登坂広臣(提供写真)

OMI(登坂広臣)、2年ぶりアリーナツアー閉幕「恐怖や孤独があった」デビューからの軌跡回顧しファン涙<ライブレポ>

2022.05.01 16:17

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのヴォーカリスト・登坂広臣ことOMI(※「O」はストローク付き)によるツアー『OMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER…”』のファイナル公演が4月28日、愛知・日本ガイシホールで行われた。ここではライブの模様をレポートする。


「OMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER…”」ライブレポート

本ツアーは、3rdアルバム『ANSWER…』を携えた、全国9会場17公演を回る2年ぶりのアリーナツアー。前作アルバム『Who Are You?』での問いかけに対して答えを出した新作。その世界観を以って、OMIがステージで見せた“ANSWER”とはどんなものだったのだろうか。

まず、PSYCHIC FEVERがオープニングライブで登場。アリーナの熱気に押されることなく、オーディエンスを盛り上げ会場を整える。

続いてカウントダウンから、OMIがプロデュースするプロジェクト「CDL entertainment」のロゴとともにオープニング映像がスタート。何かに追われるようにして走るOMI。まるで映画を観ているかのような演出に息を飲む。そして「ANSWER… SHADOW」がモノクロ調の映像とともに披露されてライブが開幕した。しかし、まだ映像のみでステージ上にOMIの姿はない。

登坂広臣(提供写真)
登坂広臣(提供写真)
そして炎のなかにいるOMIが映ると、ディスプレイが2つに割れて、そこから映像と同じく自身とダンサーたち、「ANSWER」シリーズのMVでおなじみのアルテミス像が印象的に登場。思わず観客も立ち上がる。OMIは黒のセットアップをまとってシックな雰囲気を漂わせながら、「Can You See The Light」「Nobody Knows」を続けて響かせた。

高音のヘッドボイスが冴えた「NAKED LOVE」エンディングから、ピアノのさみしげなイントロにOMIの歌が乗って始まる「OVERDOSE」はドラマティック。そしてラテン調の「BLUE SAPPHIRE」と多彩な音楽性で魅せていく。ディスプレイにはOMIの顔に滴る幾筋もの汗が映る。

バックダンサーなしでパフォーマンスされた「Give up」は、海に潜ったような映像とリリックが泡になって消えていく演出が神秘的。OMIの最後の歌も海に溶けていくと、再びダンサーを従え「Colorblind」へ。月が映る演出をバックに群舞を見せてから、アウトロで全員が退場した。

OMI(登坂広臣)、後半戦は明るく歌い上げる

登坂広臣(提供写真)
登坂広臣(提供写真)
映像がインタールード的に挟まれ、そのなかでOMIが突然現れた謎の存在を撃ち抜くと「Chapter2 SHINE」の文字。ここから後半戦となる。

同日のサポートバンドはHIDEKI ANDO(Key)、Lorenzo Braceful(Dr)、YUMA HARA(Gt)、MARIO(Ba)。彼らの華やかでありながら堅実なプレイが本公演を支えていた。

第2章はOMIがオールホワイトの衣装で再登場し「皆さん楽しんでくれていますか。ここからは『SHINE』。光の世界となります」と前置き。「SHINE」の80’sテイストなグルーヴで音楽的にも変化を付けていく。さらに「You(Prod. SUGA of BTS)」。内省的だった前チャプターとは違い、自然の映像をバックに明るく歌い上げる。オーディエンスも青いライトもさらに細かく、激しく揺れている。

「ファイナルまで来ることができました。実現できるのか不安もあるなかでスタートして、ひと公演ずつ噛み締めてきて。これまでたくさんライブをしてきましたが、特に想いが詰まった内容になっています。あっという間に気付いたら最後の日。最後まで心をこめて駆け抜けたいです。この景色、会場、僕のエンタテインメントを目と心に焼き付けてください」と今の想いを語るOMI。さらに名古屋での思い出話や「僕よりもみんながMVP」とスタッフや共演者を称える場面では、会場から温かい拍手も起きた。

