ドラマスペシャル「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」に出演する畑芽育にインタビューを実施した

畑芽育が飛び込んだ新境地 竹内涼真の演技に圧倒され火が付く「負けてられない」<ペルソナの密告>

2023.03.22 05:00
ドラマスペシャル「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」に出演する畑芽育にインタビューを実施した

3月24日(金)に、沢村一樹主演のドラマスペシャル「ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者」(夜8:00-9:48、テレビ東京系)が放送される。同作は、過去にある事件で妻を殺害された元刑事・獅子舞亘(沢村)が「連続誘拐事件」の真相に迫るヒューマンサスペンス。事件の容疑者とされる解離性同一性障害(DID)の青年・元村周太役には竹内涼真が配役されている。

WEBザテレビジョンでは、獅子舞の娘で、母親を亡くしたトラウマから元村と同じ解離性同一性障害(DID)を抱える獅子舞音役の畑芽育にインタビューを実施し、DIDへの向き合い方や役作り、共演者の印象、これから目指す俳優像などについて聞いた。

「何回読んでも自分がうまく演じている想像がつかなくて…」

――台本を読んだ率直な感想をお聞かせください。

難しいだろうなという…。やはり実際にその症例に苦しんでいる方々がいるので、それを私が演じ切れるものなのだろうかという葛藤はすごくありました。撮影前の早い段階から台本をいただいていて、何回も読み返していたのですが、何回読んでも自分がうまく演じている想像がつかなくて、それがすごく大変でした。

――獅子舞音の人物像を教えてください。

DIDというのは音にとっては人生の中で大きな壁になっていると思うのですが、お父さんとの普段のやり取りや彼女の性格を考えていくと、音は別の人格になっている時の記憶がないとはいえ、すごくうまく生活しているように思えて。

それは簡単なことではないですし、きっと音の中でもすごくいろいろな問題もあって、難しいところもあったと思うんです。でも、高校生ながらに自分の症例と向き合って等身大で生きようとする部分が見えたので、演じる上でそこを意識して、素直な女子高生でいられるようにしました。

――音は自分の症例としっかり向き合い、前向きに生きようとしているのですね。

そうですね。普段は純粋な女子高生で、元気いっぱいで反抗期で思春期で…という17歳らしい17歳を演じられるように意識しました。

振り切った芝居で、新境地へ

――監督や周りの方から、何かアドバイスは受けましたか?

監督には聞きたいことはたくさん質問させていただいて、相談しながら演じました。悩むこともたくさんあったのですが、全部うまく返してくださって、私の中の絡まった糸をほどいてくれるような助言をしてくださるので、すごく助けられました。

全体的にどうしたらいいのかなとずっと思い悩んでいたのですが、キャストの方も含めて、スタッフの方々からも「思い切りやっていい」と助言していただきました。

今までの自分の作品を振り返ってみても、振り切ったお芝居をすることはそんなになかった印象が自分の中であって、だから今回この作品ですごく学ばせてもらうことも多かったですし、ひと皮むける、大きな一歩となる作品になったと思います。

幼い子供の人格に「どこまでやっていいのだろう」と葛藤

――撮影中、大変だったエピソードがあればお聞かせください。

音が幼い子供の人格になってしまうところがありますが、最初は「どこまでやっていいのだろう」という線引きが難しくて。ふざけているように見えるのは絶対に嫌だし、でも、落ち着きがありすぎてもそれは別の人格には見えないし…というふうに、その加減がすごく難しかったのを覚えています。

自分なりにいろいろ調べたり、DIDのことについて勉強していく中で、この症例は、症状が本当に人それぞれなので、形にとらわれず、思い切って飛び込んでしまえばいいのかなというふうに自分の中に落とし込んで挑みました。すごく成長できましたし、達成感がありました。

――DIDについては、どのように勉強されましたか?

いただいた資料を読み込んで、その上で、DIDなどを取り上げているドラマを参考に見たり、なるべくドキュメンタリーなどリアルな姿が分かる動画を見ました。

――逆に楽しかったことがあればお聞かせください。

今まで、ここまで怒鳴ったり大きい声を出したりする役がなかったので、あまりやったことのない役を預けていただくというのは役者としてすごくやりがいもあり、純粋に楽しかったです。

竹内涼真の“切り替え”に驚がく

――沢村一樹さんの印象をお聞かせください。

事務所の先輩である沢村さんは、初めてお会いしたのですが、すごく優しくフォローしてくださいました。沢村さんとは本読みやリハーサルができなかったのですが、現場に入った瞬間から親子の空気感を作ってくださり、本当に自分の父親のような、温かい人間性の沢村さんを見て、音としても引き出されるものがありました。

――竹内涼真さんの印象をお聞かせください。

竹内さんも、今回初めてご一緒させていただきました。私と同じDIDを抱える役だったのですが、リハーサルの段階から圧倒されてしまうくらいの熱量を持ってお芝居をされていて。私も自分の中で作り上げてきたものがあったつもりではいたのですが、リハでの竹内さんの姿を見て「負けてられないな」と思い、火を付けられました。

初めて元村さんと鉢合わせて、元村さんの人格が変わる瞬間を目の当たりにするシーンがあったのですが、そこは音というか畑芽育として普通に驚いてしまったというか。言葉でうまく表せないくらいに、「豹変する瞬間、人間ってこんなふうになるんだ」っていうのをケロッと演じちゃうんですよ。それが本当にすごくて。

――竹内さんは豹変する瞬間がフォーカスされますが、畑さんは既に人格が変わってからのシーン替わりが多いかと思います。となると、竹内さんとは見せ方が変わってくるのでしょうか?

