

<下剋上球児>中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮、野球にも演技にも全力投球「本当に部活そのもの。一生忘れられない思い出になりそう」

高校野球を通して、現代の社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描く、鈴木亮平主演の日曜劇場「下剋上球児」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系※初回は夜9:00-10:19)が10月15日(日)にスタートする。同ドラマでは大学まで野球に真剣に取り組んでいた教師と廃部寸前の弱小野球部のメンバーたちが甲子園を目指し奮闘していく。
舞台となる越山高校野球部の球児を演じるキャストは、約半年をかけたオーディションで決定。今回は、1年生・犬塚翔を演じる中沢元紀、1年生・根室知廣を演じる兵頭功海、3年生キャプテン・日沖誠を演じる菅生新樹、2年生・野原舜を演じる奥野壮の4人にインタビューを実施。オーディションの思い出や、主人公の教師・南雲脩司役の鈴木、南雲と共に野球部の顧問を担当する教師・山住香南子役の黒木華と共演した印象、現場の雰囲気などを語ってもらった。
同世代がたくさん集まった大規模なオーディション
――オーディションで印象に残っていることを教えてください。
中沢元紀(以下、中沢):演技はもちろんですが実技審査もあり、そのための練習もあったりと、こんな大規模なオーディションに参加したのは初めてで緊張しました。でも、同世代がたくさん集まっていたこともあり、すぐに打ち解けていろんなことを話せて…。中学時代、野球部だったので、みんなで野球をするのが久しぶりで楽しかったです。
菅生新樹(以下、菅生):実技のオーディションがオーディションっぽくないというか。ただ楽しんでいただけでした(笑)。その感覚が初めてのことで面白かったです。
兵頭功海(以下、兵頭):やっぱり印象に残っているのは合格発表のときです。メンバーが集められて、この中で誰が落ちるんだろうってかなりドキドキしました。そしてなぜか僕だけが最後の1人になるまで取り残されて…。結局みんな合格だったんですが、なんかあのときは感情がついていかなかったです。当時の様子は景色も含め、すべて鮮明に記憶に残っています。
奥野壮(以下、奥野):僕は実際のオーディションのときの話ではないのですが、実技審査のために野球の練習をしたことかな。僕自身、これまで野球に触れてこなかったのですが、親父が大の野球ファンで。なので親父に「野球を教えてください」って言って教えてもらったのですが、そのときの笑顔が忘れられないです。
個性あふれる野球部メンバー、それぞれの役柄は…
――自分の役はどのような人物で、どのような点に気をつけて演じられていますか?
菅生:日沖はハートフルで愛があふれている人。本当にみんなことが好きだし、一緒に野球をしたいと思っています。ただ、野球は全然上手くない(笑)。技術としては引っ張れないけど、人柄で引っ張っている人だと思います。僕自身、人を好きになるタイプなので似ている気はしますね。現場でも一番僕がみんなと話しているし…。みんなについていきたい!と思われるキャプテンになりたいです。
奥野:その話とは真逆だけど野原はちょっとイヤなヤツなんだよね。先生にもタメ口だし、1年生にもいちゃもんをつけたりして…。
兵頭:僕はその被害者です(笑)。まぁ野原は恐いけど、壮はかわいいよ。
奥野:(笑)。なので、ちょっとやんちゃな感じは意識しています。野球に対しても、真面目にやっているの?と映ってしまう感じが出れば。
兵頭:根室は簡単に言ってしまうと気弱な少年です。ただ、それだけではなく、頑張りたいと思っていても何か一つのアクシデントが起きてできなくなったタイプの子です。それが鈴木亮平さん演じる南雲先生と出会って変わっていく…。これって、誰にでもあると思うんですよ。だから、その変わっていく姿を伝えられたらと思いますが、気弱な性格や引っ込み思案という設定通りの演技をするのではなく、それっぽくないように意識しながら結果そう見えていたらいいなと思いながら演じています。
中沢:僕の役の犬塚翔は小日向文世さん演じる地元の大地主の孫で、おじいちゃんがかなり翔のことを応援してくれています。そこに正直に応えている素直さがあります。なので、台本を読んでこういう芝居をしようと決めずに、現場で感じたことを大事にして演じています。あと小さいころからエースピッチャーだったりするので、マウンドでの立ち姿には気をつけています。存在感、威圧感が表現できるよう、クランクインの前からいろんな野球選手の映像を見て研究したりして。内に秘めているアツさは越山高校イチあると思うので、その内面のアツさは表現したいです。意外と僕自身と似ているところはあると思います。
菅生:元紀は犬塚と同じように愛されキャラだしね。
兵頭:僕は野球をやっていたからわかるけど、オーディションでの姿と、今、グラウンドに立って投げている姿は全く違う。そこにすごさを感じます。めちゃくちゃ野球の練習をしてきてここに立っているんだろうなということがわかるというか。その背中で語る感じは、翔も元紀も同じだと思います。
撮影に入る前、「親父から鬼ノックを受けました」
――撮影に入る前、どのような準備をしましたか?
