久保史緒里“五徳”

有村架純“瀬名”を一喝 久保史緒里“五徳”が見せた“信長の娘”というプライドと呪縛<どうする家康>

2023.05.30 11:03
久保史緒里“五徳”

松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。家臣による謀反の顛末が描かれた5月28日放送の第20回「岡崎クーデター」では、家康の長男・信康(細田佳央太)の正室・五徳(久保史緒里)が瀬名(有村架純)を「無礼者!」怒鳴りつける衝撃のシーンも。久保が、五徳の複雑な感情を想像させる演技で存在感を見せつけた。(以下、第20回のネタバレがあります)

「浜松の殿は頼りになりませぬなぁ」

「どうする家康」は、誰もが知る戦国武将・徳川家康(松本)の人生を新たな視点で描く物語。「リーガル・ハイ」シリーズ(2012年ほか、フジテレビ系)の古沢良太が脚本を務め、一人の弱き少年が乱世を終わらせるまでの奇跡と希望の過程をつづる。

信玄(阿部寛)亡き後も、武田軍の強さは変わらず。第20回では、信玄の三回忌を済ませた勝頼(眞栄田郷敦)が徳川領に攻め込む展開が描かれた。

岡崎城を守る信康は、苦戦。そんな中、五徳だけは涼しい顔で「浜松の殿は病で臥せっておいでとかで、頼りになりませぬなぁ」と無遠慮な口ぶり。第17回では信康に「武田を打ちのめしてやりなされ」と励ましの言葉をかけていたが、夫婦の間には溝が生まれてしまったようだ。

「私は織田信長の娘じゃ!」

微妙な立場もあってか、負傷した三河の兵たちに対して瀬名のように手当てに動くことはできず、物陰から見ているだけ。「このような汚い男どもに触れるなんてできません」と不用意に口にしてしまい、三河の者たちの前で瀬名に「汚いとは何事か。そなたも三河のおなごであろう」と叱責されると激高し、「私は織田信長の娘じゃ、無礼者!」と言い放った。

実際、この時期は信長が足利義昭(古田新太)を将軍の座から追い落とすなど力を強める一方で、家康は武田に領土を脅かされ続け、信長との力の差は歴然。そんな情勢も、五徳の態度を硬化させたのかもしれない。まだ10代の五徳にとって、大きすぎる“父・信長”の存在が誇りでもあり、同時に呪縛でもあったであろうことは想像に難くない。

久保史緒里、笑顔封印でプライド高い姫を体現

そんな五徳を第17回から演じているのは、乃木坂46の現役メンバー・久保史緒里。今作が大河ドラマ初出演となる。

メンバーの中でも早くから演技力を発揮しており、ドラマ「クロシンリ 彼女が教える禁断の心理術」(2021年、カンテレ)で連ドラ初主演。映画「左様なら今晩は」(2022年)では映画初出演にして主演を務め、サラリーマン・陽平(萩原利久)と心を通わせていく“幽霊”愛助を愛嬌たっぷりに演じた。舞台やミュージカルにも挑戦しキャリアを積んでいる。

大きな瞳と、ふとした表情の愛らしさが印象的な久保だが、第20回ではチャーミングな笑顔を封印し、気位の高い織田の姫を体現した。瀬名を一喝する場面には、プライドを傷つけられたことへの怒りがありありと浮かび、「信康さま。このことはわが父に子細もれなくお伝えいたします。この者たちをしかと処罰なさいませ。この上なく、むごいやり方でなぁ」と吐き捨てながら謀反人たちに向けた眼差しも、ゾクリとするほど冷たい。

まだ10代…“五徳ちゃん”も話題に

出演にあたり、久保は「信長の娘でありながら、徳川家に嫁いだ五徳の心の動きや揺らぎは、誰も知り得ない非常に興味深い部分でした。父親の存在の大きさは計り知れないなと、彼女を見ていると思います」とコメントしていた。

大きすぎる父を持ってしまった五徳の複雑な心理を想像させる久保の演技に、視聴者からも注目が集まった。Twitterでは今回も「#どうする家康」がトレンド1位になったほか、孤立していく五徳の立場に理解を示す「五徳ちゃん、まだ10代だもんね…」「信長からの圧もあるだろうし」といった声も上がり、「五徳ちゃん」が一時トレンド20位圏内に浮上した。

6月4日(日)は第21回「長篠を救え!」を放送する。奥三河の長篠城が武田軍に包囲され、城主・奥平信昌(白洲迅)はピンチを伝えるため、鳥居強右衛門(岡崎体育)を岡崎へ送り出す。家康の求めに応じて岡崎にやってきた信長は、参戦の条件として家康にとんでもない条件を突きつける。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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