OMI(登坂広臣)の言葉にファン涙「大切なことを気付かせてくれたツアーでした」

登坂広臣(提供写真)
登坂広臣(提供写真)
いよいよ本編も大詰め。空の変化とともに物語が進行していく。満点の星空を「Starlight」で描き、「HEY」では全員のジャンプで会場が揺れた。夕暮れの「DIAMOND SUNSET」に続く「Just the way you are」では青空の映像とともに爽やかに歌唱。エンディングの伸びやかなフェイクを披露するOMIは、感慨深げな表情だった。

再びOMIがマイクを持つ。「『ANSWER…』に伝えたい想いを楽曲に込められたと思っています。自分自身が何者なのか、という問いかけを前作『Who Are You?』でやって、その答えとして自分の光と影を見せようと『ANSWER…』を作りました。自分を見失ったり、仲間が見えなくなったり、大切なファンが敵に見えてしまったり、ステージに上がるのが怖くなったり。恐怖や孤独がありながらも、自分を奮い立たせてきた12年だったなと思います」。

「今まで自信を持って言えなかったけど確信に変わったこと。それは『自分がアーティストになるためにこの世界に生まれて、ファンのみんなと出会う運命だった』ということです。あまりに簡単だけど、あまりに大切なことを気付かせてくれたツアーでした」。

静寂。ひと言も逃すまいと耳を傾けるオーディエンス。そして「素敵な空が笑いかけてくれることを願って」と本編最後に歌われたのは「After the rain」だった。壮大な展開とサビ終わりのOMIの“You”の高音が切なく響いた。MCの内容もあってか、涙を流しながら聞いているファンの姿も見られた。

OMIは、「世界中にたくさんのアーティストがいるなかで、同じ時代に出会ってくれたて皆さん、ありがとうございました」と感謝。12年間走り続けてきたOMIの集大成に胸を射たれつつ、本編は終了した。

OMI(登坂広臣)、ありのままの姿で延長戦へ

そして「Chapter3 UNDER THE MOONLIGHT」と題されたアンコールへ。OMIが天使に抱かれる幻想的な映像から、切り裂くような細かいドラムのフィルが入って「UNDER THE MOONLIGHT」がパフォーマンスされる。赤いトップスにカーゴパンツという、ありのままの姿でOMIは伸び伸びと延長戦を楽しんでいた。

最後は「CHAIN BREAKER」「HEART of GOLD」とファンキーに盛り上げ、『OMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER…”』ファイナル公演は幕を閉じた。この“ANSWER”を得て、OMIがひとりの表現者として次にどこへ向かうのか。彼の新たな出発にも期待したい。(modelpress編集部)

セットリスト

M01. ANSWER… SHADOW
M02. Can You See The Light
M03. Nobody Knows
M04. NAKED LOVE
M05. OVERDOSE
M06. BLUE SAPPHIRE
M07. Give up
M08. Colorblind
M09. SHINE
M10. You(Prod. SUGA of BTS)
M11. Starlight
M12. HEY
M13. DIAMOND SUNSET
M14. Just the way you are
M15. After the rain

Encore
M16. UNDER THE MOONLIGHT
M17. CHAIN BREAKER
M18. HEART of GOLD
【Not Sponsored 記事】

