吉沢亮主演「PICU 小児集中治療室」を支える、柊木陽太ら子役たちの熱演
吉沢亮が主演を務めるドラマ「PICU 小児集中治療室」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)。12月5日に放送された第9話にいたるまで、吉沢演じる新米小児科医が向き合う小さな患者に扮(ふん)する子役たちの優れた演技が光っている。(以下、本作ほか出演作のネタバレがあります)
吉沢亮演じる小児科医“しこちゃん先生”が奮闘
同ドラマは「大規模なPICUの運営は極めて困難」とされる広大な北海道で、吉沢演じる“しこちゃん先生”こと新米小児科医・志子田武四郎が先輩医師らと共に、どんな子どもでも受け入れられるPICU(Pediatric Intensive Care Unitの略称で小児専門の集中治療室のこと)を作るため、そして、1秒でも早く搬送できる医療用ジェット機の運用を実現するために奔走する姿を描く。
“子どもの命”をテーマに「生きるとは」「命とは」「家族とは」という問いに、真正面から向き合うメディカル・ヒューマンドラマとなる。
武四郎の上司で、日本各地でPICUの整備を推し進めてきた小児集中治療のパイオニアである植野元を安田顕、武四郎と同時期にPICUに配属された救命医・綿貫りさを木村文乃、植野にヘッドハントされてPICUにやってきた看護師・羽生仁子を高梨臨、武四郎の幼なじみの救命医・矢野悠太を高杉真宙、同じく幼なじみの小児外科医・河本舞を菅野莉央、武四郎が子どものころから好きだった涌井桃子を生田絵梨花、女手一つで武四郎を育てた母・南を大竹しのぶが演じる。
第9話では、がんを患う母と医者の息子の対話を9分半で見せた、吉沢と大竹の圧巻のシーンが話題になった。目や細やかな仕草で感情を表す吉沢と、大竹や先輩医師役の安田らの演技は見応えのあるものとなっているが、吉沢“武四郎”が出会う小児患者たちを演じる子役もまたすばらしい。
視聴者の涙を誘う、子役たちの名演技
武四郎は子どもの患者たちと向き合いながら成長してきた。
第1話では発症から4時間が経過してPICUに運び込まれるも残念ながら亡くなってしまった5歳の少女・鏡花(磯村アメリ)。次に起きたら必ず助けられるようにとミーティングを行う植野たちの姿に、武四郎は医師として新たに歩み出した。
第2話では、やけどを負った姉弟で、9歳の莉子(田中乃愛)、6歳の理玖(中村羽叶)。莉子に「本当のことを教えてほしい」とせがまれて絶望させてしまい、未熟さゆえのミスが見られた。
第3話では交通事故にあった7歳の淳之介(松本晃士)。第4話は生後7日目の赤ちゃん、第5話は武四郎が研修医のころから知っている急性リンパ性白血病の10歳の少女・日菜(小吹奈合緒)と、拡張型心筋症を患っている12歳の圭吾(柊木陽太)。第7話では急性腹痛と嘔吐で運ばれてきて両親から医療ネグレクトを受けていた5歳の少女・七海(宮崎莉里沙)、第8話では、公園で事故にあってしまった10歳の2人の少年、大輝(森島律斗)、光(寺嶋眞秀)。第9話では、男手一つで自分を育ててくれる父を気遣う気管支ぜんそくの紀來(阿部久令亜)。
それぞれ、懸命に病と闘う子どもたち。恐れ、不安な気持ちがある一方で、他者を気遣う様子を見せたり、子どもらしい笑顔もあったりと、演じる子役たちが繊細な心の動きを見事に表現し、視聴者の涙を大いに誘っている。
優しさと強さを表現する柊木陽太
なかでも注目された一人が、圭吾を演じる柊木陽太だ。心不全の憎悪を何度も経験している圭吾は、心臓移植が必要だったが、希望していなかった。
その理由を第6話で武四郎に「僕より大変な子がいて、その子から(心臓を)もうらうんでしょ? 早く子どもが死んじゃいますようにってお願いするみたいだ」と明かした。
