裕福さを鼻にかけず、誰にでも気さくに接する令嬢・ジェヒ(チョン・チェヨン)

元K-POPアイドル2人が“美人令嬢”役で競演 チョン・チェヨン&ヨヌに注目<ゴールデンスプーン>

2022.10.08 11:10
裕福さを鼻にかけず、誰にでも気さくに接する令嬢・ジェヒ(チョン・チェヨン)

9月23日より「ディズニープラス」にて配信中の韓国ドラマ「ゴールデンスプーン」で、ストーリー展開に大きくかかわる重要な役割を担っている2人の女優、チョン・チェヨンとヨヌ(ヨンウともいう)はともにアイドル出身の女優だ。韓国では演技もできるアイドルのことを「演技(ヨンギ)ドル」と呼ぶが、チェヨンとヨヌは現在は“二刀流”ではなく、女優のみで勝負している。アイドルデビューの年も年齢も近い2人を深掘りする。

貧富に関係なく相手に接する暖かい心の令嬢・ジュヒ

「ゴールデンスプーン」は、親を替えることができる金のスプーンを手に入れた貧しい家庭の青年・スンチョン(ユク・ソンジェ)が、それを使って金持ちの息子と入れ替わる物語。夢にまで見た裕福な生活を手に入れた青年が、1カ月後、1年後、10年後に訪れる“元の人生に戻るチャンス”でどのような選択をするのかも見どころの人生アドベンチャーストーリー。同名のウェブトゥーンが原作だ。日本では「ディズニープラス」の「スター」ブランドで毎週金曜土曜に最新話が追加され、韓国のOAと同日に見ることができる。

チェヨンが演じるジュヒは、御曹司・テヨン(イ・ジョンウォン)の幼なじみでいいなずけでもある財閥令嬢。親の金に頼りたくなくてコンビニでバイトをしている。正義感が強く明るい性格だが、子供のころ、ある事件が元で仲たがいした同級生・ナラが突然病死してしまい、仲直りできないままになってしまったことが心の傷になっている。

ジュヒは、バイト先のコンビニでスンチョンと知り合い、魅かれ始める。スンチョンがテヨンと入れ替わった後は、“スンチョンが好き”という状況は継続されるため、(スンチョンとなった)テヨンに好意を示しているが、テヨンがスンチョン、スンチョンがテヨンに思える瞬間があり、混乱していく。

透明感のある演技が持ち味のチョン・チェヨン

チェヨンは、2015年にガールズグループ“DIA”のメンバーとしてデビューするが、翌2016年にサバイバル番組「Produce101」に挑戦。最終順位7位となり“I.O.I”のメンバーとしても1年間活動した。ドラマデビューは、2016年の「おひとりさま~一人酒男女~」。メインキャストの1人として、予備校仲間を惑わせる公務員試験の受験生・チェヨン役を自然な演技で演じた。初の本格ドラマにもかかわらず、たしかな演技力で、“新人ヨンギドル”に向けられがちな批判的な声はほとんど聞かれなかった。 

彼女の持ち味は、キラキラした透明感。ガラスのような繊細さ、アクリル板のような柔軟さ、ダイヤモンドのような強さ…その時々で変化する。そんな持ち味を生かして、主役やキーパーソンの少女時代を演じ、高評価を受けていたが、女優として注目度が上がったのは、2021年の「恋慕」。幼いころから片想いしていた世子と結婚できて無邪気に喜びを爆発させるかわいい姿を見せたかと思うと、世子に常にどこか距離を置かれて寂しさでいっぱいになったり、触れ合いも拒否され、絶望したり…と、様々な感情を豊かに演じ、女優としての才能を示した。

2021年9月に事務所との終了にともない“DIA”も活動終了。イ・ビョンホンやキム・ゴウンなど一流の俳優が多く所属する大手事務所と新たに契約を結び、今後の女優としての活躍が期待されている。

ちなみに、I.O.Iで演技の道に進んだメンバーは、「お見合い結婚」のキム・セジョンを筆頭に、「美男堂の事件手帳」のカン・ミナ、「九尾の狐とキケンな同居」のキム・ドヨン、「イミテーション」のイム・ナヨン、映画「ユンヒへ」のキム・ソヘ、と、全員成功している。

とどまることを知らない欲のかたまりの令嬢・ヨジン

裕福な家庭であることをむしろ否定するかのようなジュヒに対して、ヨヌが演じるヨジンは現在の恵まれた環境でも物足りなく、もっとお金が欲しい、もっと!と欲のかたまりの少女だ。その欲求を満たすために、御曹司のテヨンを何とかモノにしたいと思っているが、相手にされずイラだちを隠せない。そしてヨジンには重大な秘密がある。ジュヒから、「ナラが一時期ヨジンの家に住んでいた」と聞いたスンチョンは、ある仮定にたどり着き、ヨジンを問いただし、今後、スンチョンとヨジンは秘密の共有をする仲となっていく。

「新しく面白い演技をしたかった」というヨヌは脚本を読んで、シンクロ率0%で自分とは正反対のヨジンをどうしても演りたくて、監督にあふれる熱意を訴えたそうだ。

清純から性悪までオールラウンダーなヨヌ

ヨヌは、2016年にサバイバル番組で合格してガールズグループ“MOMOLAND”のメンバーとしてデビュー。だが、演技の道に進みたいと2019年に脱退。同年「ペガサスマーケット」の専務の娘でスーパーの娘・ジナ役で本格的にドラマデビューを果たした。演技のレッスンは特に受けていないが、自然で存在感のある演技で順調なスタートを切った。

その後も、「アリス」では主役のキム・ヒソンの義妹や「浮気したら死ぬ」では主役の夫を惑わす女子大生、「ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~」では、主演のキム・ミンジェを狙うワガママな国会議員の娘…と、清純から性悪まで、様々な顔を見せてきた。

活動が短かったせいか、“MOMOLAND”のメンバーだったことはあまり知られておらず、「アイドルもできそう(なほどの美しさ)」との声もよくきかれる。それほど、女優として認められているのだ。彼女も今年2022年に、ハン・ソヒやチョン・イルなどが所属する俳優事務所に移籍した。

ジュヒとヨジンは、スンチョン、テヨンも含めてドラマではギスギスした関係だが、実際の彼らはイ・ジョンウォンを最年長として1歳ずつ違いで、普段も連絡を取り合うほど仲良くなったんだとか。そんな相性の良さと絆が作品のクオリティにも反映されて、回を追うごとに視聴者の没入度を高めている。

「生まれつきの才能ではないから、一生懸命やらなくちゃ、もっとがんばらなくちゃ、と常に思って努力している」と言うチェヨンと、「演技は、私にとって“上手くやらなくてはならない宿題”」と言うヨヌ。女優としてさらに飛躍するために決意も新たに再スタートを切った2人の演技合戦にも注目したい。

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