秋山依里、『仮面ライダー』女優が結婚・子育てを経てコスプレイヤーになった理由
「日産自動車」の新聞広告のモデルでデビューした後、『仮面ライダー響鬼』や、「住友林業」「キットカット」などのCMにも出演するなど、女優やモデルとして活躍する秋山依里。20歳という若さで芸能界を引退するも、復帰して、昨年16年ぶりにグラビアも披露した。実は彼女、デビュー当初からコスプレをしてみたいと考えていたが、「イメージと違うからダメ」という理由で止められていた過去がある。しかし、「今やらなかったら後悔する」との想いからコスプレ活動をスタート。いざやってみたコスプレ活動は、役者と同じで“誰かを表現する世界”だったという。役者ではなく、コスプレイヤーとしての秋山依里に話を聞いた。(前後編の後編)
――コスプレはいつから始めたんですか?
秋山 2016年の「東京ゲームショウ」に参加したのが、初めてのコスプレイベントです。ただ、実は10代の頃からコスプレはやりたかったんです。当時、歌手としても活動していて、ライブをやっていた時に「『涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川流のライトノベル作品)の話をしたんです。そしたらファンの方が、ハルヒの公式衣装をプレゼントしてくれたんです。
――ファンからのプレゼントで初コスプレを?
秋山 「これを着てライブしたらどうですか?」って事務所の人に話したら、反対されました。漫画や小説は好きっていうことは公言していましたが、「イメージに合わないから」とNGが出ました。また、当時はロック系が好きで聴いていたんですけど、ファンの人がびっくりするからと言って、あまり歌えませんでした。せっかく衣装をいただいたのに、申し訳ないなって思っていました。
――その頃からいつかはコスプレをしたいと思っていたわけですか?
秋山 芸能界を辞めた後は、子供もいるし、そもそもコスプレしたいという気持ちにもなっていなかったです。でも、復帰したときに「多分やらないと後悔するな」と思ったんですよ。ちょうどその時に、仲のいい子が「コスプレをやりたい」って言っていたので、その子と一緒にやったのが最初のコスプレですね。
――コスプレイヤーさんの多くは徐々に有名になっていくと思うんですが、秋山さんの場合は女優業で有名になってから、コスプレを始めました。リスキーな部分はなかったですか?
秋山 芸能界引退前の私に対して意見していた人って、辞めてから期間が空いているので、多分、もう私に興味がないんですよ(笑)。それに芸能の仕事をしているという実績があるからなのか、意外と変なことはされないんです。なので、逆にリスク回避できている気がします。
――初めてのコスプレは何を?
秋山 「東京ゲームショウ」では『アイドルマスターシンデレラガールズ』(ソーシャルゲーム)の佐久間まゆちゃんをやりました。その前に家でずっと好きだった『ラブライブ!』の東條希ちゃんもやっています。ただ、すごくさかのぼると、3、4歳のときに、セーラーマーズ(『美少女戦士セーラームーン』)のコスプレをしているんですよ。それが本当の最初ですね。
――コスプレの原点は幼少期の頃なんですね。
秋山 服飾系の仕事をしている親戚が、よく洋服をプレゼントしてくれていたんです。私がセーラーマーズを好きだと言ったら、その親戚が衣装を作ってくれて。それを着て『セーラームーン』のショーを観に行きました。もしかしたら好きだっていう気持ちを、キャラクターになって表現するっていうのは、当時から違和感がなかったのかもしれないですね。――コスプレ衣装はどうやって準備しているんですか?
秋山 私服っぽい衣装だったら、似ているやつを探して、ちょっとアレンジをして作りますね。これは無理だ!って思うのはさすがに依頼するんですけど(笑)。七星めろんちゃんっていう福岡のコスプレイヤーさんは造形が得意なので、「めろんちゃんならこの衣装を完璧に作ってくれる」と思って衣装制作をお願いしたりしています。
――「東京ゲームショウ」の後はイベントなどに参加したんでしょうか。
秋山 冬コミ(冬開催のコミケの略)が3日間あった頃は、全日程参加していました。今考えるともう無理ですね。最近は1人で参加することもありますけど、当時は友だちが一緒にいたからこそ。3日間行けたっていうのはあります。
――他にはコスプレ活動を何かされているんですか?
秋山 最近、「併せ(条件を縛って複数人でコスプレをすること)がしたい」って言ったら、カメラマンさんがいろいろセッティングしてくれたんです。実は昨日も、『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(リズムゲーム)の「LiPPS」っていう綺麗なお姉さんチームの併せに行ってきました。X(旧Twitter)を見てもらうと、そのときの写真が上がっていると思います。
――色々活動されていると。ズバリ、コスプレの面白さはなんでしょうか。
秋山 元々、本を読むのが好きで、読んでいると声が聞こえてくるタイプなんです。台本を読んでいるときも同じなので、物語と役を自然とつかむことができているんだと思っています。コスプレの衣装を着てキャラクターを表現するのはお芝居に通じるものがあるのかなと。2次元のキャラクターが3次元にいるって考えることがすごく楽しいし、好きなキャラクターへの理解が深まるのが面白いですよね。
――今後、イベントへ参加される予定は?
秋山 タイミングが合えばですね。「夏コミ」(夏開催のコミケの略)はちょっと暑さがしんどいのでわからないですけど。お祭りみたいだし、大型イベントだと、地方の方がたくさん来て楽しいので、できれば行きたいですね。
――次にコスプレしたいキャラクターを教えてください。
秋山 『崩壊:スターレイル』(スペースファンタジーRPG)の雪衣 (せつい)という子が推しなんですけど、ガチャで実装される前から好きだったので、やりたいと思っています。
――では、今後のコスプレイヤーとしての目標は?
秋山さん 趣味なので、これからも自分のペースでやれたらいいなと思うんですけど、好きなことが仕事になるっていうのはすごく嬉しいので、ご縁があれば公式レイヤーなどもやってみたいですね。
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