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SNSで絶賛の嵐、『FNS27時間テレビ』ハナコ・秋山のダンスが人々を感動させたワケ
本気だからこそ面白い、そして感動できる。フジテレビ系大型特番『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』でテレビというメディアの強さを改めて体感することとなった。
毎年、夏の風物詩となっている27時間テレビ。今回は同局系バラエティ『新しいカギ』をベースとし、霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコの3組が総合司会を任された。「日本一楽しい学園祭」をコンセプトに掲げ、大人気企画「学校かくれんぼ」や全国の高校生が競うダンスコンテスト「カギダンススタジアム」などの企画を行った。
数字上での反応も上々で、エンディングの放送枠では昨年を上回る世帯平均視聴率を記録。だが、今回の27時間テレビを数字だけで振り返るのはあまりにもったいない。今年の27時間テレビは記録よりも記憶に残る番組となり、我々視聴者の心を揺り動かしてきたのだから。
まず、すでに各メディアが注目しているように、粗品の働きはまさに“粗品劇場”と呼ぶにふさわしいものだった。夜中に放送された『粗品ゲーム』では自身のYouTubeの企画である「1人賛否」をクイズとし、お題に挙がった芸人について「粗品が言いそうなことを言う」というきわどい企画を行った。自身のキャラクターを活かしつつ、大喜利レベルの高く、粗品も信頼している芸人たちを多数呼んだことで、夜中らしいアングラのようなコーナーが出来上がった。
2日目の朝には『FNS逃走中』で確保からの復活、そしてその直後に自首を成功させて賞金150万円をゲット。SNSで自身に関するワードで複数トレンド入りさせるなどネット民を盛り上げた。そうかと思えば、『ハモネプハイスクール』では審査員として的確な分析を披露。幼少期からピアノを習い、現在も音楽活動を行う粗品にしかできないコメントの数々を残し、学生たちのみならずネプチューンら出演者をもうならせた。
だが、個人的に今回の番組でMVPを与えたいたのはハナコの秋山寛貴だ。トリオのネタを作る若き天才だが、彼自身が持つ性格や、横に岡部大という稀代の愛されキャラがいることでテレビの世界ではあまりスポットライトが当たってこなかったように思う。
しかし、そうした世間の見方を逆手に取るように「カギダンススタジアム」ではまばゆいばかりの輝きを放った。
「カギダンススタジアム」はカギメンバーと高校生が練習し、4分間のダンスを披露するというもの。“日本一たのしいダンス”を条件に、7チームが頂点を争った。
秋山がタッグを組んだのは三重県の三重高等学校。同校はまるで舞台のようなストーリー性を重視したダンスを武器とし、生粋のコント師である秋山とは相性バツグン。父と娘という「家族」をテーマに設定し、秋山は父役として初めて挑戦するというダンスに向き合った。
そのパフォーマンスはまさに言葉には形容しがたいほど輝いていた。他のカギメンバーも多忙の中ひたむきにダンスに取り組んできたことが十分伝わってきたが、秋山はそれ以上。素人目で見ても、このダンスがこのレベルに達するまでにどれだけの時間と努力を要したのが開始数十秒ですぐに理解できる。秋山が最初に踊りだしたときに会場からどよめきが起きたのは決して偶然ではない。
そして、ハイライトは最後の大技「シフト」。練習でも成功していなかったという技を前に秋山は「お願いします」とつぶやきながら挑戦し、見事に成功させてみせた。その瞬間、涙がこぼれたのはスタジオで見守っていた丸山礼だけではないだろう。SNSでも秋山のダンスについて複数投稿されており、バズっていることから多くの人々を感動させたことは間違いないだろう。
結果的にチョコレートプラネットの松尾駿×武南高校が優勝することになるが、『めちゃイケ』の岡村隆史のダンス企画に憧れていたという松尾もまた本気だった。まずはダンスをする体力をつけるために走り込み、4分間のパフォーマンスに“フル出場”。10の異なるジャンルのダンスをこなし、優勝を決めた後涙を流す姿に胸を打たれた。
真面目に本気でやるからこそ面白く、人の心に刺さる。
今回の27時間テレビでは「カギダンススタジアム」に限らず、「100kmサバイバルマラソン」や「超!学校かくれんぼ」、「高校生クイズ何問目?」などなにかに本気で取り組む企画が多かったように思う。バラエティの域をも飛び出したバラエティが、今後のテレビ界を変えていくのだろうか。そう考えてしまうほどに、『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』はテレビのパワーに溢れていた。
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