ムードたっぷりキスシーンも “愛の不時着”ソ・ジヘが大人のラブコメで見せる“ちょうど良さ”＜キス・シックス・センス＞

「愛の不時着」のツンデレ令嬢、ソ・ダン役で人気を確立したソ・ジヘが、ドラマ「キス・シックス・センス」に“他人の体に唇が触れると未来が見える”キャリアウーマン役で出演。ファンタジックな大人のラブコメディで名演を見せている。

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キスで未来が見えちゃう女性とワケあり上司の大人のファンタジー

本作は、唇に触れるだけで未来が見えるホン・イェスル(ソ・ジヘ)と、イヤな上司・チャ・ミヌ(ユン・ゲサン)のスリリングな恋愛模様を描く作品。6月29日からディズニープラスの「スター」ブランドで独占配信中。

ユン・ゲサンは「グッドワイフ～彼女の決断」や映画「犯罪都市」などでラブストーリーからノワールまで変幻自在な姿を見せる俳優だ。

大手広告代理店勤務のイェスルには秘密がある。それは、唇に相手の体の一部が触れると、その人の将来が見えてしまうこと。子供の頃のある事件を境にこのやっかいな能力が付き、過去、恋人ができてもキスをした途端、うまくいってない未来の場面が見えてしまい、結局別れることに。そんな繰り返しでこれ以上傷つきたくない彼女は、恋愛から遠ざかって仕事に没頭している。

そんなある日、彼女に厳しくいつもキツく当たるイヤな上司・ミヌとアクシデントでキス。見えた将来はラブラブな2人の姿だった。「あんなイヤな男と付き合うなんてありえない！」イェスルは、何かの間違いだと思おうとするが、彼女の見た未来は外れたことがないのだった。

それをきっかけに急接近する2人。そんな中、イェスルの元カレで映画監督として成功したピリョ(キム・ジソク)が凱旋帰国してきて、イェスルとミヌが担当するCMを撮ることに。

イェスルは、ピリョと恋人関係だった頃、キスしたときに彼が他の女性と家庭を築いている未来を見てしまい、能力のことを告げずに強引に別れてしまったのだ。だが、いまだに納得できないピリョは、彼女との復縁を望んでいる。一方、ミヌもだんだんイェスルに魅かれ始め、複雑な三角関係が始まる。そこに、ミヌの幼なじみで彼に片思い中の女優・ジヨン(イ・ジュヨン)も絡んできて…。

と、ここまではありがちなラブコメの図式だが、それだけではない、たくさんの要素が盛り込まれている。

まず、広告代理店を舞台にした“お仕事ドラマ”でもあること。クライアントの指示に振り回されたり、社内のイニシアチブ争いに巻き込まれたり…と、広告業界を垣間見られる。

次に、ミヌにも実は秘密があること。それが何なのか、なかなかわからず、気になってどんどん続きを観てしまう。他にも気になる伏線が実はあちこちにちりばめられている。

その上、サスペンス要素まで。予想外の方向にストーリーが動き始め、最後の最後まで一体どう終わるのかドキドキな展開が大きな魅力の作品だ。

もちろん、何度も登場するイェスルとミヌの大人ムードたっぷりでうっとりするキスシーンも見どころ。ちょっと刺激的なベッドシーンからも目が離せない。

現実感を強めるソ・ジヘの“ちょうど良い演技”

イェスルは、一見クールな仕事のデキる女だが、実は感情豊かで多面性のある女性。泥酔して醜態をさらしたり、子供っぽい表情を見せたり、口が裂ける勢いで大声を出したり…。かと思うと、守ってあげたくなるほどの弱さも見せる。

演じるソ・ジヘも「オファーをいただいたとき、イェスルは立体的な魅力がある人物だと感じました。これまで演じたことがないタイプのキャラクターで、さまざまな姿を演じられる可能性があると思い、出演を決めました」とインタビューで語っている。

コメディの演技だと「面白く演ってますよ」というのが透けて見えて興醒めすることもあるが、彼女の演技はとても自然。

「わざとコミカルに演じようとしたわけではありません。シチュエーションを考えて集中して演じたので、面白いシーンに仕上がったと思います」と語っているように、本人はいたって普通のつもりなのに、端から見たら滑稽、というさじ加減が絶妙。

その絶妙さは喜怒哀楽どの感情表現にも表れていて、場面場面で“ちょうど良い”。やりすぎないからリアル。だから、視聴者は自分と重ね合わせたり、「友達にこんな子居る」と思えたりする。

「キスしたら未来が見える」という現実離れした設定のラブコメで、ともすれば荒唐無稽な印象になりがちなストーリーを、“大人のファンタジー”にしているのは、ソ・ジヘの“ちょうど良さ”の力が大きいのである。