企画に、一生懸命乗ってくださったキャストの皆さんや、スタッフの皆さんが一丸となって、本当に現場の雰囲気もよく同じ方向を向いて作ってくださって、編集が終わった時に「大丈夫、多分ちゃんと皆さんに届くな」という気持ちになりました。

――今回は、「昼顔」と「あなして」に続く3部作となります。賛否両論あるテーマでもあるかと思うのですが、そのテーマを題材にしている理由などはありますか?

なんででしょう…(笑)。自分がそのジャンルがめちゃくちゃ好きかって言われるとわからないのですが、「昼顔」をやった時は、たまたまワイドショーを見ていたら昼顔妻というのがありまして。その話をぽろっとしたのが、「面白いじゃんそれ」となり、 お話を作ることになったんですが、制作の現場で自分自身もすごく勉強になって、こういうお話はドロドロしてるんだけれども、ある種純愛にも見えてしまうという作り方とか、そういうのがすごく面白いなと思いました。

本当はいけないことだけど、疑似体験として、皆さんがちょっと覗き見したいとか、そういう気持ちで、私もちょっとうっとりしちゃう、みたいなお話っていうのが面白いなって自分が思ったのも大きくありました。

あとはこういうお話を考えるのが楽しいのかもしれないです。本打ちをしていても、生き生きしてるみたいで(笑)。悪い顔してるってよく言われます(笑)。

――現場の雰囲気はいかがですか?

若菜さんと田中さんのシーンはつらいお芝居だったりするので、カットがかかると励まし合っていたりとか、そのシーンに入る前は戦いに行く戦友みたいになっている感じがします。

でも深澤くんと若菜さんのお芝居になると、若菜さんがもうガラッと雰囲気が変わるし、やっぱりその苦しいお芝居と、癒される冬月という存在っていうところで言うと、現場の雰囲気も変わります。

田中さんも若菜さんも、切り替えられるタイプの方の方なので、重苦しい現場にはならないんですけど、やっぱり緊張感はあって。 深澤くんとのお芝居の時は、なんかずっとなんか笑ってる感じで、会見の2人の感じが、続いています。

松本若菜は「なんでも一生懸命やってくれる」

――主演の松本さんへのオファーの理由や、実際にこれまで演じてこられているのを現場で見たりしている中での印象などを教えてください。

松本さんは「やんごとなき一族」(2022年、フジテレビ系)の時に少しご一緒していて、すごい多彩な方というか、役を理解して演じる力と、体いっぱいで全力で乗せてきてくださる方だなと思って。それは彼女の性格や人柄でもあるんですけど、なんでも一生懸命やってくれている感じが素晴らしい方だなって思っていました。

いろんな振り幅の作品を見させていただいていて、彼女の明るいお芝居も大好きなんですけど、今回のこの役は、やってはいけない一線を超える人だからこそ、 見てる方がただのモンスターみたいに感じるお話にしたくなくて、もしかして自分にそういうことが起こりうるかもという、私事みたいに思うお話にしたかったんです。松本さんはその力を持っていますし、一緒に悩みながら作ってくださるんじゃないかと。

美羽という役は挑戦的で、もしかしたらいろいろな批判を受ける可能性もある中「もう嫌われてもいいっていう覚悟も持ってます」とこの間おっしゃってくださったんです。

――田中さんの1話のモラハラ夫っぷりは見ていて圧巻でした。

田中圭さんはすごく昔からよく知っていて、仕事もしていて、演技が素晴らしいというのは知っていたので、宏樹という役をお願いしました。1話を見ると宏樹はすごい嫌なやつで。でも嫌なやつなだけじゃない、みたいなところを、ちゃんと含みを持たせて演じられるのは田中さんだなと。

3話の台本を渡した時に、 ご本人がそれで1話の自分の役を調整してくるっていうお話をされていたんです。それを聞いた時に、本当に田中さんすごいなと思って、 お願いしてよかったなって。ご自身で逆算して考えて、即座にお芝居を変えることができる方です。

深澤辰哉は「常にピンチを救ってくれる人というイメージ」

――冬月稜役を演じる深澤辰哉さんは、オファーをいただいた時に驚いたというお話をされていました。

深澤くんのお芝居を「春になったら」(2024年、フジテレビ系)などで見させていただいていて、 すごくいい距離感というか、自分の役の立ち位置みたいなものを掴むのが上手な方だなと思っていました。出過ぎず、 引きすぎずというのを感覚としてわかる方なんだろうなと。

バラエティー番組や、Snow Manさんの活動を見させていただいた時に、にじみ出る優しさを感じて、 明るい方なんだけど、そこに気遣いと優しさがすごくある。優しさを出そうとしてるわけじゃないけど出ちゃって、常にピンチを救ってくれる人というイメージだったので、冬月のイメージと合うなっていうのが1番大きくてオファーをしました。

最初はオファーを引き受けるかすごい悩んだとおっしゃってたんですけど、今は受けてよかったって言ってくださって、一生懸命向き合ってくださっています。

――深澤さんは大人の色気を出すのが難しいというようなお話をされていました。

それはいつもふざけて言っていますが(笑)。「大人の色気ってどうやって出すんですかね?」と(笑)。元々あると思います。明るくて優しいだけじゃなくて、やっぱりすごく真面目な部分もあるので、若菜さんと向き合ってお芝居をしていると自然に優しさの中に色気も出てきています。

――深澤さんはお二人のことをお兄さんとお姉さんみたいと、コメントを残されていました。

深澤くんは最初「大人のお話に自分が深く関わるみたいなことがなかったから」と言って緊張もしていたし、「どういう風に演じたらいいんだろう」みたいなことを心配してる部分もいっぱいあったんですけど、松本さんと田中さんという、素晴らしいお二人に引っ張られていますね。

田中さんは深澤くんをいじったりもしていて(笑)。どんとこいという感じで励ましてくれる若菜さんと、愛あるいじりをする田中さんが、深澤くんをリラックスさせてあげられているように、私には見えています。

回が進んでいくごとに驚きが詰まっているドラマ

――「わたしの宝物」は、3部作の最終作という風に伺いました。

完結って言って、 ちょっと次はキラキラのピュアなラブストーリーをやりたいなっていう風に思って(笑)。一応完結って言っています。ただ、世の中にはリターンズとかもありますから。そこはちょっとまだわからないです。

――最後に、視聴者に向けてひと言お願いいたします。

1話を見て、「なんでこんなにひどいんだよ」と思った宏樹も、2話を見ていただくと、見方も変わるというか、 見え方も全然違うと思います。1話ごとに全然違うドラマみたいになってるところもあるのですが、回が進んでいくごとにいろんなことがわかったり、驚きが詰まっています。5話の台本を渡した際には役者さんが全員驚いていました。

見ていて飽きないような展開を作ってはいるつもりなので、その辺も楽しみにしながら、誰に感情移入するっていうか、この人だったら応援できるというキャラクターを見つけて、ぜひ見続けていただきたいなと思っております。

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