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生涯実食2万杯超! ラーメン官僚が再度脚光を浴びる「東池袋大勝軒」系から推しの4店舗を紹介
日本全国のラーメン店の発掘と紹介をライフワークとし、年間700杯以上のラーメンを食べ続け、生涯実食杯数は21,000杯に迫る日本屈指のラーメンフリーク、通称「ラーメン官僚」こと、かずあっきぃ氏。日本におけるラーメンの歴史・文化・進化を語り尽くす短期連載。第4シーズンのテーマは「つけ麺の歴史」。(前後編の後編)
前編では、つけ麺の歴史についてお話ししました。中でも特に、つけ麺の起源については、『丸長』や『大勝軒』の名前を出しながら、「要点のみ」と言いながらも、それなりのスペースを割いて説明させていただいたところです。
つけ麺を語るに当たって外すことができない『丸長』と『大勝軒』ですが、実は最近、『丸長・大勝軒系』のつけ麺が、再び脚光を浴びています。1990年代半ば以降、「濃厚つけ麺」、「淡麗つけ麺」、「麺主役型のつけ麺」など、様々なつけ麺が生まれ、現在、つけ麺シーンがバリエーションの宝庫となっていることは前編でお話ししたとおりですが、『丸長・大勝軒系』のつけ麺は今、それらに勝るとも劣らない支持を獲得しているのです。
『丸長・大勝軒系』の復権を支える最大の要因が、ここ数年、つけ麺に限らずラーメン界全体を席巻している「ノスタルジック回帰志向」であることは、まぎれもない事実でしょう。2020年以降、数十年前…昭和の昔に提供されていた懐かしさを感じさせる佇まいのラーメン(いわゆる「ノスタルジックラーメン」)を求める傾向が作り手と食べ手の双方において強まり、そのトレンドが、つけ麺にも押し寄せているのです。
また、前編の冒頭に述べた、すべての『丸長』、『大勝軒』の「親」である『丸長中華そば店(荻窪丸長)』が、2023年、店主の体調不良により惜しまれながら76年の歴史に幕を下ろしたことも、『丸長・大勝軒系』再ブレイクを後押ししたのではないかと、私は考えています。
今はなき『荻窪丸長』は、オリジナリティの塊のようなつけ麺を出していました。胡椒のスパイシーな辛みを前面へと押し出したスープは、この上なくジャンキーで、食べ手を選ぶほどですが、刺さる人にはとことん刺さるテイスト。「中毒性の強さ」という点においては、右に出るものがない味わいを特徴としていました。
ラーメン職人の中にも『荻窪丸長』の「つけそば」を愛する者は多く、『魂の中華そば』、『中華そば喜富』、『中華つけ蕎麦でき心』など、好きが高じて、自店で『荻窪丸長』の味をインスパイアしたつけ麺を提供している店舗も、複数存在します。
『荻窪丸長』閉業後、同店の「つけそば」を懐かしむ食べ手が、これらの店へと積極的に足を運び、需要増→供給増→需要増…の好循環が生まれました。
ここで、少しだけ、私のつけ麺との馴れ初め話をさせていただきます。私と同世代(50台前半)か、それより年上の方の中には、「ああ、そうだった、懐かしい」と感じてくださる人もいらっしゃるかもしれません。
私は、1993年に関西から上京し都内のラーメンを食べ始めましたが、当時、つけ麺は今ほどメジャーな存在ではありませんでした。それまで住んでいた関西圏に、つけ麺専門店はなく、つけ麺という食べ物の存在を知ったのも上京した後のことになります。
1994年頃、都内の書店でふと手に取った雑誌の「ラーメン特集」に『東池袋大勝軒』の「特製もりそば」が掲載されているのを見て、つけ麺という食べ物の存在を初めて知りました。その雑誌に掲載されていた『東池袋大勝軒』の店構えは、既に相当な年季が入っており、当時22歳で、まだ創業数十年クラスの老舗でラーメンを食べた経験がなかった私にとって、店へと足を運ぶだけでも相当な勇気が必要だったことを、今でもよく覚えています。
そんな状況で、『東池袋大勝軒』の存在を知った後も、暫くの間は訪問を躊躇していたのですが、ある日意を決し、お店へと足を運んでみることにしたのです。その時いただいた「特製もりそば」は、甘み・辛み・酸味が舌上で交錯するスープの味わいが未だかつて体験したことがないほど新鮮で、3回、4回と通う内に、完全に虜となっていました。麺量が多く1杯で満腹になれる点も、金銭的に余裕がない当時の私にとっては魅力的でしたね。
