DJ KOO 撮影/荻原大志

DJ KOOがプロとしての心得を徹底解説「61歳の今が一番DJとして充実している」

2022.08.26 13:03
提供:ENTAME next

TRFのDJでありリーダーとして、日本のダンスミュージックシーンを牽引したDJ KOO。近年ではバラエティ番組にも数多く出演し、幅広い層から人気を集めている。いまだ現役バリバリで第一線を突き進んでいるDJ KOOにプロとして仕事を続けていく秘訣を聞いた。

(前中後編の中編)

──「毎日のコツコツした積み重ねが大事」とDJ KOOさんは主張しますが、DJも職人の世界と同様に継続することでスキルが上がるものなのでしょうか?

DJ KOO(以下、KOO) 確実にスキルアップするでしょう。手前味噌かもしれませんが、僕自身、61歳の今が一番DJとして上手くなっている手応えがあるんです。なぜかと言うと、僕の場合はプレイするジャンルが一気に広がったから。僕が20代の頃というのは「DJ=クラブ」だったんですね。そのお店に集まるお客さんが好きなジャンルで満足させればそれでOKだった。だけど今の僕はクラブだけじゃなくて、アイドルイベントや盆踊りでもプレイする。ゲームコンテンツに仕事で関わることもある。ジャンルの壁なんて関係なく様々な音楽に触れることで、DJの可能性が広がったんですよ。

──そういうものなんですね。

KOO あとはやっぱり現場を踏んだ数! ライブとDJって全然違うんです。ライブというのは自分たちのことを観にきたお客さんに向けて演奏するけど、DJの場合は遊びに来ているお客さんに対してリアルタイムの選曲で楽しませてピークを作っていく作業なんです。非日常の空間の中、「あ~、今日は気持ちよかったわ。明日も頑張るか」って感じてもらうことが大事で。ヒット曲ばかり流していても飽きられちゃうし、そこは現場の雰囲気を捉えながら臨機応変に対応することが求められるんですね。そうなると、やっぱり経験値は大事ですよね。

──なるほど。奥深い世界です。

KOO たとえば先日も大阪のディスコでプレイしてきたんですけどね。やっぱり結構いろんなことを考えました。「コロナもあったから、久しぶりの人も多いだろうな」「いつもより客層が若い。EDM中心だとついてこれないかもしれない」「だったらTikTokでバズっているJ-POPをメモリスティックにいっぱいダウンロードしよう」「その流れで飽きられてきたらヒット曲を一発挟もう」「そしてフィニッシュホールドはこのあたりかな」……こうした下準備やシミュレーションは若い頃よりたくさんやるようになりました。

──それも今までの経験があるから可能なことかもしれません。

KOO DJといっても、ミックスとか繋ぎの技術だけだったら練習すれば誰でもできるんですよ。でも、本当に大事なのはそこじゃない。選曲とか雰囲気づくりのほうがよっぽど大事だし、難しい。いきなり古い曲が入ると、それだけでガラリと空気が代わったりもしますので。そこは本当にトライ&フォローの繰り返しですよね。そもそも根本的な話として「なぜ自分は音楽をやっているのか?」というところに戻ると、みんなに笑顔を届けたいからなんですよ。とにかく現場で喜んでもらわなくちゃDJなんている意味がない。あくまでも主役はお客さんだから。

──これまで特に印象に残っている現場は?

KOO 最近だと音楽ゲーム「beatmania」のイベントは強烈でしたね。beatmaniaのプロリーグ(BEMANI PRO LEAGUE)が始まるということで、そのオープニングDJをしたんです。beatmaniaで使われている曲縛りで選曲することにしたんですけど、なにしろ25年くらい続いている人気ゲームだから曲の数が膨大で……。ダブもあれば、トラップもあれば、ユーロビートもある。それこそビートが無尽蔵にあるから、展開を作るハードルがめちゃくちゃ高かった(笑)。1週間くらい、ずっと下準備していたな。

──話を伺っていると、改めて仕事への取り組み方が柔軟ですね。一般的には年齢を重ねるほど偏屈になる人も多いですが。

KOO いや、逆に僕も若い頃は「DJなんだから、そんなことできない」とか狭い考えでいましたよ。だからこの記事を読んでいる若い人に伝えたいんだけど、とりあえずまずはやってみること。その一歩踏み出すアクションが大事だと思うんです。要するにトライ精神ですよね。たとえば「アニソンのDJをやってみませんか?」と言われたとき、「ジャンルが違う!」って入口で閉じるんじゃなくて、「今まで培ってきたクラブDJのノウハウやスキルでどこまで通用するか?」と好奇心を持つ。そういう発想があれば、おのずと道が開けていくはずですから。

──今やバラエティ番組でも引っ張りだこのKOOさんですが、それだって最初は大きなチャレンジだったかもしれません。

KOO もちろん僕自身は昔からお笑いが大好きだったし、最初から抵抗感なんて一切なかったですよ。だけど「なんでミュージシャンなのに芸人みたいなことしているの?」「こいつ仕事がなくなったのか?」みたいに否定的な意見は結構ありましたね。実際に自分でやってみないことってあるじゃないですか。バラエティも番組に出てみたら芸人さんはプロ意識の固まりだし、スキルもすさまじいし、チームワークも目を見張るものがある。音楽とは全然違うエンターテインメントかもだけど、命を削ってまで楽しませようとする真剣勝負に感銘を受けたんです。もちろん僕自身もバラエティ番組に出ることで名前を知ってもらい、本業のDJが広がっていた部分が多分にありますし。

──何かにチャレンジして失敗しても、挽回すればいいだけの話?

KOO 次に繋がる失敗ならいいと思うんです。失敗した部分をフォローして、自分がステップアップすればいいだけですから。だけど何の意味もないミスってあるじゃないですか。それはダメ。その凡ミスは何かをやろうとしたうえでの失敗とは明確に違う。だから同じ失敗を2回やるようだったら、それはもう凡ミスですよ。自分を成長させる要素がないわけだから。その違いは意識したほうがいいと思います。

▽DJ KOO1961年8月8日生まれ、東京都出身。トータルCDセールスが2100万枚を超え、今なお多くの人に愛される続けているダンス&ボーカルグループTRFのDJ、リーダー。2017年から日本の文化である“お祭り”“盆踊り”とのコラボレーションをエンターテイメント型ジャパンカルチャーの発信として、国内外において精力的に活動を行っている。バラエティー番組にも多数出演。幅広い層のファンを獲得している。最新書籍『DJKOO流 心・体・脳(シン・タイ・ノウ)の整え方』(PHP研究所)が絶賛発売中。

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