撮影/たむらとも  ヘアメイク/池田眞美子

「監督に勧められたホラーも見る勇気がなかった」出口亜梨沙 色気を封印し都市伝説ホラーで映画初主演

2024.06.07 06:03
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女優・グラビアタレントの出口亜梨沙(31)が、6月7日から公開される映画『THIS MAN』に主演する。都市伝説を原作にしたホラー映画で初主演を果たし、夫と子どもに恵まれた主婦・八坂華が、恐怖に巻き込まれていく様を好演した。女優業への抱負や、グラビアで注目されるきっかけなどを語った。(前後編の前編)

――『THIS MAN』は「夢の中に眉毛の繋がった謎の男が現れる」という都市伝説をもとにしたホラーです。

「ホラーが大の苦手なのにお話をいただいてしまいました(笑)。本当に耐性がなくて、天野友二朗監督に勧められた『ヘレディタリー/継承』というホラー洋画も見る勇気がなくて、監督に3回言われてようやく覚悟を決めて見られたほどです。このお仕事がホラー映画だと分かった時からドキドキしていました」

――実際、作品を見ると「謎の男を夢で見てしまうと死ぬ」という噂から本当に人が死んでいき、恐怖が身近に迫ってくるリアルな怖さがあります。

「『THIS MAN』の都市伝説は知っていましたが、気にし過ぎると本当に夢に出てしまうのが怖くて、あまり気にしないようにしていました。でもこの撮影が始まってからは、当然例の男の人に向きあっていかないといけないので、ホラー耐性もつきました。でも、その眉が繋がった男の役の大山大さんってすごく楽しい方で。現場でムードメーカーになっていたので、いざ本番で対峙すると笑いをこらえないといけなかったのがおかしかったですね」

――演じた八坂華には、どんなイメージがありますか。

「素朴な女性で、『主演なんだ』と気負わずに撮影に入ることができました。平穏な家庭のシーンから撮っていってシリアスな場面へと進んでいったので、華の心境の変化とリンクしてギアを上げていきましたね。人の死が身近に迫ってきて、恐怖の中で華がたくましくなっていく、覚悟を決めた強さを見せようと意識しました。

天野監督としっかり打ち合わせたのが『はじめに幸福そうに見えれば見えるほど、それからの展開の怖さが際立つ』という点でした。だから夫の義男役の木ノ本嶺浩さん、娘の愛を演じてくれた桑原のえちゃんとはよく話すようにしました。馴染んだらのえちゃんがずっと私のあとをついてきてくれるようになったり、本当に家族が出来た気分でした」

――グラビアでの経験も長いですが、『THIS MAN』での役作りに影響はありましたか?

「グラビアの経験があるからこそ、色っぽくならないように気をつけていました。華は少女のように、素朴な幸福を求めている人だと考えたので、妖艶になってしまうと嫌な印象を与えると思ったので、色気は封印して華の精神的な成長をスクリーンで描こうとしました」

――撮影で、思い出深い場面を挙げるとしたら?

「全身に『耳なし芳一』のようにお経を書いて除霊する場面があるのですが、字の上手なヘアメイクさんが、2時間くらいかけて手書きで全て書いて下さいました」

――女優としては『おそ松さん』舞台版のトト子など、コメディタッチの役が多かったかもしれませんが、『THIS MAN』ではホラー初挑戦かつ、夫と子がいる大人の女性の役でした。

「芸能活動を始めて8年ほどになりますが、以前に考えていた人生設計ではもっと早く結婚して、子どももいるつもりでした。当然、子を持つ母親の感情は想像するしかないのですが、妹が結婚していて子どもを抱っこさせてもらったことがあって。

そうしたら姪っ子に泣かれて、『大人しくて泣かない子なのに、泣かれたのお姉ちゃんだけや』なんてことがありましたが(笑)、泣いてる様すらいとおしくて『これが母性か』と実感して、その時の感情を思い出していました。関西から東京に軸を移して、もう母が私を産んでくれた年齢も過ぎていたり・・・・波瀾万丈ですね」

▼プロフィール出口亜梨沙 1992年9月18日、大阪府生まれ。『おはようコールABC』でのレポーターで注目され、グラビアを始める。女優業では舞台『おそ松さん on STAGE』、ドラマ『警視庁・捜査一課長2020』などに出演。インターネットの都市伝説を原案にしたホラー映画『THIS MAN』で映画初主演を果たした。

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