関連リンク

関連記事

  1. OMI(登坂広臣)、凛とした眼差しで表紙 これからの想いも赤裸々告白
    OMI(登坂広臣)、凛とした眼差しで表紙 これからの想いも赤裸々告白
    モデルプレス
  2. 三代目JSB登坂広臣「グラミー賞」健闘のBTS称える「アジア人の誇り」
    三代目JSB登坂広臣「グラミー賞」健闘のBTS称える「アジア人の誇り」
    モデルプレス
  3. OMI(登坂広臣)、“謎の新曲”突如リリース決定 新たな物語に繋がるのか?
    OMI(登坂広臣)、“謎の新曲”突如リリース決定 新たな物語に繋がるのか?
    モデルプレス
  4. OMI(登坂広臣)「Rolling Stone Japan」単独初表紙 EXILE・HIROとの関係&アイドルの捉え方語る
    OMI(登坂広臣)「Rolling Stone Japan」単独初表紙 EXILE・HIROとの関係&アイドルの捉え方語る
    モデルプレス
  5. OMI(登坂広臣)「月刊EXILE」単独初表紙 アルバム制作エピソード&ファンへの思い語る
    OMI(登坂広臣)「月刊EXILE」単独初表紙 アルバム制作エピソード&ファンへの思い語る
    モデルプレス
  6. 三代目JSB登坂広臣、こだわりの自宅公開で「圧倒された」の声
    三代目JSB登坂広臣、こだわりの自宅公開で「圧倒された」の声
    モデルプレス

「音楽」カテゴリーの最新記事

  1. キンプリ高橋海人×市川團十郎、歌舞伎とヒップホップのコラボステージ実現「ベストアーティスト2025」オープニングアクト出演者解禁
    キンプリ高橋海人×市川團十郎、歌舞伎とヒップホップのコラボステージ実現「ベストアーティスト2025」オープニングアクト出演者解禁
    モデルプレス
  2. 日向坂46小坂菜緒「8年間で実は初めて」初ツアー座長で立ち向かった壁「力不足に改めて気づけた」【MONSTER GROOVE/全文】
    日向坂46小坂菜緒「8年間で実は初めて」初ツアー座長で立ち向かった壁「力不足に改めて気づけた」【MONSTER GROOVE/全文】
    モデルプレス
  3. 日向坂46、ライブ欠席の五期生・高井俐香への“メッセージ”話題「感動した」「泣いた」【MONSTER GROOVE】
    日向坂46、ライブ欠席の五期生・高井俐香への“メッセージ”話題「感動した」「泣いた」【MONSTER GROOVE】
    モデルプレス
  4. 日向坂46キャプテン高橋未来虹、“グループの現在地点”と向き合い感じたこと「もどかしい気持ちになることも」【MONSTER GROOVE/全文】
    日向坂46キャプテン高橋未来虹、“グループの現在地点”と向き合い感じたこと「もどかしい気持ちになることも」【MONSTER GROOVE/全文】
    モデルプレス
  5. 日向坂46、金村美玖&小坂菜緒座長のアリーナツアー完走 新たな挑戦&サプライズ発表も【MONSTER GROOVE/セットリスト】
    日向坂46、金村美玖&小坂菜緒座長のアリーナツアー完走 新たな挑戦&サプライズ発表も【MONSTER GROOVE/セットリスト】
    モデルプレス
  6. 西山智樹&前田大輔の新グループ「TAGRIGHT」初お披露目ショーケース、26年1月開催決定 プレデビュー曲披露・スペシャル企画も
    西山智樹&前田大輔の新グループ「TAGRIGHT」初お披露目ショーケース、26年1月開催決定 プレデビュー曲披露・スペシャル企画も
    モデルプレス
  7. 日向坂46、16枚目シングル「クリフハンガー」リリース決定 12月7日フォーメーション発表へ
    日向坂46、16枚目シングル「クリフハンガー」リリース決定 12月7日フォーメーション発表へ
    モデルプレス
  8. アニメミュージックの祭典「ANIMAX MUSIX」総勢20組・全69曲7時間のステージ Leminoで見逃し配信決定
    アニメミュージックの祭典「ANIMAX MUSIX」総勢20組・全69曲7時間のステージ Leminoで見逃し配信決定
    モデルプレス
  9. 芦田愛菜、華やか“大人メイク”に称賛と当惑の声 女優として“打ち破るべき壁”が見えた
    芦田愛菜、華やか“大人メイク”に称賛と当惑の声 女優として“打ち破るべき壁”が見えた
    ENTAME next

あなたにおすすめの記事