

倉田真由美が「M-1」を題材に漫画を描きおろし、漫画家も注目“人間ドラマ”が生まれるお笑い賞レースの魅力とは

「だめんず・うぉ〜か〜」で知られる漫画家の倉田真由美が、「M-1グランプリ」をイメージして描いた19Pのオリジナル読み切りマンガ「もうM-1なんて観ない」を友人たちと自主企画・制作を行い、WEBザテレビジョンに寄稿した。今年の「M-1グランプリ 2021」では、錦鯉が悲願の優勝を果たし、長谷川雅紀の男泣きがネットでも話題になっている。一方、今回寄稿された漫画のタイトルは一見、驚くものだが、元芸人の女性が主人公で、M-1グランプリを愛する気持ちや、芸人としての情熱・葛藤などさまざまな思いが周囲の人間関係と共に描かれたヒューマンドラマだった。今年は「凶母(まがはは)~小金井首なし殺人事件 16年目の真相~」といった新たな作風にも挑戦している倉田氏が、なぜリアルのテレビ番組を題材にした漫画を制作したのか、その想いを語ってもらった。
前例のない「リアルタイム漫画」に挑戦してみたかった
――なぜ今回、オリジナルの書き下ろしをWEBザテレビジョンに寄稿していただけたんでしょうか?
以前から付き合いのある編集者やライターたちと、イラストマンガ制作アプリの「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」で漫画を描くチーム「漫画描こう会」を不定期で開いています。そのメンバーの一人が大好きなM-1グランプリを題材にした漫画のアイディアを考えました。チーム体制で漫画を作り、当日の結果を即座に反映して、リアタイに近いかたちで公開する、というのが、とてもおもしろくて、協力したいと思いました。
今の時代、Twitterとか発表の場はいくらでもあるけど、年末の風物詩とも言える一大イベントを題材にした漫画を作る以上、ちゃんとしたメディアに載せたいと思ったんです。そして新しい試みとして、時事ネタをWEBニュースと同じタイミングで漫画を発表する。これは紙媒体ではできないし、イベントだからやれること。時事ネタをタイムラグなく漫画で扱うのは、1コマ、最大4コマくらいなら出来るだろうけどこのページ数はしっかりした準備期間がないと無理で、あんまり他ではまだやってないかと。
――確かに、リアルタイムで発表の漫画は聞いたことがありません。今回は「M-1グランプリ」をイメージして描かれましたが、マンガを作るうえで大事にしたことを教えてください。
紅白でどっちが勝ったか、レコ大を誰が獲ったか、私は正直気にならない。私はそれほどお笑いに詳しくないけれど、「M-1」は誰が優勝したかはやっぱり気になる。「M-1」は年末特番の中でも、唯一無二の特別な番組ですよね。それほどの番組を漫画で描く以上、こちらもリアタイに近い形で漫画を発表しなくちゃ、と思ったんです。その、スピード重視でマンガを描くためには一人の力では限界がある。みんなで力を合わせることにしました。M1から感じるチーム感に敬意を感じて、漫画制作でもチームで作ってみました。
テレビについて語りあっていても、心の中は悲喜こもごも
――今作は「実在のテレビ番組」をモチーフにした漫画で驚きました。どういう想いで制作されたのでしょうか。
M-1は、芸人それぞれが競っているけれど、審査員、スタッフ、観客と共に大会を盛り上げようとしているように感じます。その会場の熱気が、画面を通して視聴者にもダイレクトに伝わってきます。だから、芸人に感情移入できるし、自分も審査しているような気持ちになれる。芸風や審査基準に対する論争にも参加したくなる。そのような空気が漫画から伝わるようにしたいと思いました。
――「これは漫才なのか論争」や「審査基準論争」も近年の風物詩となりました。今作は「笑える」マンガだと想像しましたが、元お笑い芸人の女性が主人公のヒューマンドラマでした。どういう点から着想を得たのでしょうか。
「M-1」があれほど笑えるのだから、こちらの漫画を笑いで勝負するのはおこがましいと思うんです。 M-1は、「リアタイ視聴で観なくちゃ」「観た後も語りたい」と思わせてくれる、数少ないテレビ番組だと思います。会場のどよめきが可視化されていて、審査に参加しているような気分まで味わえます。テレビの前に人が集い、番組についてあーだこーだと言い合っているシーンを描きたかったのです。そういうやり取りに一番説得力がある素人は、元芸人ではないかと思いました。
でも、原作担当の人が言ってたことですが、元芸人がM-1を観るって、残酷な状況でもありますよね。かつて近くにいた人たちが夢を叶えていく瞬間を、夢破れた人がリアルタイムで見る、そんなシチュエーションって、普通に生きていたらなかなかない。ただ楽しくテレビについて語り合っているだけのシーンでも、心の中では、悲喜こもごもが渦巻いているはず。そんな風に、ほぼ全編“テレビの前にいる物語”でもドラマになるんじゃないかと思ったんです。
お笑い賞レースは人間ドラマの宝庫、テレビ番組×マンガの可能性
――今作は元お笑い芸人の男女コンビが登場します。倉田さんにとって「お笑い」「芸人」「賞レース」はどういうところが魅力だと感じたのでしょうか。
今の若い人たちにとっては、努力が報われる、一発逆転がある、そんな「ドリーム」がある、数少ない分野なんじゃないかと思います。受験でさえも「総合評価」というわかりにくいものになってきていて、恵まれた環境に生まれた人が有利な社会に変わっているように感じます。それと反比例するように、お笑い賞レースは、「面白いネタを披露できたやつが勝つ」という公平さが強まっているように思えます。多くの人がそこに惹きつけられて、夢を見るのは、至極当然のように思います。
――挑戦するお笑い芸人の方も、スタッフも、視聴者にも、それぞれドラマがあるということですね。倉田さんの“テレビ愛”が作品にも注がれていると思いました。テレビ離れといわれて久しい現在ですが、倉田さんのテレビ愛エピソードがあれば教えてください。
ドリフの「8時だよ!全員集合」が好きでした。裏番組のひょうきん族は、親が見せてくれなかった。本当は観たかったのに。ドリフの中で好きだったのは加藤茶さんです。志村さんも好きだったな。
――倉田さんが大好きな(大好きだった、も含む)テレビ番組を2~3番組教えてください。好きな理由も。
「野生の王国」や「動物奇想天外」、動物もの大好きでした! あと、ダウンタウンさんたちが出ていた「夢で逢えたら」、普通の人たちの恋愛模様がたまらない「ねるとん紅鯨団」も!
「王様のブランチ」「ミュージックステーション」「NHK紅白歌合戦」、「朝ドラ」は マンガのモチーフにしてみたいです。
――倉田作品は「人間ドラマ」や「人間の面白さ」を大切にされている印象です。マンガを描く際に大切にしているところはどんな点でしょうか?
リアリティですね。私はすごく俗っぽい人間なので。世間を間近で見てきた者として、たとえ作り話でもリアリティは大事にしたいです。
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