そうですね。音が初めて人格が変わって出てくるシーンも、どうやって気持ちを持っていこうかなと考えました。普段普通の役をやる時もよくやるのですが、シーンの最初の感情とかをブツブツ言うんです。そこで火種を付けて感情を湧き上がらせてから演じていたのですが、竹内さんはそれをシーンの最中にやってしまうので、「わ…!」って思いました(笑)。

――今回の役は、特に切り替えの難しさがありそうですね。

普段よりパワーがいるなというふうには思います。人格が変わるシーンじゃなくても緊迫したシーンが多く、役に入っているのでずっと背中の奥の方が凝り固まっているというか、ずっとドキドキハラハラしている自分がいて、パワーのいる作品でした。

――役者さんの中には、直前まで雑談していてもスッと役に入れる方と、現場入りの時から役に入っている方といらっしゃいますが、畑さんはどちらのタイプですか?

私は雑談とかギリギリまでするのですが、本当はあんまりしゃべりたくないんです(笑)。竹内さんも結構ギリギリまでにこやかにしゃべってくださるのに、(カメラが回ると)急に怖くなるので、その切り替えが本当にすごい上手というか、どこに本心があるんだろうと逆に怖くて(笑)。

お二人ともカメラが回っていないところですごくにこやかに和やかにお話してくださるので、ついついつられてそのままの感じでいってしまったりするんですけど(笑)。しっかり切り替えて臨めるように頑張りました。

頭の中でのイメージに苦戦

――かなり骨太なヒューマンサスペンスですが、サスペンスというジャンル自体は得意ですか?また、サスペンスならではの取り組み方があれば教えてください。

見るのは大大大好きなのですが、自分が実際に演じた経験は、物心ついてからの記憶の中でもないんです。幼少期は、自分の出ているシーンしか台本を読まなかったんですよ(笑)。「このせりふを言わないといけない」「このシーンに出る」という認識しかなくて、台本をちゃんと見ていなかったんです。

だから、お芝居をする楽しさも分かっていなかっただろうし、せっかく台本をいただいているのに作品の面白さを100%楽しんでいなかったと思います。成長するにつれて、役者としてどういうふうに過ごしていけばいいのかや、台本の読み方を学びました。

そんな中でこのドラマの台本を読ませていただくと、何回読み返してもやっぱり実際に映像になるまではなんとなく不安といいますか、自分が今演じたところはどういうきっかけやアクセントになるのだろうと頭の中でイメージするのが難しかったです。

これからも本はたくさん読まないといけないと思いますし、今回も映像になった時に、思い描いていたイメージがどういうふうに映されているのかというのを、台本と見比べながら考えていくことが大事なのかなと思いました。

――獅子舞は娘を包み込むような性格ですが、ご自身のお父様はどのような方ですか?

私はこの活動を小さい頃からやっているのですが、小さい頃からずーっと応援してサポートしてくれているし、娘の私から言うのもおこがましいですが、申し分ない父親だと思います(笑)。

いつか、伊藤沙莉のような「自由自在に色づけてもらえるような役者」に

――今後どういった俳優になっていきたいかお聞かせください。

私、伊藤沙莉さんがすごく好きで。いつかお仕事をご一緒できたらいいなと思っています。よく言われることかもしれませんが、役の振り幅がある役者さんってすごく魅力的だし、伊藤さんのことを見ていると、裏表のない役者さんだなと思うんです。

私も素の状態で挑み、常にゼロの状態で透明なまま現場に飛び込んで、そこで各監督さんの色に染まれるように。そういう自由自在に色づけてもらえるような役者さんになれたらいいなと思っています。

――最後に、視聴者にメッセージをお願いします。

今回私は、DIDという症例を抱えた女子高校生を演じます。同じ症例を抱える竹内さん演じる元村の人格が変わる瞬間は、私も間近で見ていて見入ってしまうくらい本当にリアルで、そんな表現をドラマで映すことってあんまりないだろうなというくらい、人間味あふれるお芝居です。

また、たくさん伏線が張ってあって、2時間ドラマなのがもったいないくらいすごくいろいろ凝縮されていて、サスペンス要素もすごく見応えがあります。

DIDという症例を知らない人たちにも、今回このドラマでそういう方々がいることを知ってもらえたらうれしいですし、私としても今まで経験したことのないような役柄だったので、お芝居に注目して見ていただければうれしいです。

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