ゆでたまご 撮影/松山勇樹

次世代のSNSスター、ゆでたまごの壮絶な半生「中学2年のとき体重が17kgまで落ちICU入り」

2024.07.07 06:03
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TikTok総フォロワー160万人超、SNS総フォロワー数213万人! 抜群のビジュアルと豊満なバストを武器に“次世代のSNSスター”として注目されているのが、ゆでたまごだ。最近ではグラビア誌にも活躍の場を広げるなど、その勢いは加速するばかり。だが、ここに至るまでは挫折の連続だったと本人は振り返る。ロングインタビューで波乱に満ちた半生と、インフルエンサーとしての矜持を明らかにする──。

 ゆでたまごの存在を知らない人は、まずその奇妙な芸名に戸惑うかもしれない。漫画家のアノ人とは関係あるのか? 本人は「取材のたびに必ず聞かれるんですよ」と笑顔で、「特に深い意味はないんですけどね」と解説してくれた。

「TikTokを始めるにあたって、本名はさすがに怖いじゃないですか。それで当時ハマっていた食べ物を名乗ろうと考えたんです。食の趣味だけでいうと、1位は大根。だけど大根って少しゴツいというか、大根になったらあだ名が大ちゃんとかになるのかなって思ったらちょっと嫌で(笑)。2位は納豆だったんだけど、これは臭そうだから却下。美味しいものと、名前としてふさわしいものは別なので(笑)。3位はイチゴだったんですけど、これはさすがに可愛すぎるかなと躊躇しまして(笑)。それで4位のゆでたまごを採用しました」

 ちなみに5位はモロヘイヤとのことだが、これは蛇足かもしれない。その場の勢いでつけた名前だけに、少し後悔することもあるという。

「エゴサがめちゃくちゃしにくいんです。ネットで調べるとまずレシピが引っかかりますし。SEO的な観点からいうと最悪ですよね(笑)。とはいえ覚えやすい名前だと言われることもあるし、響きも可愛いから気に入っています」

 当たり前の話かもしれないが、子供の頃からからインフルエンサーを目指していたわけではない。むしろ人前に出るのが苦手な少女だった。学生時代はハードなひきこもりだったという。

「家から出られないこともさることながら、摂食障害がひどかったんです。中学2年生のときは体重が17kgまで落ちて、ICU入り。17kgって想像つきますか? 自分の頭が重くて首が座らない状態。自分で起き上がれないレベルまで痩せてしまったんです。毎日、病院の鏡で自分の姿を見ながら絶望していました。入院した時点でボロボロだったので、外で顔面から倒れて前歯を折ったりもしていましたね」

 そこまで追い詰められた原因は、小学校6年生のときに受けたいじめ。階段を登っていると、底意地の悪い女子たちから「なんかお尻デカいよね」と嘲笑され、そこからはシカト地獄が待っていた。

「いじめに理由なんてないんじゃないですかね。とにかく目立つと標的にされるという感じで。なので私も極力気配を消して生きてきたし、お化粧とかは高校を卒業するまで一切しませんでした。私の場合はいじめがキッカケで強迫性障害的な面も出てきちゃって。お風呂に3時間くらい閉じこもって、シャンプーとかを順番に並べたり掃除をしたり、他にも私生活が窮屈なくらい自分の中でルールがあったんですけど、これを行えばいじめがなくなる…なんて変な強迫観念で頭の中がいっぱいになっていました。」

 光が見えない暗闇の中、もがくだけしかできない毎日だった。しかし高校に入学したあたりから、徐々にではあるが心身の健康を取り戻し始める。体重も頑張って42kgまで増やした。

「やっぱり、学校にいるときはその中の世界がすべてなんです。決められた小さなルールがあって、その中で1人浮いていると変人扱いされて。だけど実際に社会に出てみると、そんなことはまったくないわけじゃないですか。大人になれば環境なんて自分でいくらでも選べるわけですし。気にくわない人が出てきても相手にしなければいいだけであって、学校が嫌だったら逃げちゃえばいい。それは昔の自分にも言いたいし、この記事を読んでいる方でいじめに悩んでいたら、そう伝えておきたいです」

 のちに歯科助手として働いていた頃も、同僚から陰湿ないじめを受けた。父が庭で焼いた焼き芋を職場に持っていったところ、「院長に色目を使っている」と非難されてしまう。このときは他の歯科医院スタッフにも同様におすそ分けしたというから、完全な難癖といっていい。「たぶん空気を読めてないというか、私にも原因があるんだと思います」と本人は語るが、「それはまったくないと思いますよ」と返すしかなかった。実際、話をしていてもバッシングされる要素は何ひとつ見つからなかった。

「高校を卒業してからは、お仕事を転々としていましたね。最初は外資系のコーヒー屋さん。そこはパンケーキがすごく美味しいと評判で、当時は私もパンケーキにハマっていたから就職したんです。だけどあまりにも職場環境がブラックだったので、1年で辞めました。そこからは歯科助手をやったり、友達に誘われてキャンペーンガールをやってみたり……。そうこうするうちに、配信動画を制作する会社に入ったんです。仕事は完全に裏方だったんですけど、これがきっかけで自分もTikTokを始めるようになるんですよね」

 記事後編では、“インフルエンサーとしての飛躍と戸惑い”“活動休止宣言の裏にあった想い”“今後の夢とビジョン”などが本人の口から明らかになる。

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