【漫画】相手は頑固なベテラン作家…劇画タッチで描かれる“最強の編集長”に「頼もしすぎる」「強気な姿勢が大切って学んだ」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回取り上げるのは、漫画家のジェントルメン中村さんが手がけた『締め切り前の作家に差し入れを持って行く話』だ。
同作は文芸情報誌「IN★POCKET」(講談社)で連載されていた、文芸編集業界の真実を描く『ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ』の一部を切り取った作品。中村さんが自身のX(旧Twitter)に投稿したところ、多くの注目を集めたようで2.3万もの「いいね」と約100件の反響が寄せられている。
そこで作者である中村さんに、同作を描いたきっかけや、こだわりについて話を伺った。
食へのこだわりが強い頑固なベテラン作家をねじ伏せる最強編集長
ある日、「アウト・ポケット」誌の新人編集者である「白柳紀乃子」は、本誌で初の自伝小説を連載する大人気ベテラン作家「大端鮭太郎」の邸宅に訪れていた。
編集部では作家宅に来訪する際、差し入れを持参するのが習わしで、白柳は水ようかんを大端に渡すと、「夏至前に水ようかんだとォ…」「この大端 猛暑日に非ずんば涼菓は摂らぬ!!」と文句を言われてしまう。大端は、食へのこだわりが強いタイプの作家だったのだ。
そして、肝心の原稿は“全くの白紙”の状態であり、挙句の果てには「連載は無かった事にしてくれんかね」と勝手な言い分を白柳に突きつける。たまらず退散した白柳は編集長の才堂厚子に相談すると、「明日夜 先生にアポとっておいてくれ」「私が差し入れに行く」と才堂自らが出向くことを決意。
しかし、白柳は弱気にも「また文句言われて終わりじゃ」と問いかけると、才堂は「差し入れってのは小説家のやる気(ギア)を上げる為の燃料(ガソリン)!!」「気に入られる為の貢ぎ物では無い!!」と彼女のアドバイスを送るのだった…。
才堂の大胆な行動の数々に、読者からは「何事にも強さや強気な姿勢が大事なことを学んだ」「頼もしい存在ってまさにこういう人のことを言う」「ラストが意外すぎて笑った」などの反響があがっていた。
ヒップホップ音楽が漫画に活かされてる?
――そもそも『ようこそ! アマゾネス☆ポケット編集部へ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
最初の掲載誌であるIN☆POCKET編集部から「いつものジェントルメン中村のゴリッとした画風で女性編集者マンガを描いて欲しい」との依頼を受けたのがきっかけです。女性が主人公のマンガを描いたことがなかったので、刺激的な気持ちで連載を始めました。
――『締め切り前の作家に差し入れを持って行く話』を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
作家への差し入れという細かいネタをなるべくダイナミックに勢いよく描こうとしました!
――『締め切り前の作家に差し入れを持って行く話』の中で、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
やはり才堂編集長が「差し入れってのは小説家のやる気(ギア)を上げるための燃料(ガソリン)」と語るコマです。セリフ、ルビ芸、キャラ絵、構図が上手く噛み合ったコマだと思います。
――中村さんの作画は劇画タッチという特徴があると思うのですが、こういったスタイルはどのような経緯で身についていったのでしょうか。
勢いと迫力を追求し続けた結果、こうなりました!
――個人的な質問で恐縮ですが、ペンネームの「ジェントルメン中村」はDJマスターキーさんの『HIP HOP GENTLEMEN』がきっかけでつけられたとのことですが、やはり中村さんは「B‐BOYイズム」といいますか、HIP HOPのヘッズ(ファン)なのでしょうか?
ヘッズです。特に日本とテキサスのヒップホップが好きです。ヒップホップ音楽を聴くことによって身につけた感覚は、漫画を描くうえで活かされまくってます。
――今後の展望や目標をお教えください。
無限に面白いマンガを描き続けること。自分の可能性にフタをしないでどんどん新しいスタイルにチャレンジすること!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
現在マンガワン/裏サンデーで『球神転生』連載中&1巻発売中です。凄まじい勢いの野球バトル漫画であります。ぜひともチェックして下さいませ!
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