90年代当時、『東池袋大勝軒』は、今とは別の場所にありました。店の入口から数十人規模の行列が常に伸びる超人気店で、行列に接続してから入店するまでに1時間以上掛かることも日常茶飯事でしたが、それでも、当時の自宅の場所がお店から比較的近かったこともあり、週に一度は通っていました。
そんな感じで、いわゆる「コレクター」として、色々なお店のラーメンを本格的に食べ歩くようになる1997年までの数年間、『東池袋大勝軒』には大いにお世話になりました。その間、「つけ麺と言えば『東池袋大勝軒』」という認識で「特製もりそば」と向き合ってきましたので、当時の『東池袋』の味は、今でも私の記憶に焼き付いています。一種の「刷り込み」が施されたのか、その味が、私のつけ麺の好みとして定着している感すらあります。
私の好みは、甘み・辛み・酸味の「三味」がしっかりと感じ取れるつけ麺なのですが、それはまさに、『丸長・大勝軒系』のつけ麺の特徴に他なりませんから。
最後に、『東池袋大勝軒系』のイチ押し店舗をいくつかご紹介して、この話題を締めたいと思います。『丸長・大勝軒系』全体からご紹介することもできるのですが、それだと、推奨店舗の数が増え過ぎてしまうので、ここでは、私にとってのつけ麺の「ルーツ」である『東池袋大勝軒』の系統に対象を絞り込ませていただくことにします。
はじめにご紹介したいのは、『東中神大勝軒』。JR東中神駅からほど近い場所に佇む、2024年10月にオープンしたばかりの新店です。甘み・辛み・酸味の「三味」が、過不足なく丁寧に表現された優等生的な1杯で、総じてボリューミーな『東池袋大勝軒系』の中でもひと際「盛りが良い」ことも、特筆すべき魅力のひとつです。
都営三田線板橋区役所前の『中華そばなりたや』も、強くおススメしたいお店のひとつですね。『東池袋大勝軒』の味をベースにしながらも、独自の視座に基づく内容のブラッシュアップを積極的に施した結果、甘み・辛み・酸味を一層際立たせた訴求力の強い1杯を提供しています。うま味が口内で乱反射し快楽中枢を心地良く刺激する中濃スープは、『丸長・大勝軒系』の魅力を凝縮させた珠玉の味わいです。
千葉県東金市の『東金大勝軒』は、甘み・辛み・酸味が見事に調和した、震えるほど美味い1杯を食べさせてくれます。店主は、修業時代の『東池袋大勝軒』の味を敬愛し、その味を再現しようと、創業から20余年にわたり日夜研鑽。そのスープの完成度たるや、スープ割を頼まずとも一滴残らず飲み干してしまえるほど秀逸です。
埼玉県所沢市の『所沢大勝軒』は、『東池袋大勝軒』の系譜に連なる店の中でも、山岸氏の味を最も忠実に踏襲する名店のひとつです。同店でおススメしたいのは、「もり野菜」と「もりワンタン」。「もり野菜」は、麺を浸けるスペースがなくなるほど大量の野菜がスープに盛り付けられた、超人気商品。「もりワンタン」も、夥しい数のワンタンがつけダレに投入される、食べ応え満点の1杯です。なお、『東池袋大勝軒系』の「もりそば」で、「ワンタン」トッピングが可能な店舗は多くないので、ワンタンがお好きな方も、押さえておいて損はないと思います。
つい先日も、「X(旧Twitter)」で、フォロワーの方から「ワンタンが食べられる『東池袋大勝軒系』の良店をご存知であれば、教えてください」という質問をいただきました。その際、紹介したのが『所沢大勝軒』です。「もり野菜」、「もりワンタン」などの「応用編」も精力的に提供しながら、甘み・辛み・酸味の「三味」をしっかり表現するなど、『東池袋大勝軒系』らしさを失っていない点も、同店の魅力のひとつです。
以上、ご紹介した4軒は、いずれも、万難を排してでも訪問する価値がある優良店です。是非一度、足を運んでいただければ嬉しい限りです。
構成/大泉りか
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