(左から)白井晃、細田佳央太、豊原江理佳、東野絢香、松尾諭(提供写真)

細田佳央太ら、舞台「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」上演決定 出演者発表

2023.02.17 12:00

俳優の細田佳央太らが出演するせたがやこどもプロジェクト2023『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』が、8月に東京・世田谷パブリックシアターにて上演されることが決定した。


白井晃演出「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」上演決定

世田谷パブリックシアターでは「せたがやこどもプロジェクト 2023」ステージ編、夏休みの子どもも大人も楽しめる演劇作品として、イギリスの劇作家フィリップ・リドリーの児童小説作品『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』を上演。この作品はまつもと市民芸術館を拠点として活動する劇団・TC アルプのために白井が2012年に創作した作品だが、今回新たに、成長著しい若手の俳優たちとともに今を生きる子どもたちのための作品として世田谷パブリックシアターでリクリエイションする。

白井はこれまで多くのリドリー作品を手がけ、世田谷パブリックシアターでもこれまでに『ピッチフォーク・ディズニー』『宇宙でいちばん速い時計』『ガラスの葉』『マーキュリー・ファー Mercury Fur』『レディエント・バーミン Radiant Vermin』と、作・リドリー×演出・白井のタッグで5作品を上演してきた。「彼の作品に出会った瞬間から、そこに書かれている世界が、頭の中に絵として浮かび上がってきてしまう」と自らが語っているように、リドリーは白井がもっとも共鳴する劇作家と言える。

細田佳央太・豊原江理佳ら「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」出演決定

主人公のメルセデス・アイスを演じるのは、新進気鋭の細田。白井演出作品に感銘を受け、出演を熱望していたという細田だが、白井は映像作品で活躍する細田の演技に以前から注目しており、今回満を持して主人公のメルセデス・アイス役に抜擢した。

メルセデスの幼なじみで純粋な女の子のヒッコリー役には、舞台を中心に活躍する若手実力派俳優の豊原江理佳。重要な役割を果たすことになるこの役を豊原に託した白井は、豊原が舞台で発揮するエネルギーと類稀な存在感に期待を寄せている。

メルセデスの母のロージー役には、NHK連続ドラマ小説「おちょやん」でみせた繊細な演技が注目され、映像作品と舞台作品での活躍がめざましい個性派の若手俳優・東野絢香。さらに、物語全体を支える影のタワーの作業員(作品全体のナレーター)役は『アルトゥロ・ウイの興隆』『バリーターク』にも出演し、白井が絶大な信頼をおく俳優の松尾諭が演じる。

白井のもとに集結した魅力溢れる旬の俳優たちとともに、子どもも大人も楽しめるリドリーの児童小説作品『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』を新たに立ち上げる。

白井晃演出「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」

この物語は、街の中心にそびえ立つ巨大なタワー(Shadow Point)を軸に、その街に暮らす3世代にわたる人物たちが、愛や憎しみ、喜びや悲しみとともに生きる様子が描く。登場するのは近所の魚屋やケーキ屋、高層アパートの建設など、どれも身近な事柄ばかりだというのに、なぜか見たことのない奇妙で幻想的な世界が広がっている。それでもふと気がつくと、いま生きる人生や社会の本質が浮かび上がってくるような不思議な魅力に満ちている。

「せたがやこどもプロジェクト 2023」ステージ編の演劇公演として、リドリーのどこか奇妙で不思議な独特の世界へと子どもたちを誘いざないながら「劇場をもっと開かれた場に」という想い、そして「子どもたちに劇場空間を存分に感じてほしい」という願いを込めて、芸術監督・白井がこの夏休みに子どもにも大人にも“心に残る演劇体験”をお届けする。(modelpress編集部)

「メルセデス・アイス MERCEDES ICE」あらすじ

ここは影のタワー、おまえの王国よ。欲しいものはなんでもあげる。この世界はみんなおまえのもの。

メルセデス・アイスは影のタワーのことならなんでも知っている「影のタワーの王子」。ある日、世界は黒と白の色のない世界に。おもちゃのロボット、ドールハウス、お菓子やチョコ…最後に欲しかったのは「色」だった。

母・ドールと父・ハロルドの間に生まれた女の子・ロージーと、母・サンドラと父・ヨゼフの間に生まれた男の子・ティモシーは出会い、成長。ロージーとティモシーは“影のタワー”が大好きだった。

ロージーとティモシーは結婚して大好きな影のタワーに暮らしている。喧嘩をしたり、太ったり、いつしか毛が薄くなったりしながら暮らす2人。やがてロージーとティモシーの間に男の子・“メルセデス・アイス”が誕生する。

時が経ち、影のタワーは汚れて朽ちていった。ミセス・アイスはメルセデス・アイスを溺愛し、求めるもの全て与えるようになった。メルセデスと隣室に住むヒッコリーは共に成長し、古びたタワーの中で一緒に遊ぶようになるが、自分を「影のタワーの王子」だと思っているメルセデスのわがままにヒッコリーは振り回されてしまう。ある日、甘やかされたメルセデスを諫めたヒルダとミセス・アイスは仲違いする。この2組の家族のもめごとが、最後、タワーの大爆発へと繋がっていく…。
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