(写真左から)本広克行総監督、仲村トオル、舘ひろしが刑事ドラマへの想いを語った

舘ひろし「仲村トオルは恐ろしい俳優」、“あぶない刑事”から37年続く絆とハードボイルドのロマンを語る

2023.04.11 08:30
(写真左から)本広克行総監督、仲村トオル、舘ひろしが刑事ドラマへの想いを語った

dTVをリニューアルした新たな映像配信サービス「Lemino」が、4月12日よりスタートする。その旗揚げ作品の1つとして情報解禁された「さらば、銃よ 警視庁特別銃装班」は、本広克行氏が総監督を務め、仲村トオル、舘ひろし、豪華キャストが出演するオリジナルドラマだ。「踊る大捜査線」シリーズで一世を風靡した本広監督は、不朽の名作「あぶない刑事」シリーズ以来、強い絆で結びつく舘ひろし、仲村トオルとどんな作品を作ったのか。話を聞くとハードボイルド作品への熱い思いを聞くことができた。

舘ひろし「後世に残すべきもの」、ガン&カーアクションを今やる意義

ーー「Lemino」の旗揚げ作品の目玉として配信されることになったオリジナルドラマ「さらば、銃よ 警視庁特別銃装班」。本作が始動することになった経緯を教えてください。

本広克行監督(以下、本広監督):コロナ禍の時代、刑事物を描くのなら、みんなが楽しめるような作品、躍動感のあるものにしたいなと思いました。それで、田中エグゼクティブ・プロデューサーと話していたのですが、田中さんが車と銃が大好きな方で「そういうのやれないですか?」と聞いてきたんです。そのときは「やれなくはないですけど、お金かかりますよ」って言ったのですが、話をする中で舘ひろしさんと仲村トオルさんというキャストが見えてきて、「それならば!」と一気にその方向性へとシフトしていきました。

ーー舘さん、仲村さんが揃ったからこその、この作品テーマなんですね。

本広監督:そうですね。キャスティングありきでやりましたし、もしもこの2人でなかったとしたら、別のことをやっていたんじゃないかなとも思います。銃が似合う方って、シンプルになかなかいらっしゃらないので。ただ、舘さんやってくれるかな?って不安はあったのですが、別のイベントでバイクに乗って、銃をぶっぱなしてももいろクローバーZを助けているのを見て「これはいける!」と確信しました(笑)。

ーー舘さん、仲村さんはこの作品のオファーを受けたとき、どう思いましたか?

舘ひろし(以下、舘):僕はトオルがいるし、本広監督とは前からご一緒したかったし、2人がいらっしゃるなら、ぜひやりたいなと。内容はなんでもいいよというくらい、この2人がいることが貴重でした。

仲村トオル(以下、仲村):最初いただいた企画書に、作品の世界観は「西部警察」や「あぶない刑事」と描かれていたんですね。それを見たときに、昭和の終わりに舘ひろしさんと柴田恭兵さんの“愛の結晶”として生まれた僕ですから(笑)、やるべきだろうと思いました。しかも「あぶない刑事」のようなそれまでの刑事ものへのカウンターのような形で創られたという「踊る大捜査線」を大ヒットさせた本広監督と令和の時代に、アクション作品を創るなんて、どうなるのだろうとワクワクもしました。撮影規制が厳しくなった今の時代に、カースタントやアクションがどこまでできるのかも楽しみでした。

舘:アクション系のドラマや映画は“後世に残していくべき作品”だと思っています。ただでさえ減ってきているスタントマンの方や、拳銃を扱える役者がどんどん減ってしまっていて、いずれできなくなる恐れもあります。だからこそ、今のこの時代に、今回の作品が出来るというのはありがたいなと思いました。

ハードボイルドの美学、楽しさを知ってほしい 「あぶない刑事」オマージュも

ーー舘さんがお話しされたように、昨今ハードボイルドな作品が減っている印象もありますが、改めて本作の注目ポイントやおもしろさをお伺いしたいです。

本広監督:本作の冲方丁さんの原案の中にあった、組織論的な要素に、おもしろみを足しています。きっと、この原作の時点で、舘さん、仲村さんがやってきたことがすり込まれているのではないかなと感じたのですが、いざ形にすると想像以上におもしろくなりましたね。

舘:石原プロが制作したドラマ「ゴリラ・警視庁捜査第8班」という作品があるのですが、僕はあの世界観に近い作品をずっとやりたくて。そしたら、今回の現場に入ったときに、それに近い世界観を感じられました。

本広監督:車を見たときに、車をセットにした方がかっこいいなと思ったんです。それに、今の警察ではハッカーのような存在の人も活躍しているんだろうなと。舘さんからお話を聞いたときに、作品に要素として入れたいなと思いました。

舘:それから、もう1つの魅力が「セリフの楽しさ」かなと。ハードボイルドの世界には、おしゃれなセリフが多く散りばめられているんですよね。クラシックなところで言えば“君の瞳に乾杯”はまさにそうです。「007 ロシアより愛をこめて」や「007 ドクター・ノオ」、「ゲッタウェイ」といった僕にハードボイルドの世界を示してくれた教科書のような存在の映画に散りばめられているような、「男のロマン」「ハードボイルドの美学」を感じていただきたいです。

仲村:僕は、具体的に、このシーンというよりも、作品全体にいろいろな要素が詰まっていると感じました。例えば、ティザー映像を見て、気づいていらっしゃる方もいるかもしれませんが、36年前、1987年に放送された「あぶない刑事」の最終回で舘さんが演じる<鷹山>が言ったセリフを、この作品の中で僕が言っているんです。そのセリフを言ったときに、自分が歩いてきた道のりや、今現在思わぬところに立っているなということを感じて、とても感慨深かったです。

仲村トオルは「昔から天才」、舘ひろしは「灯台のような人」

ーー「あぶない刑事」シリーズに始まり、付き合いの長いおふたりです。今回、共演してみて改めて感じたお互いのすごみや魅力を教えてください。

舘:僕は、トオルはずっとすごいと思っています。天才です。アドリブをエンドレスでできますし、すべての状況を全部わかって的確なことができる“恐ろしい俳優”なんですよ。しかも、それを20歳ぐらいでできていた。本当に天才だなと思っています。

仲村:本広監督がほぼ全部の演出を担当した6話の中に、僕が演じた<真木>が舘さんが演じた<花田>の人物像を語るシーンがあるのですが、それは僕自身が舘さんに対して思っている印象を、制作プロデュ-サーの方に話した内容がほぼそのままセリフになったんです。

舘さんは、僕にとってずっと「灯台のような人」なんですよ。どこからでも見える、そして自分がどこにいるか、どこに向かえばいいかを教えてくれる人だと。「あぶない刑事」で最初にお会いしたときも、「あぶない刑事」リターンズのときも舘さんや柴田恭兵さんを前にすると「15年後、あんなにかっこいい男になれるかな」って考えてしまったんですよね。出会ってから37年間、もちろん今も、ずっとそう思い続けさせてくれるのがすごさであり、ありがたさだなと感じます。

舘:僕の中でも「あぶない刑事」の4人の存在は、本当に強くて。会うといつでもあの時代に戻れるんです。だから、嬉しいです。

仲村:実は以前、浅野温子さんがインタビューで「トオルの背中が、舘さんと恭兵さんに似てきたと思った日があった」と話していたんですね。僕、それを聞いたときに舞い上がるほど嬉しくて!でその日は、10分に1回、そこのページを読み返したほどです。ただ、あとあと浅野さんに聞いたら「私そんなこと言ってないよ?」って言われたんですけどね(笑)。

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