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猛暑日に着たTシャツ、強烈な汗染みにギョッとするも… ユニクロの神対応が半端じゃなかった
ユニクロのUTに「通気性悪い」疑惑が浮上。UTデザイナーによると「3つのプリント」の性質の差に原因があるようだ。
あれ...今年の夏、言うほど暑くないかも...? などと余裕をかましていたが、甘かった。「梅雨明け」と「猛暑日」の極悪コンボを受け、8月を前にして早くもKO寸前である。
今回はそんな夏を涼しく乗り切るため、ユニクロの大人気商品を買う際「絶対チェックしておく箇所」を紹介したい。
ユニクロと言えば、やはりUT
ユニクロを代表するシリーズといえばエアリズムにヒートテック、ウルトラライトダウンなど枚挙に暇が無いが...どれかひとつを選ぶとなると、やはり「UT」ではないだろうか。
![UT](https://img-mdpr.freetls.fastly.net/article/HqtW/nm/HqtWqTpCNRcMSWRaagcdkz4hic3OUDehWzwgUWdO8hE.jpg?auto=webp&quality=80)
アート、音楽、映画、アニメなど、世界中のカルチャーとコラボし、「Tシャツ」というキャンバスを彩る様は、さながらそれ自体が芸術作品。
先月下旬にはルーヴル美術館とコラボした「UTGP2024:ルーヴル美術館」、7月に入ってからは人気漫画『【推しの子】』とのコラボ、そして本日22日には人気アニメ『ONE PIECE』の25周年を振り返る「TVアニメ ワンピース 25th」が発売された。
長年UTをチェックし続けてきた記者から見ても今年の豊作ぶりは尋常でなく、他にも「MoMA アート・アイコンズ」「Star Wars: Remastered by 河村康輔」など、多数の人気シリーズが登場。
まだ7月中旬だが、恐らく今年は既にUTを20枚近く購入したはずである。そんなUTと共に生きてきた記者だが、同シリーズに一抹の不安を覚えていたのだ。
デザインは文句無しなのに...
その不安とは、ズバリ「通気性」である。
羽織物や重ね着など、工夫をすれば1年中着回せる半袖Tシャツだが、やはり1年で最も輝く時期は夏。そのため「いかに涼しく過ごせるか」というのは、デザインと同等か、それ以上に重要なファクターなのだ。
だが記者が不安を覚えているのは「Tシャツの素材」そのものにおける通気性ではない。時は、ユニクロが「ルーブル美術館」を発売した2021年に遡る。
![UT](https://img-mdpr.freetls.fastly.net/article/H5A_/nm/H5A_Ca_gsS55JRHEyWzaTg-GUAeGfjySsEafZChPlj0.jpg?auto=webp&quality=80)
同シリーズのメンズアイテムは「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」など、人類の必修科目と言うべき芸術作品をモチーフに、グラフィック・アーティストのピーター・サヴィル氏がデザインを手がけたコラボ作品。
英国バンドのNew Order経由でサヴィル氏のファンとなった記者には買わない理由がなく、6柄全てを速攻でポチッたものだ。当時はまだ2月だったため数ヶ月ほど寝かせ、初夏のシーズンから満を持して着用を開始。しかしある日、拭えない違和感が生まれ始めたのだ。
同シリーズの「モナ・リザ」Tシャツは、黄金比の長方形とモナ・リザが描かれた、非常にクールなデザイン。だがTシャツを脱いで内側を見ると、長方形のプリント部分に汗がぐっしょり染み込んでいたではないか。
不安が確信に変わったのは、UT「永井博」が発売された2022年の夏。
夏の暑さを吹き飛ばすかのような、爽やかなバックプリントのTシャツを着用して外出したところ、背中から滝のような汗が。プリント部分は熱を帯び、Tシャツの下はプリントの清涼感とは裏腹に、地獄のような有様になっていたのだ。
似た経験のあるUTユーザーは少なくないようで、ユニクロ公式サイトの商品レビューやX上の投稿には「UTのデザインは好きだけど、背中のプリントが暑すぎる」「プリント部分だけ、とにかく通気性が悪い」といった不満の声がチラホラと確認できる。
これらの事象をもとにUTを分析したところ、一連の現象は「ラバープリント」と呼ばれるプリント技法が原因であるという説が浮上。
そこで今回はUTヘビーユーザーを代表し、ユニクロのUTデザイナーへ取材を敢行することに。その結果、UTのプリントに秘められた「3つの真実」が明らかになったのだ。
3種類のプリント、最も通気性が良いのは...
