仲間由紀恵

「女優=細い」はもう古い 仲間由紀恵・池脇千鶴・野呂佳代がドラマで見せる“リアルな女性の強さ”

2025.10.30 19:41
提供:ENTAME next

育児、年齢、役柄――女性の身体は生きていれば変わる。それでもドラマや映画の世界では、いまだに「女優は細くあるべき」という空気が根強い。そんな中、ドラマ『小さい頃は、神様がいて』(TBS系)での仲間由紀恵の“ふっくら体型”が話題に。だが、視聴者の共感を集めたのは、むしろその「リアルさ」だった。松坂慶子、池脇千鶴、野呂佳代……体型に縛られない彼女たちが説得力を与える“今どきドラマ”を、コラムニストの小林久乃氏が分析する。

◆美しさと体型は比例か、反比例か

「でも私は母として生きるためだけに生まれてきたわけじゃない。私には私の思いみたいなものがあって。なんでそれしか許されないの?」

ドラマ『小さい頃は、神様がいて』(TBS系)で、小倉あん(仲間由紀恵)が放ったセリフだ。育児中、息詰まったあんは、夫の渉(北村有起哉)に「離婚したい」と告げた。渉はその場しのぎに了解したけれど、あんの気持ちは固く、ふたりの子どもの成人と同時に離婚をしたいと告げた。一人の女性として生きたい思いが話題を呼んでいる。もうひとつ、初回放送で話題を呼んだのが、仲間のふっくらとした体型である。実年齢の45歳を考慮すると、何ら不思議はないし、美しさには変わりがない。昔から画面=レンズを通すと、人間が大きく映ると定説通りなのかと思っていたけれど、見る側の視点はそうでもなかったらしい。でも、そんなに騒ぐか? と、どっしり中年体型の私は思う。

俳優の体型と言われて思い出すのが、1993年に公開された映画『天使にラブ・ソングを…』に出演していたウーピー・ゴールドバーグ。当時、彼女のしっかりとした体格を見て「細身ではなくても、映画の主演ができるのか」と、繁々と目を凝らした。まだ10代だった私には「女優=細身」の公式が離れなかった。実際に山口智子、鈴木保奈美、常盤貴子、牧瀬里穂、中山美穂……とトレンディ俳優の名前を上げていくと、皆、一様に細い。今じゃ、デリケートな表現になったけれど「スタイル抜群」。でも国外では体型なんて関係がないらしい。

◆変わりつつある日本の俳優ビジュアル

ただ元号が令和になった日本でも、少しずつ感覚が変わりつつある。代表的な俳優としては松坂慶子。ヒット曲『愛の水中花』を歌っていた頃に比べると、73歳のいまは風格のある女性になった。それでも母親役、祖母役と出演作は絶えない。2022年放送『一橋桐子の犯罪日記』(N H K総合)では主演も務めている。

現在放送中の朝ドラ『ばけばけ』(N H K総合)でヒロインの母親・松野フミ役を演じている池脇千鶴も、件の仲間と同じように見た目を騒がれたが、作品には支障はない。ドラマは虚像の世界ではあるけれど、あまりにも「スタイル抜群」な母親とは、そんなに多くは存在しないのが一般的。池脇のビジュアルはむしろ母親役として説得力が増している。

今年初めの放送でヒット作となった『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の三井さん役の久保田磨希さんも、ヒロイン・吉野千明(小泉今日子)よりも安定感のある体型だからこそ良かった。千明を常にサポートする立場だっただけに、より信頼感が増した。以前、久保田の出演した『ジュリアス・シーザー』を観劇したが、彼女の存在感は間違いのないものだった。テレビではあれこれ言われるスタイルも、舞台では映える。

そして昨今のふっくら体型といえば、本人も洋服のサイズをX Lだと公言した野呂佳代。アイドルや、ぽっちゃりサイズのモデルとして人気も得て、「野呂佳代が出るドラマはヒットする」の噂がささやかれるほど、俳優として活躍中だ。現在は放送中の『フェイクマミー』(T B S系)に、ボスママ役として出演している。彼女が演じた『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系・2023年)でのヘアメイク役は「こういうメイクさん、いるよね〜!」と、取材現場のスタッフ同士で話した記憶がある。野呂佳代と役柄は親和性がとても高い。看護師、主婦などどんな役を演じても「いるいる!」と思わせる。加えて、たまにバラエティー番組で彼女の姿を見かけるけれど、すごく幸せそうな雰囲気を醸し出しているのもいい。

日本でも彼女たちに続く、体型云々なんて関係ないと思わせる俳優がますます活躍すると願って、この原稿を書いた。ちなみに私自身も痩せる予定はさっぱりない。

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