『リブート』が無双状態の理由 鈴木亮平が「松山ケンイチを生き続ける」怪演裏の異次元の作り込み
鈴木亮平さん主演の日曜劇場『リブート』(TBS系)が絶好調です。初回平均世帯視聴率は13.3%と圧倒的高水準(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。また、TVerお気に入り登録数も第3話放送終了時点で113万人を超え、放送開始前に1位だった竹内涼真さん主演の『再会〜Silent Truth〜』をまくって冬ドラマトップに躍り出ました。
さらに、第1話の無料配信再生数が478万回を突破し、全局の歴代ドラマ初回の中で1位にもなるなど凄まじい反響です(TVer DATA MARKETING算出)。本稿では、その人気の秘訣を探りたいと思います(以下、ネタバレを含みます)。
今作は、妻殺しの容疑を晴らすため、気弱だけれど家族思いのパティシエ・早瀬陸が、整形し別人となって人生をリブート(再起動)させ真犯人を探す“エクストリームファミリーサスペンス”です。リブート前の早瀬役で、松山ケンイチさんがサプライズ登場したことも大きな話題となりました。
鈴木さんは、裏社会との繋がりを持っていた刑事・儀堂歩と、気弱パティシエからリブート後、儀堂の姿で生きる早瀬の1人2役という難役を担うことに。それでも鈴木さんは、儀堂の中に宿っている松山さんが演じた気弱パティシエ精神を完全再現しており、それが今作の見どころとなっています。
もともと鈴木さんは、役への入り込み方が尋常ではない演技派として知られてきました。漫画から実写映画化された2013年の『HK 変態仮面」(ティ・ジョイ)や2024年の『シティーハンター』(Netflix) でも、主人公のビジュアルに極限まで近づけました。
特に、『シティーハンター』での冴羽獠役は、声色がそっくりすぎて、アニメ版の声優が吹き替えしていると聞き間違えるシーンもあるほど再現度が高かったです。
また、2015年の日曜劇場『天皇の料理番』(TBS系)では、病弱な青年役のために20キロ減量したかと思えば、同年公開の映画『俺物語!!』(東宝)では、屈強な男子高校生を演じるためにそこから30キロ増量するなど、役作りの本気度が桁違いです。
そんな鈴木さんは今作の試写会で、リブート後の早瀬を演じるにあたり、リブート前の早瀬を演じていた松山さんについて、「松山くんの作品を見まくりました」と語り、松山さんならどうするか考えながら撮影に臨んでいたことを明かしています。
その成果は十二分に出ていて、黒目の動かし方、走り方、涙の拭い方、感情がたかぶった際の早口など、細かすぎるほど鈴木さんから“松山さんが演じていた早瀬”の残像が映し出されています。松山さんは第1話以降、回想でわずかに出てくるくらいですが、第3話になっても鈴木さんから“松山さん味”が漂い続けているのです。
早瀬が“松山さん味”(本来の人間性)を出すのは1人の時か、唯一リブートしたことを知る幸後一香(戸田恵梨香さん)といる時だけ。それ以外は、低音ヴォイスにオラオラ口調の悪徳刑事・儀堂のフリをして生きているので、その切り替えの早さと振り幅は圧巻です。
今年でデビューから20周年の鈴木さん。2018年に大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)の主演を務めて以降、今作まで8作品のドラマに出演していますが、そのうち『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』、『下剋上球児』といった主演3作品含め5作品が日曜劇場です。
伝統の日曜劇場で、重厚で骨太なストーリーにおいて、鈴木さんの役への入り込み方を含めた確かな実力が求められているのでしょう。
『リブート』は今後、気弱パティシエだった早瀬がどんどんダークヒーローになっていくことが示唆されています。そうした早瀬の内面の繊細な変化に加え、鈴木さんが早瀬と儀堂をどう演じ分けていくのか、あるいは他にも儀堂にリブートした人物がいるのかなど、注目ポイントが絶えない今作がますます楽しみです。
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