奥野:親父から鬼ノックを受けました。最初はエラーしまくりで怒られましたが(笑)。でもそれが役に立っている気がします。
兵頭:根室は体を鍛えているタイプではないと思ったので、逆に体の線が細くなるように気をつけています。そして、球も速くないほうがいいかなと、少し抑え気味で野球をする練習をしました。
菅生:僕は日に焼けたことかな。日沖は上手ではないけど情熱的なので、肌は焼けていると思うんです。なので今年の夏は日焼け止めを塗らずに焼きました。あとは、高校球児の動画をたくさん見たり、野球部のコーチ経験者の友人がいて、その友人からオーディションの始まる前から野球を教わり、オーディション中にはマメが出来て、皮もむけてました。
中沢:僕は、とくにこの作品の原案となっている白山高校の野球部の映像をたくさん見ました。マウンドでの立ち方だったり、周りに気を配る仕草だったりを、参考にさせてもらっています。
ひたすら一生懸命野球をやっていて、それを撮っていただいているという感覚
――撮影はどのような雰囲気で進められているのですか?
兵頭:僕らはひたすら一生懸命野球をやっていて、それを撮っていただいているという感覚です。だから本当の部活みたいです。朝、グラウンドに行き、アップをして、体を動かして、野球をしている。それだけですね。あとは、現場である学校のプールで、撮影が終わったらみんなで水シャワーを浴びています。本当に部活そのもので(笑)。この歳でこんなことができるとは思っていなかったので、一生忘れられない思い出になりそうです。
奥野:あと撮影の仕方も特殊だよね。長回しも多いし、僕らが自由に考えてアドリブでお芝居させてもらうのが大半で。しかもテストからカメラが回っている。だから本番もあるけど、どこが使われているか分からないというか…。こんなこと初めてです。
菅生:学校という環境だからなのか、休憩中も僕ら生徒たちと同じ空間に鈴木さんや黒木さん、松平(健)さん、小日向(文世)さんがいるのもこの作品ならではかなと思えるんです。普通、お昼ご飯とかになったら控え室に戻って別々に食べるんですが、今回はみんな一緒で。亮平さんと一緒にベンチに座りながら飲み物を飲んだりしていると、本当に先生と生徒のような感覚になるというか…。いい意味で距離感が縮まっている現場です。
奥野:亮平さん、控え室でノックの練習をしたりしているけれど、それを打ってみる?と誘ってくださったりして…。あれもうれしい。
中沢:本当に学校の部活のような感覚だよね。僕のストライクが入らないと始まらないシーンとかだと、みんなが頑張れって声をかけてくれたりして…。グラウンドでの撮影は本当に暑いのですが、ひとつの作品を作るチームとして、スタッフとキャストが頑張っています。
鈴木亮平、黒木華との共演は「みなさん、背中でいろいろ見せてくれている」
――教師を演じている鈴木亮平さんや黒木華さんとのシーンも多いと思いますが、印象に残っていることはありますか?
菅生:僕たちとのシーンで、僕らの動きがまとまっていないとき、亮平さんがさらりと監督さんに、「球児たちはこういう感じでいいですか?」と聞いてくれたりして。ちょっとしたことでも気づいてくださるのは本当にすごいなと思います。
兵頭:僕は鈴木さんと2人のシーンも結構あって…。そんなとき、台本には書いていないことも想像し、共有してくださるんですよ。「僕がここにいるのはこういうことがあっただろうから」とか。そういう裏まで考え、伝えてくれることに感動しました。そしてそんな全てにこだわった上であんなにナチュラルな演技をしているなんて…。実は本読みのとき、鈴木さんは台詞を自分の言葉に直して脚本家の方に見せられていたんですよ。それを本読みのときにされていることもすごいですし、だからこそ台詞がリアルな言葉として聞こえるんだと教えてもらった気がします。毎回驚かされ、勉強させて頂いています。
菅生:黒木さんも同じだよね。台詞に聞こえない。
奥野:本当にみなさん、なんだこの説得力は?と思うくらい自然で。台本通りなのに本当にちょっとした変化で台詞を面白くしている。そういう姿を見ていたら、僕たちはいつになったらこうなれるんだろう…とすごく遠く感じています。
中沢:黒木さんで印象的だったのは、テストでOKが出て本番をしないというときがあって、スタッフが黒木さんに「大丈夫ですか?」って聞いたら、「私はいつも100%やっているんで大丈夫です」って答えていて…。もちろん役者としてそれが当たり前なんだけど、改めてそれを言葉にしている姿を見てすごいなって。
奥野:サラッと言うよね。
菅生:みなさん、背中でいろいろ見せてくれている現場です。
塚原さんがダッシュで僕たちの方に来てくれるときはワクワクする
――今回は、「最愛」(2021年、TBS系)などでメガホンをとった塚原あゆ子さんが演出を担当していますね。塚原演出はいかがですか?
