フローレンス・ピューの公式インスタグラム(@florencepugh)より

『オッペンハイマー』では強烈ベッドシーンも、“薄幸のヒロイン”がハマリ役すぎるフローレンス・ピュー

2024.04.23 12:03
提供:ENTAME next

クリストファー・ノーラン監督による映画『オッペンハイマー』の日本公開が、3月29日から始まっている。本国アメリカでの公開以来、何かと話題を呼んでいる同作だが、実際に劇場へと足を運んだ観客のなかには、フローレンス・ピューの演技に釘付けになる人も多いようだ。

ピューといえば、最近いろいろな話題作でひっぱりだこになっている次世代のハリウッドスター。その魅力は、不遇な運命に翻弄される薄幸のヒロイン役が異様にハマっているところにある。

『オッペンハイマー』でピューが演じているのは、ジーン・タトロックという精神科医で共産党員の女性。主人公のロバート・オッペンハイマーが大学教授だった頃に知り合い、恋仲になるも、その後悲恋の運命が待ち受けている……という役どころだ。史実通り、オッペンハイマーは別の女性と結婚することになるので、俗っぽく言えば“負けヒロイン”的なキャラクターにあたる。

愛嬌のある顔立ちで、高い演技力によって繊細な内面を表現できるピューにとって、ジーン役はこれ以上ないほどのハマリ役。出演シーン自体はそこまで多くないものの、強烈なインパクトを残しており、とくに燃え上がるように情熱的なベッドシーンは作品のハイライトと言えるほどの仕上がりだった。

また、3月15日から日本公開が始まったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『デューン 砂の惑星 PART2』でも、ピューは印象的な役柄を演じている。全宇宙を支配する皇帝シャッダム4世の娘、神秘的な佇まいの皇女イルーラン役だ。

イルーランはその立場から、宇宙規模の政争に巻き込まれ、政略結婚することに。すなわち“本命ヒロイン”であるゼンデイヤ演じるチャニと対称的な位置にあるのだが、ピューの演技によってそのキャラクター性が際立っている。

おそらくピューは歌舞伎で言うところの「仁」(ニン)として、薄幸のヒロインというキャラクター性が身に付いているのではないだろうか。

ピューの役者としての個性がよく伝わってくる作品としては、グレタ・ガーウィグ監督の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』も挙げられる。

同作はルイザ・メイ・オルコットの小説『若草物語』を原作としており、19世紀後半のアメリカに生きた四姉妹の人生を描いた物語。そこでピューが演じているのは四女、エイミー・マーチで、家族ぐるみの付き合いがある青年・ローリー(ティモシー・シャラメ)にひそかな恋心を寄せるキャラクターだった。

しかしエイミーの恋は、決してスムーズには進まない。ローリーは元々次女のジョー(シアーシャ・ローナン)に首ったけだった過去をもつ上、ジョーとエイミーのあいだにはちょっとした確執があったからだ。コンプレックスに苛まれ、「ジョーの身代わり」として愛されることを拒絶する彼女の姿は、観る者の心を震わせるほどにドラマチックだ。

小説家になる夢に向けてひた走るジョーと、画家になる夢を諦めて恋に生きるエイミーの生き様が対になっていることも印象的だが、この構図を成立させている立役者は間違いなくピューだろう。ちなみに同作は、彼女が初めてアカデミー賞にノミネートされた作品としても知られている。

そして同時期に公開されたアリ・アスター監督による傑作ホラー映画『ミッドサマー』も、個性的な演技で評判を呼んだ作品だった。同作は北欧にある架空の集落「ホルガ村」で、カルト的な狂気と悦楽の数日間が繰り広げられていくストーリー。そこでピューは、情緒不安定な主人公・ダニーを演じている。

ダニーは家族を失ったトラウマに悩まされている大学生で、彼氏のクリスチャン(ジャック・レイナー)に依存しているのだが、当の彼氏からは面倒くさがられている節がある。このすれ違いによって、運命的な破局が巻き起こるのだが、後に予想もつかない救済が待ち受けている。そのジェットコースターのような展開に観客が付いていけるのは、ピューの壮絶なまでの演技があってこそだろう。

今もっとも注目すべきハリウッド女優の1人、フローレンス・ピュー。この先も薄幸のヒロインを演じていくのか、それとも新境地を切り拓く時が来るのか……。今後の活躍にも注目していきたい。

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