公文に外に連れ出してもらったすいは、公文と蕾を救いたいと考える

<何曜日に生まれたの 最終回>飯豊まりえ“すい”が描いた溝端淳平“公文”との最終話「ここから先はリアルになる」

2023.10.09 20:08
公文に外に連れ出してもらったすいは、公文と蕾を救いたいと考える

飯豊まりえが主演を務めるドラマ「何曜日に生まれたの」(毎週日曜夜10:00-10:54、テレビ朝日系)の第9話「レインボーパワーは世界を救えるのか」が10月8日に放送された。最終回、すい(飯豊)の物語が一つの終わりを迎える...。(以下、ネタバレを含みます)

「何曜日に生まれたの」とは…

同ドラマは、野島伸司が脚本を務めるオリジナル作品。高校時代のある事件をきっかけに10年間引きこもりの生活を送る女性を主人公に描く「ラブストーリーか、ミステリーか、人間ドラマか、社会派か」先が読めない予測不能の作品。

飯豊は、ボサボサ髪、スウェットにTシャツ、趣味はネットゲーム…引きこもり歴10年の20代女子の黒目すいを演じる。溝端淳平は、そんなすいの社会復帰を物語にしようと画策する小説家・公文竜炎を、陣内孝則がすいの父で、不器用ながらも娘を思う落ち目の漫画家・黒目丈治を演じている。

さらに、シシド・カフカはすいの父・丈治がレギュラー連載を持つ出版社の毒舌な編集長・来栖久美として、早見あかりが久美の妹で、公文と奇妙な同居生活を送っている来栖芽衣として出演。そして、すいの高校時代の同級生を若月佑美、井上祐貴、YU、片山友希、濱正悟が演じている。

蕾を救うために病院に通うすい

単行本の第一巻発売記念のサイン会で、オレンジ色のウイッグをつけた熱狂的なファン(山之内すず)が刃物で公文を襲った。丈治が咄嗟に公文をかばい、代わりに腹部を刺されてしまう。サイン会に来ていた瑞貴(若月)とリリ子(片山)らに付き添われ、丈治は病院に搬送された。

その現場にすいはいなかった。すいは公文の妹・蕾(白石聖)が入院している病院にいたからだ。10年前にバイクで事故を起こした時からずっと自分を見守ってきてくれた公文のおかげで“コモリビト”から抜け出せたすいは、今度は自分が公文と蕾を救いたい。そんな気持ちでいっぱいだった。いつも病室の窓から海を見ている蕾に対して、中庭でオレンジをはじめ、7色のウイッグをかぶってすいは「レインボー、パワー!」とメッセージを送った。

すいが公文を少しずつ変えていく

父・丈治が刺されて入院したことを聞いて、病院に駆けつけたすい。丈治がやりたいと言い出したサイン会を「ストレスの9割は対人関係」と考える公文が承諾したのは、「でも1割は素敵なことが」というすいの言葉がきっかけだったことを知った。

病院に報道陣がたくさん押しかけているが、丈治のお見舞いに行きたいと思った公文は長髪のカツラとナース服を着て変装して病室にやってきた。「命に別状がなくて良かった」と涙を流す姿は、ベストセラー作家の公文ではなく、本名の三島公平の姿だったのではないだろうか。

「何があってもみんな無事。命に別状なんかない。そんなハッピーな世界線があったらいいな。レインボーパワーで」

すいの素直な気持ちから出た言葉は、公文の心にもきっと届いたはず。

「雨に濡れなきゃ虹は見られない」

蕾のところへも足繁く通うすい。オレンジウイッグをつけて中庭からメッセージを送っていると、突然雨が降り出した。雨に濡れながらも、病室の中の蕾に手を振り、「雨に濡れなきゃ虹は見られない」と言って諦めない。

努力の甲斐があって、蕾はみずから病室から出て、すいの家まで一緒に行ったり、その後にはすいが「暑い!」と言ってウイッグを取ったのを真似して、オレンジのウイッグを取るにまで至った。ウイッグを取ったことで、別人格のアガサではなく、蕾自身を取り戻すことにも成功した。

公文が病室を訪れるとオレンジウィッグをかぶっていない蕾がいた。驚きながらも「いいお天気で良かったね」と話しかけると、「私は、雨も好きよ。お兄ちゃん」という言葉が返ってきた。

「期間限定の終わり。もう私には会わない」

蕾を迎えに来た公文は、最終回のストーリーを書き上げたことをすいに告げた。それをすいは「期間限定の終わり。もう私には会わない」と、これまでの関係性の終わりと受け止めた。

サッカー部が集まるフットサルコートに「たまたま通りかかった」という理由で立ち寄った公文に、瑞貴は「すいなら悠馬(井上)とデートです。最近しょっちゅう会ってるみたいで」とすいの近況を報告。公文がバーでお酒を飲んでいると、雨宮(YU)とリリ子がやってきて、「すい、江田くんの両親に会って」とリリ子もすいのことを公文に伝えた。

スマホに仕掛けた盗聴器を聞いてみると、江田とデート中のすいの声が聞こえてきた。最終回と同じように本当の海でプロポーズをしよう、とか「シャワーを浴びてくる」といった会話も。

編集長の久美に次回作の話をしに行くと、テレビCMの出演で人気がで始めたすいの恋愛発覚記事の早刷りを見せられる。相手は目線が入っているが、江田だというのがわかる。「別に不倫でもないのでいいのでは」と平静を装っている。

「私への気持ちがまだあるなら、公文竜炎の仮面を割ることができるはず」

丈治に「早く行けよ。大切な日だろ」と送り出されたすいは、江田からのプロポーズを受けるために本当の海へ。

公文も本当の海に来ていた。少し離れた場所から、江田がすいにプロポーズするところを見ていて、何も言わずに車を走らせた。

瑞貴やリリ子がすいの近況を公文に伝えたり、最終回と同じように本当の海でプロポーズをするというのは、実は全て嘘で、「普段は絶対だまされない。あなたがだまされるとしたら、それはあなたも私を好きな証拠。ジェラシー、嫉妬をしてくれてるのよ。私への気持ちがまだあるなら、公文竜炎の仮面を割ることができるはず」と考えたすいのシナリオだった。

本当の海で迎えた本当の最終回

10年前の事故現場で公文の車を待ち伏せたすいは、10年前と同じように車の前に飛び出し。「助けて」とボンネットに手をついた。しかし10年前と違うのは、「助けて」ではなく「助けて...あげる」だったこと。

そこで瞬時にすべてを理解した公文。みんなが協力して公文をだましていたことを。

蕾がみずからの意思で病室から出たように、すいは公文に自分の意思で外に出てほしいと願った。車から降りてきた公文が「勝手に公文竜炎のラストシーンを書き換えるなんて」というと、すいは「こっちのラストの方がずっと素敵」と。

「そうだね」と言ってすいに近づく公文。「待って。本当にいいの? ここから先は」とすいが確認すると、公文はにっこり微笑み、すいと一緒に「リアルになる」と答え、抱き合う2人。その後、砂浜を走ったりしてすいと一緒にはしゃぐ姿は公文ではなく、三島公平だった。

10年間”コモリビト”だったすいを外の世界に連れ出した公文。その公文が閉じ込めていた”三島公平”を、妹の蕾と共に外に連れ出したのがすい。その過程において、高校時代の仲間たちも救うことができた。「何曜日に生まれたの」は、どの人物がいなくても成立しなかった。そう思わせてくれる作品だった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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