その優しさを知った武四郎の“修学旅行”と題した治療計画をきっかけに圭吾は移植を受ける決意をしたのだが、第8話では、感染症で予断を許さない状況に。そんななかでも、同じ病室にいる意識不明の光を心配する大輝にアドバイスして、変わらない優しさを見せた。だが、再び容体が急変。懸命の治療もあって目を覚ました圭吾は、「もし俺がだめだったら、俺の体をあの子(光)にあげて」「俺の命、無駄にされたくない」と武四郎に訴えた。
圭吾の優しさと強さを、柊木は丁寧に演じる。
2021年の7月期ドラマ「ボクの殺意が恋をした」で俳優デビューした柊木。同作では、中川大志が演じた主人公の幼少期の役で、この世界に入ったのが中川の出演作を見てという柊木にとって、奇跡の縁がつながった。
その後、10月期ドラマ「最愛」(TBS系)で主人公の弟の幼少期、11月から放送がスタートした連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK総合)ではオダギリジョー演じる錠一郎の幼少期を演じた。そして、2022年1月期の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」では主人公の幼少期と、デビューから3クール連続でドラマ出演を果たした。また、6月~8月にNHK BSプレミアムとディズニープラスで配信され、現在NHK総合で放送中のドラマ「拾われた男」では、草なぎ剛演じる主人公の兄の幼少期で出演。
デビュー以後、話題作のキャラクターの幼少期に抜擢され、存在感を放ってきた。その確かな演技力を今回も存分に発揮している。
純粋ゆえに武四郎に悲しみをぶつけた優里を演じる稲垣来泉
そしてもう一人、圭吾の幼なじみ・優里を演じる稲垣来泉。
第6話で函館から札幌にあるPICUに転院したばかりの圭吾は、2年ぶりに会いに来てくれた優里にも冷たい態度をとってしまっていた。そんな圭吾をみて、涙を流して心配していたが、武四郎の“治療計画”の最後には未来の約束をし、「大好き!」の言葉を交わした。病気の圭吾を勇気づける優里の、小さな恋の物語が感動を呼んだ。
しかし、第9話では圭吾が終末期を地元で過ごすことになったとは知らない優里は、話せなくなった状態を見て、ショックを受けた。そして武四郎に会いに行き、「何で見捨てちゃったの? お医者さんなら治してよ」と訴えた。
子どもゆえの純粋さで武四郎に思いをぶつけてしまう展開。思いを寄せる相手が死に近づいているかもしれない恐怖を抱えた涙の表情は秀逸だった。
2011年生まれの稲垣は、2019年の「TWO WEEKS」(フジテレビ系)で主人公の白血病を患った娘を演じて注目された。以後、多数のドラマや映画などに抜擢され、2022年は7月期の「オールドルーキー」(TBS系)での主人公の娘役、連続テレビ小説「ちむどんどん」(NHK総合)での主人公の幼少期と主人公の孫で登場したのが記憶に新しい。なお、連続テレビ小説では2016年の「とと姉ちゃん」、2019年の「スカーレット」にも出演している。
柊木、稲垣はじめ子役たちの演技が本作を盛り上げる一端を担っていることは確かで、これからさまざまな作品でまた顔を見られる日が楽しみだ。
とはいえ、まずは本作。第9話ラストは、稲垣演じる優里の言葉を受け、「医者って何なんですかね」とつぶやいた武四郎が退職願を出して病院を去った。
次回、12月12日(月)放送の第10話では、心配した悠太ら幼なじみの面々が自宅を訪れるが、武四郎は「ひとりにしてくれ」と追い返してしまう。PICUは研修医のころの武四郎が北海道知事に出した手紙が設立のきっかけとなった。そして、そのPICUで子どもたちと向き合いながら成長してきた武四郎。第1話であった植野からの「志子田くんにとって医者の仕事って何なの?」という問いに、最終的にどんな答えを見つけるのか、注目だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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