奥野:演出の際、「こう思うんだけどどうですか?」って投げかけてくれるのがうれしくて。なるべく自由に芝居をさせてくれるスタンスがすごくステキだと思います。塚原さんがダッシュで僕たちの方に来てくれるときは、ちょっとワクワクするというか。何を話してくれるんだろう?って気になります。
兵頭:1人1人の役を愛してくれているよね。だからこそ塚原さんのことを信頼できる。僕らが思いつかないことのヒントをくれたりするんですが、これが答えでないのもいい。
奥野:塚原さんの言葉って腑に落ちるんだよね。
菅生:「こうしてください」でなく、「ここの気持ちってこうなのかな?」と一緒に考えてくださるのもうれしい。自分たちが成長させてもらっていると感じる瞬間がたくさんある。
中沢:その場で感じたことを大切にしてくれるよね。どうしてもスタートがかかると、撮られているという意識が働いてしまって表情が硬くなってしまうけど、そういうときはダッシュで駆けてきてくれて、「今、こうして話している表情の方がステキだよ」と言って緊張をほぐしてくれて。本当に助けられていることばかりです。
兵頭:あとセットの細かいこだわりもすごくない?どこの引き出しを開けても何かが入っているし、冷蔵庫の中なんて飲みかけの麦茶が入っていたりする。そして、そういうセットが映り込んだとき、塚原さんはスタッフさんの名前を呼んで、このセットのここがすごい!と声に出してくれるんですよ。そういう空気感がすごくステキです。
奥野:どの部門の人に対してもリスペクトしていて。みんな塚原さんのことが大好きです。
マンガにサッカーゲーム…4人4様の夢中になっていること
――役では高校野球に夢中になっているみなさんですが、プライベートではどのようなことに夢中になっていますか?
奥野:僕はずっとマンガの「ONE PIECE」。1997年から連載がスタートしているので、僕の生まれる前から始まっているんですが、物心がついたときに親父が買い集めていた単行本を読んでそこから夢中になって。今は雑誌で読んでいますが、休載している週は本当に元気がなくなります(笑)。
菅生:僕はサッカーゲームの「ウイニングイレブン」。
奥野:野球じゃないの?
菅生:スポーツゲームが好きで、野球とかバスケとかももちろんするけど、今はこれ。自分が知っている選手を集めてドリームチームを作るのが楽しくって。夢が詰まっています。
兵頭:僕はインナーマッスルかな。腕立てとかすると外側の筋肉がついてしまうから、チューブとかを使って小さい動きで鍛えている。すごく地味。でもボールを投げるときに、力が入りやすくなったりするなど些細な変化は見られてうれしいんだよ。自分一人で楽しんでいる感じかな。
中沢:体を鍛えることに近いけどブラジリアン柔術を習っていて。映画「沈黙の艦隊」(2023年)で共演した玉木宏さんがハマっていると聞いて、そこで僕もすごく興味が出て玉木さんにご紹介いただき道場に通わせていただいてます。アクションシーンがある作品に出演するときに生かすことができるといいな。
好きなことを一生懸命やっている姿はやっぱり見てしまう。素直に応援したくなる
――改めて高校野球の魅力は何だと思いますか?
奥野:1回負けたらおしまい、という緊迫感かな。そこがドラマを生むので。
菅生:一球一球ドキドキするからね。あと1試合に何回も攻撃があるので、その都度、物語ができるのも魅力的。
中沢:好きなことを一生懸命やっている姿はやっぱり見てしまう。見ている人も多分、一度は何かのために一生懸命やってきていると思うので、そこに重なるというか。だから素直に応援したくなるんじゃないかなと思います。
奥野:一生のうち3年間しかないという、期限付きみたいなはかなさもあったりするよね。
兵頭:あとは、高校球児だけではなく、吹奏楽だったりの応援の感動もあると思う。この間の撮影で、吹奏楽の方が演奏しているシーンを撮ったけど、音が響いて本当に応援してもらっていると感じることができました。
菅生:野球だけではないみたいな?
兵頭:人の熱が感じられるのが高校野球で、だから楽しいんだと思います。
奥野:素晴らしい!
――最後にドラマの見どころを教えてください。
中沢:野球のシーンはもちろん迫力もあって見どころなんですが、先生や生徒が抱えている問題を取り上げているヒューマンドラマの側面もあるので、ぜひそこにも注目していただきたいです。
菅生:さまざまな問題が絡んできてキャラクターも魅力的なので、野球に興味がない方もドラマとして楽しめると思います。もちろん野球のシーンもすごいですけどね。本当に投げて打っていますから。
兵頭:あと、役を通して僕らの成長も見てほしいです。南雲先生に役を通して成長させてもらっているし、実際に鈴木さんをはじめ俳優の方々の背中を見て俳優としても成長させてもらっています。
奥野:映像が本当に美しい。全てに説得力があるというか。今の僕らにしか出せない全てが詰まっています。
菅生:映像にも色んな仕掛けがあるらしいですから…。一度、見ていただけると魅力に気づいてもらえると思います。ぜひ楽しんでいただきたいです。
インタビュー・文=玉置晴子 撮影=阿部岳人
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