UTのプリントのタイプは、大きく分けて3つに分類される(記者調べ)。
まずは今回、通気性を疑う要因となった「プリント部分が厚い」タイプ。経験上、黒地をベースとし、プリント部分にヴィヴィッドでカラフルなデザインを採用したTシャツ(アニメ、ゲームとのコラボ作品など)に多く見受けられる。プリント部分の「ゴムのような感触」が特徴的だ。
そしてもう1つが「プリント部分にやや厚みがある」タイプ。こちらは白地をベースとした、プリント部分がカラフルなデザインのTシャツが多い印象を受ける。通気性に関しては、そこまで不自由を感じない。プリントを触ると若干の硬めの感触はあるも、ゴムのような印象は受けない。
最後に「プリント特有の厚みを感じない」タイプである。こちらは白地をベースとし、プリント部分がモノクロデザインのTシャツに多く見られ、通気性は至って良好である。プリント部分に弾性は全く感じられない。
これらを便宜上、上から順にタイプ1、2、3で区分し、ユニクロに取材を申し込む。内心「あまりに細かすぎるオタクぶりに、ドン引きされるのでは...」と心配していたが、UT担当者は嫌な顔ひとつせず、非常に真摯な態度で回答してくれたのだ。
ユニクロ、あまりに神対応すぎる
UT担当者はまず、「UTではTシャツをキャンバスとして捉え、アートやデザインをきちんと表現することを大事にしており、素材としてはラバー、顔料などを組み合わせています」「作品をどう見せたいかによって素材、質感、肌なじみ等を考え、最も適したプリント方法を採用しています」と説明する。
基本的な考えとしては、色をしっかり表現するのに適した「ラバー」、繊細な表現に適した「顔料」と区分するようだ。
記者が分類した3つのタイプは間違っていなかったようで、担当者は「タイプ1は商品の色味をしっかりと表現したいためにラバーメインのプリント、タイプ2は作品の質感とカラーのバランスを表現するためにラバーと顔料を組み合わせたプリント、タイプ3はゲームの下書き等を表現するため繊細な質感を出すため顔料がメインのプリントとなります」と、それぞれの特徴を説明してくれた。
顔料だけでは「色落ちしやすい」という弱点があるが、ユニクロでは高い品質基準を設定し、顔料とラバーを組み合わせるなどした上で洗濯試験を繰り返し、品質確認を行っているのだ。
主題となる通気性に関しては「ラバーが多くなると確かに通気性は悪くなってしまうのですが、細かなテクニックを多用しながら色、柄、作品の世界観を表現しております。ぜひ気候を確認しながら、お気に入りの1枚を着て頂けると幸いです」とのコメントが得られた。
UTを買うときは「プリントの種類」を確認!
要約すると、UTを購入・着用する際は、シーンや気候・気温と相談するのが何よりも重要ということ。
炎天下の猛暑日、屋外でラバープリントのTシャツを着用した日には地獄を見るが、日差しが落ち着いた時間帯や、冷房の効いた屋内で過ごす際は、全く気にならないはず。春先や秋用と割り切るのも良いだろう。
また、一概に「ラバープリント」だから、と敬遠する必要は無い。プリント面積が広いほど通気性は悪くなるが、ワンポイントのプリントや、面でなく「線」のデザインに重きを置いたプリントであれば、全くと言って良いほど気にならない。
さらに、ユニクロ側も通気性に対するユーザーの不満を受け止め、かなり分析しているのでは...と思わされたのが、6月下旬に発売された「UTGP2024:ルーヴル美術館」である。
メンズモデルはいずれも顔料をメインに使用しており、ラバーを使用したモデルもプリント面積そのものが小さいため、通気性の悪さは全く気にならなかった。また29日発売の「ポケモン」もデザインを見る限り、通気性に関しては問題無さそうだ。
https://twitter.com/UNIQLO_JP/status/1811173558317658144
そして当たり前のことだが、ラバープリントの「通気性の悪さ」はUT固有のものでなく、あらゆるTシャツ、およびメーカーが抱えた共通の弱点である。魅力あふれるバリエーションが豊か、且つ多くのユーザーから支持を得ているUTだからこそ、弱点が悪目立ちしてしまったのだろう。
https://twitter.com/UNIQLO_JP/status/1811596438121644174
この夏UTを新たに買う際は、プリント部分の特徴を理解しつつ、着こなしを考えてほしい。
執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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